今回で6回目の開催となるロボコン「アフレルスプリングカップ」は世界のロボコンWROに挑戦したい人のための、いわば登竜門。桜の季節到来とともに開催された、「アフレルスプリングカップ2019」大阪大会をレポートします。

初心者が力試しできるロボコン新人戦。WRO挑戦者に最適

2014年からスタートしたアフレルスプリングカップは、初心者が挑戦しやすいロボコン新人戦で、世界最大のロボコンである「WRO(正式名称はWorld Robot Olympiad)」を目指す人の力試しや、ステップアップの場としても最適。「教育版レゴマインドストームEV3」と「TETRIX」を使ってロボットコンテストを行います。

大会は、学年別(小学生、中学生、高校生)、難易度別(ミドル、エキスパート)に分かれており、それぞれの難易度に合わせ競技内容が設定されています。ルールはWROに準じています。

大会当日は各種相談会やセミナーなども併催。ロボコンやロボットプログラミングに興味のある教育関係者や、指導者向けのサポートも充実しています。昨年からは東京大会に加えて大阪大会も開催されるようになりました。
アフレルスプリングカップは、WROを目指す人を応援する目的で始まった大会です。来年2020年に迫った小学校必修化を前に、関西圏でもプログラミング教育に対する熱気が高まっていることを感じさせます。

大阪工業大学で行われた「アフレルスプリングカップ2019大阪大会」

画像1: 大阪工業大学で行われた「アフレルスプリングカップ2019大阪大会」

「アフレルスプリングカップ2019」大阪大会は、3月28日に行われました。会場は大阪工業大学梅田キャンパス。約30名の同大学生たちも運営に参加し、1Fエントランスギャラリーには大阪工業大学特別出展ブースもありました。また、同好会や愛好団体によるレゴマインドストーム作品の展示や、ドローンチャレンジ、ブロックプレイなどのコーナーも設けられており、親子連れなど多数の来場者が立ち寄る姿が見られました。大学のブースや体験コーナーを設置したのは、今回が初の試みとのことです。

画像2: 大阪工業大学で行われた「アフレルスプリングカップ2019大阪大会」

小学生から高校生まで、大阪大会では82チームがエントリー

参加者は小学生から高校生まで、年齢別に以下のように分かれて競技します。

  • 小中高ミドル部門
  • 小学生エキスパート部門
  • 中学生エキスパート部門
  • 高校生エキスパート部門
  • ARCミドル部門(17歳以上25歳以下の学生対象)

※東京大会には「ARCエキスパート部門」もあり

大阪大会では82チームがエントリー。総勢200〜300人の選手やコーチが会場に集結しました。ロボコン参加チームの内訳は「選手(児童・生徒)2~3名+コーチ(20歳以上の大人)1名」と定められており、選手1名で参加することはできないそう。理由は「ロボットコンテストでは“チームワーク”や“コミュニケーション”の素晴らしさを学ぶことも大切だから(!)」。ロボコンはお互いの得意分野を生かし、成長し合う絶好の機会となりそうです。

画像: 小学生から高校生まで、大阪大会では82チームがエントリー

大会の前には規定をクリアしているかをチェックする「車検」タイム

自律型ロボットとは、リモコンなどで人間が操作することなく、プログラミングによって動きを制御するロボットのこと。競技に使うロボットの走行中はいかなる無線通信、リモートコントロール、有線式コントロールも禁止、とされています。競技中、ロボットは内蔵されているプログラムによってセンサーやモーターを使い、自動的に判断して進みます。

競技に使用するロボットのサイズや、利用できるハードウェアなどは大会製作条件があり、競技前には規定をクリアしているかをチェックする「車検」タイムが設けられていました。

画像: 大会の前には規定をクリアしているかをチェックする「車検」タイム

「鮮度で分けてフルーツを運べ!」「食物を船に積み込んで輸送せよ」競技内容はWROに準じる

アフレルスプリングカップは、WROで行われる競技を簡易にした競技内容であることが特徴です。今回の競技は前回のWRO2018の競技内容に準じているため、“鮮度で分けてフルーツを運べ!” (小学生エキスパート部門)や、”食物を船に積み込んで輸送せよ” (高校生エキスパート部門)といった競技タイトルから、WRO2018の大会テーマだった“Food Matter”を垣間見ることができました(ちなみに、11月に予定されているWRO2019の大会テーマは”Smart City”に決定したとか)。

小中高ミドル部門「オブジェクトを指定されたエリアに運び入れ、ゴール出来たらミッションクリア!」

競技がスタートしました。こちらは「WRO Japan2018ミドル競技」を参考した、初学者向けの競技内容です。スタート後にライン上に配置された4枚のタイルのカラーを読み取り、カラーに対応するオブジェクトを運び込む、というもの。小学生から高校生まで、同じ競技内容に挑みます。初学者向けとは言っても、なかなか難易度が高そうでした。

※WRO Japan=WROの日本代表選抜大会

画像1: 小中高ミドル部門「オブジェクトを指定されたエリアに運び入れ、ゴール出来たらミッションクリア!」
画像2: 小中高ミドル部門「オブジェクトを指定されたエリアに運び入れ、ゴール出来たらミッションクリア!」
画像3: 小中高ミドル部門「オブジェクトを指定されたエリアに運び入れ、ゴール出来たらミッションクリア!」

小学生エキスパート部門「鮮度で分けてフルーツを運べ!」

「WRO Japan2018 レギュラーカテゴリーエレメンタリー部門」のルール内容を簡易化した競技内容です。“フルーツを適切な場所に移動させる”=オブジェクトを決められた位置まで移動させる、というもの。制限時間は120秒ですが、10個のオブジェクトを仕分けするには時間がかかり、タイムアウトとなるチームも続出。

画像: 小学生エキスパート部門「鮮度で分けてフルーツを運べ!」

中学生エキスパート部門「土壌に合わせて植物を植えよ」

「WRO Japan2018 レギュラーカテゴリージュニア部門」のルール内容を簡易化した競技内容です。“土壌の性質に応じて、苗木エリアから植物を運び出し、植える”=6個のオブジェクトをつまみ上げて、適切な場所に設置する、というもの。小さなオブジェクトの扱いに苦戦しているチームが多かったようです。

画像: 中学生エキスパート部門「土壌に合わせて植物を植えよ」

高校生エキスパート部門「食物を船に積み込んで輸送せよ」

「WRO Japan2018 レギュラーカテゴリーシニア部門」のルール内容を簡易化した競技内容です。“食品を船に積み込み、傷まないよう保温し、送り出す”=土台オブジェクトの上からオブジェクトを取り、土台は収納。替わりにリング付きオブジェクトを取り、2つのオブジェクトを積み込む、という複雑なもの。オブジェクトの入れ替え、積み込みなど作業量が多く難しそうでした。

画像: 高校生エキスパート部門「食物を船に積み込んで輸送せよ」

ARCミドル部門

「WRO Japan2018アドバンスド・ロボティクス・チャレンジ(ARC)ミドル部門」と同じ競技内容です。こちらはボールをカゴの中に入れるというもので、一見簡単そうに見えプログラミング的には大変な作業だったよう。参加した3チームのうち2チームがリタイアという結果に。

画像: ARCミドル部門

失敗者続出……それでもめげないロボコン参加者

競技終了後、会場で短いインタビュータイムが設けられました。次々に挙手して自ら話そうとする小学生選手たちのパワーにびっくり。「思ったより難しかった」「練習ではできたのに、本番ではうまくいかなかった」などの声が多数。ライントレース、カラーサーチなどをあらかじめプログラミングしておき、本番でロボットを制御するというのはじつに大変なことのようです。

ロボットプログラミングは普段の勉強以上にうまくいかないことが多いとか。しかし、そうした失敗にもあまりめげないのがロボコン参加者なのだそうです。1年間かけて準備して、挑むロボコン。競技中は、ごく稀だからこそ「いける、いける!」「やった!」などの弾けるような歓声、渾身のガッツポーズが印象的でした。

「失敗を経験として生かして、来年もがんばりたいと思います」という力強い参加者の声も多数あがった大阪大会。日本の未来はここにあるのかも、と思わせるものがありました。

画像1: 失敗者続出……それでもめげないロボコン参加者
画像2: 失敗者続出……それでもめげないロボコン参加者

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