「これからの時代、子どもたちが生き抜くにはプログラミングやIoTの知識が必要」ーーそう考えている親御さんも多いのではないでしょうか。ただ、効果があるかわからないし、家計にそれほど余裕があるわけではないと、躊躇してしまっているご家庭もあるかと思います。
そんなときは「地域ICTクラブ」に通うという選択肢があります。「地域ICTクラブ」は、少年野球などといった「地域スポーツクラブ」のIT版。総務省が推進し、実証化実験が日本各地で行われています。

技術を学ぶだけでなく身の回りの課題を解決する

その中で、今回は狭山市で行われている「こどものミライクラブ※」を取材しました。「こどものミライクラブ」では、プログラミング言語やコンピューターの基礎的な原理、外部機器の役割などを学べます。

※こどものミライクラブ
こどものためのプログラミング教育を考えるWebメディア「こどものミライ」を運営するD2Cを代表団体として、狭山市、早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所、アイ電気社、CGコミュニケーションズ社、大田区教育委員会を構成団体とする「こどものミライ協議会」が企画公募に応募し、正式に採択されたICT事業。今回実証事業を行う地域は狭山市と大田区。

小学校1年生から3年生の低学年は「Makey Makey」というテクノロージートイを、4年生から6年生の高学年は「Raspberry Pi3」を使って授業をします。このプログラムが特徴的なのは、単に学ぶだけでなく、それらの技術を使って身の回りの課題を解決することを目的としているところです。全4回の講義が実施され、最終回は早稲田大学の教室で、その成果を発表します。

画像1: 技術を学ぶだけでなく身の回りの課題を解決する

今回はその2回目の講座。場所は埼玉県の狭山市駅から徒歩5分の「狭山市労産業労働センター」で行われました。

会議室に入ると、すでに20名ほどの小学生の子どもたちが、パソコンに向かっていました。意外にもみんなコンピューターには慣れているようで、その周りを10名以上のメンターがサポートしている状態でした。

画像2: 技術を学ぶだけでなく身の回りの課題を解決する

狭山市の問題をテクノロジーで解決する

まず講義のはじめに、講師をつとめる齋藤大輔さんが、「みんなが住む狭山市にはどんな問題があって、その問題をどうしたら解決できるか考えていきたいと思います」と語りかけます。

画像: 狭山市の問題をテクノロジーで解決する

今回のカリキュラムは齋藤さんをはじめ、早稻田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所のメンバーが考えたもの。そのカラキュラムでは、プログラミングや電子工作を学ぶだけでなく、それを活かして地域の問題解決を目指します。そこには、AIが進歩していく世の中で、コンピューターを駆使して新たな価値が想像できる人材を育てたい、という意図が込められているとのこと。

狭山市の市役所の人から、高齢化など市が抱える問題の説明を受けたあと、グループワークがはじまりました。低学年の子たちは下を向いていて、なかなか意見が出てきません。そんなとき、地域から集まったボランティアのメンターが「まずは自分の周りの困ったことを考えてみようか」と助けに入りました。次第に子どもたちから、「泥棒が入ってきたらわかるやつ」「図書室で本を探してくれる」などの意見が出てくるようになっていました。

電子工作やプログラミングの内容を勉強

もちろん、電子工作やプログラミングの内容も勉強します。

今回のテーマはセンサーでした。低学年の子どもたちは、段ボールとアルミホイルで感圧センサーをつくり、そのセンサーとMakey Makeyを接続。センサーに物が乗ると、スクラッチ上のキャラクターが動く、というものです。

画像1: 電子工作やプログラミングの内容を勉強
画像2: 電子工作やプログラミングの内容を勉強

高学年の子たちは、「Raspberry Pi 3」にブレッドボードとLEDをつなぎ、Pythonでプログラミングすることで、LEDを発光させていました。低学年が、「Makey Makey」とScratchなのに対して、高学年の子たちが「Raspberry Pi 3」なのは、キーボードの使い方に習熟しているからとのこと。本格的なプログラミング言語を使っているせいか、メンターとウンウン悩みながら課題に取り組んでいたのが印象的でした。

画像3: 電子工作やプログラミングの内容を勉強

会場にいた大人の声

会場に来ていた親御さんにも話しを聞いてみました。

Webページの作成の仕事をしている40代のお父さんは「Web制作の仕事をしていても、プログラムができたほうが仕事しやすいですよね。これからはAIの時代と言われているし、子どもがプログラムを学ぶことは大切だと思うんですよね」とのこと。これからの時代、プログラミングが必要だという認識が共有されているようです。

メンターにも話を聞きました。メンターの柴田勲さんは、8年前まで大手半導体メーカーでマイクロコンピューターのエンジニアだったそう。

「2020年から小学校でプログラミング学習がはじまります。そのボランティアとして、小学校で教えてくれないかと頼まれているんですが、その予習も兼ねて、手伝いにきました。社会人生活の中で学んだ知識を、子どもたちに伝えることができればと思っています」

地域にプログラミングやIoTを教えられる人材が揃っていることは、素敵だと感じました。

コンピューターとの付き合い方を教えたい

最後に、講師の斎藤さんにお話をうかがいました。

「コンピューターに使われるのではなく、仕組みを知って、使う側の人になってほしいんです。アルバイトで小学生向けにプログラミングを教えたときに、プログラミングだけなくコンピューターとの付き合い方を教えたいと思ったんですよね。だから、単に電子工作やプログラミングを教えるだけじゃなくて、地域の問題解決という要素も入れたんです」

カリキュラムには斎藤さんの個人的な想いも込められているようです。

「こどものミライクラブ」を取材して、行政、地域、大学が一体となって、うまく子どもたちの教育に携わっており、この取り組みがモデルケースとして、全国に広がっていくことを予感させました。ご自身の町に「地域ICTクラブ」があるようなら、ぜひ参加してみることをオススメします。

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