STEM教育ではとても重要なサイエンスミュージアム。今回は日本を飛び出して、アメリカ・サンフランシスコにある自然史博物館「カリフォルニア科学アカデミー」に行ってきました。

明治7年!145年前につくられた博物館

日本から飛行機で9時間半ほど飛ぶと、アメリカの左側、西海岸と呼ばれるエリアにあるサンフランシスコに到着します。サンフランシスコは、ソーシャルネットワークサービスの大手Twitterや、自動車配信サービスのUber本社など、ITベンチャーと呼ばれる企業がひしめき合っている街としても有名。そういった地域特性もあり、市内には博物館、美術館、水族館が何日も巡って過ごせるほど揃っています。

画像: 館内研究室

館内研究室

その中でも、最大級の博物館が「カリフォルニア科学アカデミー(California Academy of Sciences)」です。この博物館の設立に至る歴史も非常に興味深いもので、1849年(嘉永2年)ゴールドラッシュ(金脈採掘)でサンフランシスコに8万人も押し寄せたころにさかのぼります。当時はまだ動植物や天然資源等について調査が行われていなかったことから、1853年(嘉永6年)に学術調査を目的として「カリフォルニア自然科学アカデミー(The California Academy of Natural Sciences)」が設立され、調査で収集された資料を展示するために、1874年(明治7年)に展示施設が開設されたのがはじまりです。

そういった経緯からか、自然科学の豊富な資料が揃う博物館、水族館、植物園、動物・昆虫園、プラネタリウムを備えていながら、名称に博物館(Museum)が含まれていません

さて、入場券を購入して入場したら、初めにプラネタリウム観覧のパスをもらいに行きます。先着順とはなりますが、展示を見て回るだけで3時間近くかかるので、観覧時間が遅くても気にする必要はありません。

画像: 入場券

入場券

館内には残念ながら日本語の案内や音声ガイドはありませんが、見ているだけでも知識を吸収できますし、博物館の説明らしくやさしい英語で書かれているので、単語を調べながら読み解けます。

画像: 河口の生物に関する説明ボード(The Estuary's Bounty=河口の恵み)

河口の生物に関する説明ボード(The Estuary's Bounty=河口の恵み)

熱帯雨林のドーム「Osher Rainforest」

館内に入って右手側には、27メートルの高さがあるガラス張りのドーム「Osher Rainforest」が納まっています。ドーム内のゆるやかな螺旋状のスロープを上りながら、熱帯雨林の動植物を低い位置から高い位置まで観察していきます。

Osher Rainforest

ドーム下層には魚やカエル、上層に向かうに従って蝶や鳥などが見られるなど生息する生き物の変化が見て取れます。金網などの仕切りはないので、時には目の前を飛ぶこともあり、あちらこちらを覗き込みなら進むだけで、多様性を実感できます。

ところで、この施設の名前に冠されている「Osher」ですが、アメリカのビジネスパーソンで慈善家のBernard Osher氏にちなんでいます。アメリカではこういった慈善家による寄付で博物館や美術館といった公共施設を支えられることが多く、そういった施設には名前が冠されるのが慣習のようです。

画像: 熱帯雨林のドーム「Osher Rainforest」

カリフォルニア沿岸の水生生物を観察できる水族館

さて、頂上まで辿り着いたら、こんどはエレベーターで地下に行きます。エレベーターを降りた先には、カリフォルニア沿岸などの水生生物の水槽が並びます。魚の種類も非常に豊富で、水族館単独としても充分な見応え、ちょっとやそっとでは見きれません。

画像: 地下水生生物フロア

地下水生生物フロア

ペンギンが出迎える「アフリカホール」

入場口のあるフロアに戻り、入り口の左手前側に向かうと「アフリカホール」があります。ここには、アフリカの動物や人類の進化の歴史についての展示。そして、一番奥では南アフリカ沿岸部を繁殖地とするアフリカペンギン(ケープペンギン)が迎えてくれます。世界最大の自然史博物館だけあって、本当に何から何まで一緒くたに学べることに驚かされます。

画像: アフリカペンギン水槽

アフリカペンギン水槽

施設の屋上まで上がると、ほぼ全面が緑化されており、明り取りのガラス張り部分が随所に見受けられます。これらは、ヒートアイランド減少を抑止するだけでなく、雨水の98%(年間1363万リットル)を保水することで、洪水の抑止や下水道システムの負荷を軽減するシステムの有効性を提示しています。また、多様な植物で構成することで、将来に渡ってどういった多様性にどういった変化がもたらされるかの研究も進められています。

画像: 施設屋上

施設屋上

プラネタリウムや化石もあり、かなり長居してしまう博物館。館内には広い休憩スペースやカフェもあるので、半日じっくりいるつもりで回るといいと思います。同じゴールデン・ゲート・パーク内の歩いてすぐのところには、デ・ヤング美術館( M. H. de Young Memorial Museum )がありますが、こちらも非常に見応えがあるので、そちらも行くなら朝から夕方までをこの2つのミュージアムで費やすつもりで訪問してください。

画像: クジラの骨格

クジラの骨格

基本情報

  • 名称:カリフォルニア科学アカデミー(California Academy of Sciences)
  • 住所:アメリカ カリフォルニア州サンフランシスコ市ミュージックコンコースドライブ55 (55 Music Concourse Drive, San Francisco, CA 91118, USA)
  • 公式サイト:https://www.calacademy.org
  • 展示ゾーン
    • 開館時間:午前9:30〜午後5:00(日曜のみ午前11:00〜)
    • 見学目安時間:3.5〜4時間
    • 入場料:大人 $39.95(約4,000円)〜小人$29.95(約3,300円)
    • オーディオガイド:なし
    • モバイルアプリ(無料):https://www.calacademy.org/explore-science/mobile-apps
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