2018年8月、遊びから「プログラミングの楽しさ」を理解してもらうためのイベント「遊んで学んで」が東京の台東区にあるイベントスペースで初開催されました。ここではそのイベントがどういったものでなぜ開催されたかなどについて紹介します。

遊びと学びを融合させる

「AI」や「人工知能」というキーワードが、普通に使われる時代になっています。インターネットが当たり前の時代になり、いろいろなサービスが「プログラム」で実現されていることも、広く一般の方々にも認識されてるようになりました。

通信機器の開発現場でプログラム開発をしていた私にとって、このような状況になったことはとても喜ばしいことです。

一方で、2020年からの小学校でのプログラミング教育の必修化に伴い、子どもたちにプログラミング教育をどのように提供するか、ということにも注目が集まっています。

しかし私は、小学校でのプログラミング教育について一抹の不安があります。それは、「プログラミング嫌いの子が量産されてしまうのではないか」ということです。

これまで、プログラミングは、興味をもった人や必要に迫られた人(研究や仕事での開発など)が、学んで習得するものでした。私たちエンジニアの仲間にも、ゲームやロボットに興味をもったことで、電子工作やプログラミングを学んで習得した人が多くいます。

つまり、彼らは目的があってプログラミングを学び習得しています。その目的は興味関心がある趣味、あるいは遊びということが多いでしょう。

そこで、遊びから「プログラミングの楽しさ」を理解してもらうべく、2018年8月のお盆に、東京の台東区にあるイベントスペースで『遊んで学んで』というイベントを初開催しました。

未就学児から小学生を対象に、「遊んでいるうちに何かを学べる」をコンセプトにした体験型イベントです。

画像: 「遊んで学んで」の第1回は2018年8月に行われた

「遊んで学んで」の第1回は2018年8月に行われた

プログラミング学習ロボット開発での気づき

「遊んで学んで」をはじめたきっかけは、私たちが開発したプログラミング学習ロボット『PETS』(開発:株式会社デザイニウム/株式会社for Our Kids)を、子どもたちに遊んでもらった経験からです。

「PETS」は未就学児から小学校低学年くらいの子どもたちが、はじめてプログラミングに触れることを想定して開発された学習用ロボットです。PETSのロボットおよびコンテンツの開発で、一番心掛けたのは「簡単で、やっていて楽しい」ということです。

そして、これまで数多くの子どもたちにPETSのワークショップなどを通して体験してもらいました。

最初のうちは自分の命令通りに動くPETSを操作していくことに楽しみを覚え、その後はテンポよくどんどん設問を解いていくのですが、途中で必ず壁に打ち当たります。それは私たちが、少し頭を使わないと、次に進めないような壁をPETSのテキストにある課題に仕込んでいる
からです。

それは大人から見たら本当に小さな壁なんですが、子どもたちにとってはこれまでのリズムが止まってしまうので、いったん悩みます。そしてその壁を乗り越えたとき、子どもたちが単純な遊びのときには見せたことがない、何とも言えない笑顔を見せます。

そのことを、私たちには目が光ったように見えるので「覚醒した」と呼んでます。

画像: 壁を乗り越えると子どもたちは何とも言えない笑顔を見せる

壁を乗り越えると子どもたちは何とも言えない笑顔を見せる

この「楽しくて遊んでいる」ものが「学び」に変わる瞬間、子どもたちが見せる笑顔が毎回心に残っています。もっとたくさんのこの瞬間・笑顔をつくりたい!ーーそう考えたことが、このイベントをはじめたきっかけです。

7つの遊んで学ぶコンテンツ

今回のイベントでは、次の7つのコンテンツを体験してもらいました。

PETS

前述のプログラミング学習ロボットです。2017年8月に正式販売開始し、都内の小学校などで導入が始まっています。

小学校では生活の授業でのプログラミング体験だけでなく、算数や国語の授業でプログラミングを絡めた利用がされています。

PETS-R

上述のPETSに「乗る」という妄想を具現化した、プログラミングで運転できる、乗れるロボットです。

操縦はハンドルを使いません。そのかわりに運転席の前にセットされた本物のPETSに、命令ブロックを差し込むことで進行方向を決めます。プロジェクションマッピングで投影された、4.5メートル四方のコースを自由に走ります。

遊んで学んで

「デジタル・コンテンツの裏側を知ろう」というコンセプトのもと、小学生でも制作可能な「Micro:bit(マイクロビット、小型マイコンボード)」をコントローラーにしたゲーム感覚の体験型コンテンツです。

自分の顔や描いた塗り絵が、画面の世界に入っていきます。また自宅でも、プログラミングの基礎を学べるように、学習用のマニュアルも配布しています。

画像: PETS-R(左)と遊んで学んで

PETS-R(左)と遊んで学んで

VRペーパークラフト

バーチャルリアリティ空間で家やビル、動物に塗り絵ができます。スプレーや筆を操り、自分の好きなカラーに仕上げます。

描き終わったら、その家やビル、動物などの展開図をプリントアウトして、それを組み立ててみんなで街をつくることができます。

タッチで遊ぼう

壁をタッチして、算数や英語を遊びながら学べます。PCやタブレットの小さな画面を見ながらゲームするのではなく、大きな壁がスクリーンなので、全身を使って算数や英語の課題にチャレンジします。

画像: VRペーパークラフト(左)とタッチして遊ぼう

VRペーパークラフト(左)とタッチして遊ぼう

インタラクティブ・トランポリン

デジタルの力でトランポリンを未来のオモチャにしました。

ジャンプするごとに音が鳴ったり光ったり、不思議な感覚を感じながら遊べます。体を使ってインタラクティブな遊びができます。

ドローンサーカス・プログラミング

人気のトイドローン「Tello」をビジュアルプログラミングソフト「Scratch(スクラッチ)」で動かします。

サーカスのような輪くぐりや、ホバリングで風車を回転させるなどのミッションにチャレンジします。コントローラー操縦ではなく、プログラミングで自律航行を実現します。

画像: インタラクティブ・トランポリン(左)とドローンサーカス・プログラミング

インタラクティブ・トランポリン(左)とドローンサーカス・プログラミング

「遊んで学んで」は継続的なイベントに

はじめてのイベント開催で、たくさんの子どもたちに遊んで学んでもらい、想定以上の笑顔を得たことや、想定しない残念な感じになってしまったこともあります。

もちろん、まだまだ試行錯誤が必要なことは、我々も充分に理解しています。今後も継続的にイベントを開催していき、そこで培った知見を体験コンテンツに反映して、ゆくゆくはいろいろな場所で子どもたちに体験してもらえればと思っています。

今の子どもたちが大人になったとき、プログラミングやクリエイティブに興味をもったきっかけがこの『遊んで学んで』の体験であったら、これほど嬉しいことはありません。

次回は、各コンテンツの詳細について紹介を予定しています。

画像1: 「遊んで学んで」は継続的なイベントに
画像2: 「遊んで学んで」は継続的なイベントに
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