タイトルローリーとふしぎな国の物語 プログラミングとアルゴリズムにふれる旅
著者カルロス・ブエノ
奥泉直子
出版社マイナビ出版
価格2,376円
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今回選んだ本「ローリーとふしぎな国の物語 プログラミングとアルゴリズムにふれる旅」

「うちの子、黙々と本を読むのが好きなタイプだから、プログラミングには向いていなさそう……」自分のお子さんを見ながら、そんなふうに思っているお父さんお母さんはいませんか?

たしかに、読書好きのお子さんに突然ゲームをつくる本を渡しても、まったく興味をもたれずに終わってしまう可能性が高いでしょう……。しかし、“物語を通して”コンピューター科学やプログラミングの世界に触れられる本があったらどうでしょうか?興味をもつきっかけになりそうだとは思いませんか?

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今回取り上げる『ローリーとふしぎな国の物語 プログラミングとアルゴリズムにふれる旅』は、そんな期待を抱かせてくれる本。物語を通して、コンピューター科学やプログラミングの基本的な考え方に触れることができる本なのです。

物語に溶け込む“考え方”

主人公は「ローレン・イプサム」(愛称ローリー)という女の子。母親と喧嘩をしてしまったローリーは、気晴らしに出かけた森で迷子になり、「ユーザーランド」という不思議な国に迷い込んでしまいます。そこでローリーは、個性豊かな動物や人々と出会い、助けられ、そして出された問題を解きながら、自宅のある「ハミルトン」への道のりを探っていくというストーリーです。

では、どのような形でコンピューター科学やプログラミングの考え方が登場するのかと言うと、このローリーが旅の過程で解くことになる問題こそが、「セキュリティ」「アルゴリズム」「指示の出し方」といったコンピューター科学やプログラミングの基本的な考え方に通じているのです。子どもたちは、ローリーと一緒になって問題を考えることで、自然な流れの中で、コンピューター科学やプログラミングの考え方について学ぶことができるようになっています。

画像: 物語に溶け込む“考え方”

『ルビィのぼうけん』よりもお兄さんお姉さん向け

ところでここまで読んで、「あれ?過去にも同じような本がほかにもあったような……」と感じている人はいませんか?

そう、こちらでも過去に取り上げた『ルビィのぼうけん』シリーズも、“物語を通して”テクノロジーの世界に触れることができる本でした。では、『ルビィのぼうけん』とこの本で何が違うのかと言うと、『ルビィのぼうけん』シリーズは、比較的低年齢のお子さんを対象とした“絵本”でしたが、この本は“小説”(児童書)だと言うことです。

表紙にも「対象:10歳以上」とありますが、この本は「親子で一緒に」「親が子に読み聞かせる」というよりも、自分の力でしっかりとひとり読みできるお子さん向け。絵本をそろそろ卒業し、文字が多い物語を読むことにも慣れてきた、ルビィのぼうけんの読者よりももう少し大きなお兄さんお姉さん向けの本と言えるでしょう。

ちなみに少し余談ですが、IT人材の不足が叫ばれる時代の中で、今後も同じような本が登場してくることもあるでしょう。そんな中で個人的に感じているのは、ぜひ日本人が書いた日本を舞台にした物語を読んでみたい!!ということです。ルビィにしろ、今回のローリーにしろ、どちらも外国人が書いた翻訳モノなので、やはり日本とは雰囲気が違うんですよね。日本人なら、テクノロジーをどんな物語に載せるくるのか。ぜひこれからに期待したいです(笑)。

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読書好きなお子さんにぜひ読んでほしいコンピューター科学の入門書

さて、話を本の内容に戻しましょう。この本にはコードの書き方も、コンピューターも出てきません。それどころか、全238ページ(巻末についている解説含む)をちょっとの挿絵と文字だけで読み進めていかなければいけない小説(児童書)です。

どちらかというと、“プログラミングに興味がある子”というよりも、“とにかく本を読むことが好きな子”に読んでほしいと感じました(本を読むことが苦手なお子さんだと、たとえプログラミングに興味があっても、最後まで辿り着けずに終わってしまう危険性が……)。

まずは、普段の読書の一環くらいの軽い気持ちで読ませてみるとよいかもしれません。すぐにお父さんお母さんが期待しているような反応が得られなくても、2020年度からプログラミング教育がはじまれば、授業の中でこの本に出てきたような言葉や考え方に遭遇したり、お友達との会話の中でプログラミングについての話題が登場したりすることもあるでしょう。そんな日常の中でふと思い出され、プログラミングの扉を開くきっかけとなればそれで充分。これまでプログラミングとは縁がないと思い込んでいた読書好きなお子さんに、プログラミングに興味をもつきっかけづくりのひとつとして、ぜひ手にとってほしい一冊だと感じました。

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これまで紹介した本

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