ロンドンでは、大英博物館をはじめ、数多くのミュージアムが無料で利用できます。今回紹介するサイエンス・ミュージアムも有料コンテンツはあるものの、ほとんどが無料。展示や体験型のものなど、3歳から大人まで楽しめます。ここではこれらの無料展示に加え、STEMにフォーカスした体験型展示がたくさん詰まった「ワンダーラボ」について紹介します。
画像: サイエンス・ミュージアムの外観

サイエンス・ミュージアムの外観

産業革命の貴重な遺産が無料で見られる

サイエンス・ミュージアムの見どころのひとつは、エントランスを入ってすぐにあるエネルギーホールです。イギリスの産業革命を象徴印象づけるジェームズ・ワットの回転式エンジンチャールズ・パーソンの蒸気タービンなどの大型の発電機などが陳列されています。

その奥には宇宙開発関連のコーナー、さらには近代社会を発展に導いたモビリティのコーナーがあります。たとえば鉄道初期の蒸気機関車であるパッフィング・ビリーの丸っこくて愛らしい筐体からは、当時の技術力だけでなく、デザイン力も高かったということをうかがい知ることができます。

インタラクティブなデジタルコンテンツが充実

通常の展示以外にも、各フロアに科学技術の知識や興味を深めるための、インタラクティブなコンテンツが用意されています。

画像: 各フロアが一望できる吹き抜けスペース

各フロアが一望できる吹き抜けスペース

自分の存在について知る「Who am I ? (私は誰)」コーナーでは、自分自身を身体的、脳科学的、遺伝的に理解するためのクイズが用意されています。エリア内にあるタッチディスプレイを使って、設問に答えながら、自己と向き合えます。

その周辺にはショーケースがあり、年齢を重ねる上での見え方、私たちを特徴づける言語や知性、アイデンティティーとは何かについて、多様な学問を背景としたコンテンツが展示されています。

1つ上のフロアには「Atmosphere (地球環境) 」コーナーがあり、自分の置かれた環境を支えるエネルギー、さらにはそれを形づくる地球そのものに目を向けます。

最上階の「Engineer your future ( 未来をつくろう ) 」コーナーでは、3人で参加できる鉄道、空港、発電所などのインフラ設計ゲームがありました。

この他にも、センサーを使って身体性を楽しむ、8歳以下を対象とした「Pattern Pod」や、3歳から6歳の幼児向け科学体験コーナー「The Garden」もあります。

リピートしたくなる「ワンダーラボ」

サイエンス・ミュージアムには、IMAXシアターや特別展などの有料コンテンツもあります。中でも人気なのが、50種類以上の体験型展示を備えた「 Wonderlab (以下、ワンダーラボ) 」です。

フロア内はLight(光)、Matter(物質)、Sound(音)、Space(宇宙)、Maths(数学)、Electricity(電気)、Forces(力)の7つのカテゴリーに分類されています。料金は大人9ポンド。他にもサイエンスショーや実験デモも行われます。

画像: エントランスにあるワンダーラボのフロアマップ。奥に見えるのはデモスペース

エントランスにあるワンダーラボのフロアマップ。奥に見えるのはデモスペース

展示の数はカテゴリーごとに5-10種類。ここではオススメのものをいくつか紹介します。

インフィニティ・ボックス (光カテゴリー内)

合わせ鏡の写り込みの連鎖により、目の前の景色が無限に続くように見える箱。物体の連鎖だけでなく、下部にあるLEDや上面の柄の連続性も視覚効果を高めます。また、円形に見える内側と外側とでは鏡の角度が違うため、像の見え方が異なります。

オービット (宇宙カテゴリー内)

ワンダーラボのほぼ中央に位置する大きな展示物です。光を放つ太陽が中心にあり、その周りを地球が回転しています。太陽光を受けて、地球では昼夜がどう切り替わるのか、月の満ち欠けは何がもたらしているのかを知ることができます。

画像: オービットでは可動式の天体模型に乗っかって、太陽、地球、月の関係性を体感できる

オービットでは可動式の天体模型に乗っかって、太陽、地球、月の関係性を体感できる

ウォータードロップ・フォトグラフィ (物質コーナー内)

水滴が落ちる速度とカメラのシャッタースピードの両方をコントロールして、タイミングよくシャッターを切って水の形を記録します。落下中は丸い玉状で、その後しぶきをあげてビーカーに溜まった水に接触。瞬間瞬間で表情を変える水をじっくり観察できます。

私がワンダーラボを訪れたのは金曜日。複数の小学校が課外授業として訪問していました。学校利用の場合、平日なら事前予約すれば無料で利用できるとのこと。1グループあたり70名まで、60分間滞在できます。

ワンダーラボの全容については、キュレーターであり学芸主任でもあるトビー・パーキン氏による必見ガイド動画も合わせてご覧ください。

画像1: 5 Unmissable experiences at Wonderlab www.youtube.com

5 Unmissable experiences at Wonderlab

www.youtube.com

楽しいだけじゃない。STEMへの関心を深めるためのPDFを配布

先ほどのワンダーラボの学校利用ページには、展示詳細のPDF (たとえば、宇宙カテゴリー) が用意されています。子どもたちの疑問に答え、好奇心を伸ばしていく上で、教員や同伴する大人にとって必要な情報がわかりやすくまとまっています。楽しかった体験で終えず、もう一歩STEMに関心を持ちやすい機会づくりに貢献していると感じました。

画像: 各コンテンツにも図解が用意されている

各コンテンツにも図解が用意されている

ちなみに紹介したワンダーラボは、北欧最大のエネルギー会社であるエクイノールが運営しています。エクイノールは他にもサイエンス・ミュージアムと共同でSTEMにおける楽しさと創造性を高めることを目的としたコンテスト ( Young Imagineers Competition )もイギリス国内で主催。2018年に開催された第二回コンテストでは、7歳から14歳までの1150名から応募があったそうです。

今回紹介したサイエンス・ミュージアムは、ハイドパークの南側にあるサウス・ケンジントンにあります。隣には自然史博物館もあり、科学技術から自然科学まで、さまざまな知識に触れることができます。

基本情報

  • 名称:Science Museum(サイエンス・ミュージアム)
  • 開館時間: 10:00-18:00, 休校日は10:00-18:30 (12/24-26は閉館)
  • 料金:無料
    ※ワンダーラボの料金は以下のとおり。
    • 17歳以上59歳まで1人あたり9ポンド
    • 4歳から16歳までは7.2ポンド
    • 60歳以上は8.1ポンド
    • 3歳以下は無料
  • 住所:Exhibition Rd, South Kensington, London SW7 2DD, UK
  • 上記情報は2019/5/20現在のものです。詳細は施設の公式ページをご覧ください)
  • 公式サイト(英語):
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