小学校のICT/パソコン教育のテーマに「パソコンを使ったお絵描き」というのがあります。ここではPhotoshop ElementsとPaintShop Proに絞って、どちらが小学校のICT教育などに向いているのか、プロのイラストレーターが実際に使って検証します。

「Photoshop Elements」と「PaintShop Pro」

小学校でのICT/パソコン教育というと、プログラミング教育などを真っ先に思い浮かべますが、それ以外にもWordやExcelなどの使い方、インターネットのリテラシー教育など、さまざまなテーマがあります。

その中のひとつに「パソコンを使ったお絵描き」というのがあります。実際の学校のパソコンにバンドルされているお絵描きできるパソコンソフトとしては、ペイントブラシ(マイクロソフト)、Photoshop Elements(アドビシステムズ)、PaintShop Pro(コーレル)などいくつかありますが、どのソフトが小学校のICT教育に向いているのでしょうか。

数あるお絵描きに使えるソフトで導入しやすさを考えると、月額課金型ではないもの、そして正式なサポートのあるものが考えられるでしょう。今回はこの条件から「Photoshop Elements 2019(以下、Photoshop Elements)」「PaintShop Pro 2019(以下、PaintShop Pro)」を選んで比較してみます。

ちなみに、私は普段、以下のようなゲームのイラストレーターとして仕事をしています。そこで、そのプロの目線からも、どちらのソフトがオススメか検証したいと思います。

普段はこんな絵を描いています

筆者のイラストが使われているカードゲーム「弱者の剣」(Polygonotes

まずは「Photoshop Elements」。言わずと知れたプロ向け画像編集ソフト「Photoshop」の廉価版です。廉価版と言っても、個人が勉強や趣味で使うにはなんら問題はありません。本来、画像編集ソフトなので、絵を描くことに特化したソフトではありませんが、それでも絵を描くには必要十分な機能をもっており、プロのデザイナーやイラストレーターの多くが利用しています。

そして「PaintShop Pro」は、コーレル社が開発した安価なペイントソフトで、安価でありながら「Pro」という製品名から汲み取れるように、絵を描くプロの現場でも、使用に耐える能力をもっている製品となっています。

画像: Photoshop Elements 2019

Photoshop Elements 2019

画像: PaintShop Pro 2019

PaintShop Pro 2019

スペックの違い

まずはスペック表から、その違いを比べてみましょう。

対応OSについては、どちらもWidows7〜Windows10に対応。これはいまだWindows7の環境が多く残る学校環境でも問題なく使えるでしょう。ただしPhotoshop Elementsのほうは、32ビット版には対応していません。一方、macOSにはPhotoshop Elementsしか対応していません。PaintShop ProはWindows版のみです。

パソコンの必須条件はどちらもさほど違いはありませんが、メモリは4GB以上(8GB以上推奨)、ハードディスクの容量に関しては、PaintShop Proが1GB以上(3GB以上推奨)、Photoshop Elementsが5.2GB以上(オプションもすべて入れるとさらに2.4GB以上)が必要で、Photoshop Elementsのほうが容量は食いますが、最近のハードディスクは1TB(テラバイト)のものもあるので、それほど気にする必要はないでしょう。

値段で見ると、Photoshop Elementsの通常版が17800円(税別)、PaintShop Proが9800円(税別)と、Photoshop Elementsのほうが若干割高感はありますが、これは学校で導入する場合は別途割引等もあると思うので、あまり参考にならないかもしれません。

入出力のフィイル形式については、どちらも数多く対応しており、汎用的なビットマップ(BMP)、JPEG、GIFやPNGなどのファイル形式はもちろん、IllustratorのAIファイルや写真のRAWファイルなども読み込めるようになっています。

ソフトの操作性の違い

では、実際にソフトに触ってみて、その違いを体感してみましょう。Photoshop Elementsの操作画面はかなりスッキリしていて、取っ付きやすい反面、普段はPhotoshopのプロ版を使っている筆者からすると物足りなさを感じます。最初に述べたとおり、元来画像編集や写真加工用のソフトなので、お絵描きの用途としては機能が弱い印象です。操作自体はキビキビしていて、快適に使えます。

画像: Photoshop Elementsの操作画面。グレーが基調。

Photoshop Elementsの操作画面。グレーが基調。

PaintShop Proの操作画面は、Photoshop Elementsに比べると要素が多めなのにもかかわらず、その割に比較的スッキリとまとまっていて、わかりやすい画面構成になっています。こちらは画像編集や写真加工といった用途とお絵描きとしての用途、両方の使用を想定しているためか、何をするにもバランスがいい印象です。

画像: PaintShop Proの操作画面。黒が基調。

PaintShop Proの操作画面。黒が基調。

実際にイラストを描いてみる

では、実際にイラストを描いてみましょう。もちろん、普段描いているイラストでその性能を比較してもいいですが、今回はあえて小学生向けのパソコン教室「アビバキッズ」で使われている教材を使ってイラストを描いてみます。

画像: 実際に「アビバキッズ」で使われている「カエルを描く」という教材

実際に「アビバキッズ」で使われている「カエルを描く」という教材

上の教材は、図形の組み合わせでカエルを描くというもの。これなら画力に関わらず、パソコンで絵の描き方を学べそうです。

Photoshop Elementsでカエルを描く

まずはPhotoshop Elementsで教材通りに描いてみます。実際に描いてみると、操作は軽く非常に快適。カエルの目も楽々描けました。「Photoshop」を仕事で使うことが多い筆者にとって、(同じメーカーのソフトなので当り前ですが)操作性がかなり類似しているため、難なく使えました。

画像: Photoshop Elementsでカエルの目を描く

Photoshop Elementsでカエルの目を描く

ただ、気になったのは描画のジャギーで、画面をズームしたり、特定の倍率で表示すると楕円の縁がギザギザに描画されます。小さな画像であれば問題ありませんが、イラストを大きく表示したい場合はマイナスになる部分だと感じました。

画像: 拡大するとジャギーが目立つ

拡大するとジャギーが目立つ

操作については、テキストの最後まで快適に操作でき、処理が遅れたり、違和感のある動きは一度もありませんでした。「Photoshop」の廉価版ということだけあって、手間や時間を掛けずに絵を描ける機能が集約されており、入門用のお絵描きソフトとしては必要十分なものと言えるものでした。

画像: Photoshop Elementsで目を2つ描く

Photoshop Elementsで目を2つ描く

画像: Photoshop Elementsでカエルの顔を描く

Photoshop Elementsでカエルの顔を描く

画像: Photoshop Elementsでカエルに鼻と口をつける

Photoshop Elementsでカエルに鼻と口をつける

PaintShop Proでカエルを描く

では次にPaintShop Proでカエルを描いてみましょう。実際にテストどおり進めていくと、操作はキビキビとしていて、とても快適。ただ普段「Photoshop」を使っている筆者にとっては慣れない操作画面が多く、操作がやや煩雑に感じました。

画像: PaintShop ProはPhotoshopに比べると操作がやや煩雑

PaintShop ProはPhotoshopに比べると操作がやや煩雑

ただ基本的な部分は、マニュアルやインターネットなどで何か調べなくても問題なく使えたので、はじめて使うソフトとしてはとくに問題はないでしょう。

画像: 操作はとくに迷うことはない

操作はとくに迷うことはない

画面の描画は非常にきれいで、画面のズームなどでジャギーが発生したりすることもありませんでした。そのため、絵を大きくするときにもとくに問題なく、一度操作に慣れてしまえば、入門用をとおり越して、長く使っていける可能性があると感じました。

画像: 拡大してもジャギーが見えない

拡大してもジャギーが見えない

画像: 一度慣れれば操作しやすい

一度慣れれば操作しやすい

画像: 入門のその先でも長く使えそう

入門のその先でも長く使えそう

実際の教え方にあったものを

「Photoshop Elements」「PaintShop Pro」両方でイラストを描いてみましたが、両者ともよさがあり、ペイントソフトの入門用ソフトに使うにしては十分すぎる機能をもつソフトとなっていました。どちらのソフトも操作がわかりやすく、直感的に描画できました。

私の感想としては、今まで他のお絵描きソフトを使ったことがなく、お絵描き系の造詣を深め、挑戦と成長をしていきたい方には「PaintShop Pro」を、簡単な操作画面でまずはとにかくソフトに触ってるだけでも充分という方には「Photoshop Elements」をオススメしたいと思います。

いずれも子どもにお絵描きを教えていく上では、わかりやすくて使いやすいソフトである、というのが2つのソフトを比較した感想です。一方で、今回「アビバキッズ」の小学生向け教材を使ってみて、「どのように教えるか?」ということが、ソフト以上に大切ということにも気づかされました。なので、最終的には教材に合わせてソフトを選ぶのがいいのかもしれません。

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画像: 小学校向けとしてPhotoshop ElementsとPaintShop Proどちらがいいか、プロのイラストレーターが試してみた
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