ローマ帝国の遺構も残る、スコットランド最大の都市グラスゴー。工業や貿易で栄え、グラスゴー大学を中心とした学問や建築、音楽などの都市文化も築いてきました。そのような歴史的背景をもつグラスゴーにおいて、今回紹介するサイエンスセンターは、科学と技術に親しむだけでなく、生活との関連性についても学べる施設として、2001年にオープンしました。

川沿いにある個性的な外観をもつミュージアム

グラスゴー市街を流れるクライド川の沿岸にはかつて造船所がたくさんありました。現在そのエリアは再開発され、コンサート会場やミュージアムなどが立ち並びます。サイエンスセンターもその一角にあり、チタンやアルミニウムなどの板で覆われた光り輝く個性的な外観が目を引きます。

メインの建物はサイエンスモールと呼ばれ、内部は4階構造。1階部分がエントランスとなっており、2階以上の3フロアには250種類以上の科学に関する学習展示をしています。サイエンスモールの隣には卵形のIMAXシアター、奥にはグラスゴータワーがあります。

近くにあるリバーサイド博物館(交通・技術博物館)も個性的。設計はザハ・ハディッド氏で、入り口上部の屋根は川の流れを意識したデザインとなっています。乗り物やテクノロジーだけでなく建築も好きという方にはオススメです。

画像: 近くにあるリバーサイド博物館はザハ・ハディッド氏の設計

近くにあるリバーサイド博物館はザハ・ハディッド氏の設計

探求と発見だけでなく、科学と生活との関連性も提示する

さて、サイエンスセンターに話を戻しましょう。受付でチケットを購入してエレベーターでひとつ上の階に進むと、「A Question of Perception(知覚への問い掛け)」というコーナーが出迎えてくれます。錯覚は錯視など、知覚を刺激するトリック作品が展示されていて、子どもはもちろん、大人も夢中になってしまいます。

中でもムキになってしまったのが、鏡に映る手元を見ながら紙の上に星型を書くというもの。思い通りにペンを動かせず、何回やっても簡単に騙されてしまいます。

物理や科学、量子力学などの仕組みを体験できるコーナーもあります。導電率が異なる金属に手を置いたら電流が流れる仕組みでは、金属の種類によって値の変化を知れます。また屋外に設置されたソーラーパネルの角度を変え、太陽光を集めてエネルギーを蓄積、その電力を使ってボールを浮かせる装置などがありました。

ひとつ上のフロアでは「Powering the Future(未来へのパワー)」が常設されています。ここでは物理的なシミュレーションと一緒に、エネルギーにまつわる将来の課題とソリューションが提示されていました。

エネルギー利用における手頃な価格や安全なエネルギー、環境の持続可能性に焦点を当てると、将来どのエネルギーを選択すべきかといったことを、年齢問わず自分自身で考える機会を提供しています。

「My World of Work Live!(私にぴったりの職業)」コーナーでは、自分の興味関心がどんな職業に結びつくかをシミュレーションできます。科学に触れたワクワクの芽をどう伸ばせばいいか、その可能性を子どもたち自身が発見できるのはいい機会ですね。

自身の身体と向き合う「BODYWORKS」

最上階にある「BODYWORKS(ボディワークス)」ではインタラクティブなコンテンツを使って身体計測や体力測定をしたりクイズに答えながら、自分自身の身体と向き合います。

ここでの体験は次の8つに分類されます。

BODYWORKSで体験できること

  • 私自身のこと
  • 免疫
  • 消化器と排泄
  • DNAと細胞
  • 筋骨格
  • 神経内分泌
  • 呼吸器系および心臓血管系
  • 再生

たとえば「私自身のこと」では自分自身の身体的・生理的な能力を知るために、身長や体重だけでなく、瞬発力のレベル判定や10メートルダッシュ、両手で鉄棒からぶさ下がる時間の長さを計測したりします。

参加者はこれらの計測データを記録し、他の来場者と比較したり競ったりします。記録には個人登録が必要。入り口で配布されているバーコード付きのカードを使ってメールアドレスなどを設定すると、コンテンツを体験する度にバーコードを所定箇所にかざせばデータが保存できます。

記録したデータはリアルタイムで集計され、サイエンスセンター内のディスプレイにランキング表示されます。これにより、参加者は自分のデータを客観視できます。

画像: 結果ランキングが表示されるディスプレイ

結果ランキングが表示されるディスプレイ

思わず大人も後ずさる。炎のサイエンスショー「Flame On」

サイエンスセンターには展示の他に、プラネタリウム、ワークショップエリア、サイエンスショーのシアターなどがあります。この日のサイエンスショーは「Flame On(炎のショー)」。子どもから大人まで、みんなで一緒に炎の危険性や取り扱いについて、実演を交えながら学びます。

最前列で参加したのですが、実験途中で炎が大きくなる瞬間には熱さを感じて後ずさってしまうほど。また、炎の役割について紹介するためにトウモロコシの粒が入った鍋が火にかけられ、最後の方にはポップコーンができてシアター中にいい香りが充満していました。

基本的にはサイエンスセンターのコンテンツは、体験のための年齢制限がありません。その一方で、さらに詳しく知りたいときなどに、その年齢やニーズにあった深掘りコンテンツが追加で提案されています。

知覚からSDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)まで。グラスゴーのサイエンスセンターでは、科学を楽しむだけでなく、生活の中でどう向き合っていくかを考えるきっかけを与える役割を担っていました。

基本情報
名称: Glasgow Science Centre(グラスゴー・サイエンスセンター)
開館時間: 10.00 - 17.00(サマータイム、2019年は4/1 - 11/3の期間)

※11/4以降は異なります。

基本料金:

  • 16歳以上59歳まで1人あたり11.50ポンド
  • 3歳から15歳までは9.50ポンド
  • 60歳以上、学生、被雇用者は9.50ポンド
  • 3歳以下は無料

※プラネタリウムやIMAXシアターなどは追加料金が必要となります。

住所:50 Pacific Quay, Glasgow G51 1EA, UK

※上記情報は2019/6/20現在のものです。詳細は施設の公式ページをご覧くたださい。

公式サイト(英語): https://www.glasgowsciencecentre.org/

記事全文ページのみ

This article is a sponsored article by
''.