大人も子どもも楽しめるサイエンスミュージアムについて、実際にいろいろな博物館や展示会を巡っている筆者が紹介。第4回は、京葉工業地帯とも深い関わりのある、千葉県市川市の、千葉県立現代産業科学館を訪ねます。

新宿から都営新宿線に乗って40分、終点である本八幡駅は、千葉県市川市に位置しています。駅から徒歩15分のところに、千葉県立現代産業科学館があります。

画像: 現代産業科学館入り口

現代産業科学館入り口

千葉県の東京湾岸は、千葉港(千葉市中央区)を中心とした京葉(臨海)工業地帯が広がっています。京葉工業地帯は、鉄鋼業、石油化学工業などの重工業から、製パン、冷蔵などの食品工業、そして工場のエネルギーを供給する火力発電所などからなり、まさに日本の工業を支える地域のひとつです。

この工業地帯について、どういった役割をしているのかを紹介しつつ、新しい世代の子どもたちに科学について知ってもらう目的で建てられたのが「千葉県立現代産業科学館」です。そういった目的もあって、展示・運営協力団体には工業地帯と関わりがある企業が多く参加しています。

画像: 体験型科学展示「創造の広場」

体験型科学展示「創造の広場」

「白熱電球原理実験」「超低温や超電導」「断熱膨張・断熱過程実験」「100万ボルト雷放電実験」……1Fには体験型の科学展示がたくさん

1Fには体験型の科学展示を中心に並んでいます。訪問したのが平日午後だったので来館者は少なかったですが、学校からの見学がある日や休日は。多くの人が来るそうです。

ここでは、科学実験の展示に特に力を入れています。訪れた日は、「白熱電球の原理実験」「液体窒素を使った超低温や超電導」「断熱膨張・断熱過程の実験」、そして「特殊な装置による100万ボルトの雷放電実験」を見学できました。

画像1: 「白熱電球原理実験」「超低温や超電導」「断熱膨張・断熱過程実験」「100万ボルト雷放電実験」……1Fには体験型の科学展示がたくさん

各実験は10〜15分で、ある実験が終わると、ちょうど次の実験が始まるように時間が設定されているので、ちょうど1時間ほどで一通り見ることができます。また学芸員が、小さい子どもでも大人でもわかるように、非常にていねいにわかりやすく説明しているのが印象的でした。どういった人が説明しているのか聞いてみたところ、前述の工業地帯と関わりがある企業の出身者(OB)が多いとのこと。

画像2: 「白熱電球原理実験」「超低温や超電導」「断熱膨張・断熱過程実験」「100万ボルト雷放電実験」……1Fには体験型の科学展示がたくさん
画像: 千葉県立現代産業科学館「超電導実験」.wmv www.youtube.com

千葉県立現代産業科学館「超電導実験」.wmv

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「製鉄用高炉」から「T型フォード」まで。2Fは千葉県と深い関わりのある工業の展示

2Fに上がると、館の名前にもなっている千葉県の現代産業に関する展示が並びます。まず目につくのが1Fから2Fを貫く、巨大な製鉄用高炉の模型。これは1953(昭和28)年6月に火入れ(稼働開始)され、1977(昭和52)年2月に吹き止め(稼働終了)された、川崎製鉄千葉製鉄所1号高炉の模型です。京葉工業地帯における鉄鋼業において非常に重要な位置づけとなるもので、この科学館建設を契機として当時の高炉建設当時の調査が進められたそう。

川崎製鉄千葉製鉄所1号高炉の模型

2Fを見回していくと、フォード・モデルT(通称T型フォード)がひときわ目立ちます。足元には鏡が置かれており、車体下回りもじっくり見れるようになっており、フレームなどに木材などが多用されていることがわかります。

T型フォードは、アメリカのフォード・モーター社が1908(明治41)年に発売され、1927(昭和2)年までに大きなモデルチェンジもなく約1,500万台が生産され、自動車の普及に大きく貢献した自動車のひとつ。現代の工場生産ラインでも用いられるベルトコンベアによる流れ作業など、大量生産(マスプロダクション)の手法が初めて全面的に採用されたという点でも革新的な製品です。

画像: T型フォード

T型フォード

また、エンジンが外されて展示されていて、形状などは現代のものに非常に似通っており、自動車の基本的な構造が100年前に既に完成していたことがわかります。

エンジンは、ここで静態保存(展示)しているものとは別にもう1台あり、それは愛知県豊田市にあるトヨタ博物館の協力を得て動態保存してあるとのこと。試乗会も開かれているそうです。100年前の自動車に乗れる機会は非常に希少なので、科学館の公式サイトでスケジュールなどを確認して参加してみるといいかもしれません。

画像: T型フォードエンジン

T型フォードエンジン

また、直径23mの円形ドームを持つプラネタリムも併設されています。こちらは企画展などの際のみとなるようです。

画像: 2Fフロア

2Fフロア

市川市文学ミュージアムも一緒にどうぞ

現代産業科学館の隣には、市川市文学ミュージアムが設置されています。こちらでは、井上ひさし、永井荷風、宗左近など著名な作家について展示がされています。また、企画展では漫画などにも扱っており、展示で扱う対象にも厚みがあります。

午前中に現代産業科学館、午後は文学ミュージアムと、はしごしてみてはいかがでしょうか。

画像: 市川市文学ミュージアムも一緒にどうぞ

【基本情報】

  • 名称: 千葉県立現代産業科学館
  • 住所: 千葉県市川市鬼高1丁目1-1-3
  • 公式サイト http://www2.chiba-muse.or.jp/SCIENCE/
  • 展示ゾーン
    • 開館時間: 午前9:30〜午後4:30
    • 見学目安時間: 1.5〜2時間
    • 入場料: 大人 400円〜幼児 無料
    • オーディオガイド: あり(無料)
  • 駐車場: 周辺の駐車場を利用

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