2020年から小学校ではじまるプログラミング教育。それに伴い、子どもにプログラミング教育を学ばせたいと思っている親御さんもいるかもしれません。しかし本当に大事なのは、子どもたちにとってプログラミングをすることが「楽しいかどうか」なのです。

プログラミングを「学ぶ」とはどういうことなのか

2020年からはじまる小学校でのプログラミング教育に伴い、巷ではたくさんのプログラミングスクールが開講されています。中にはロボットプログラミングや本格的なWebサイト制作やアプリ開発などを学べるものもあり、プログラミングを学ぶためのハードルはどんどん下がっています。

私が保護者と話をしている中でよく質問されるのが、「子どもにプログラミングを習わせるべきか」というものです。これについてはプログラミングに限らず、水泳やピアノなども子どもに習わせるべきか迷われる人も多いのではないかと思います。一部報道によると、入試にプログラミングなどの情報科目が導入されるとも言われており、実際どうすべきか悩まれている人も多いのではないでしょうか。

今回は、プログラミングを「学ぶ」とはどういうことなのかを通じて、プログラミング教育について考えていきたいと思います。

画像: プログラミングを「学ぶ」とはどういうことなのか

プログラミングは習うもの?

そもそもプログラミングは習うものなのでしょうか。最近ではWeb上に無料の教材が公開されていたり、本屋さんにいけば子どもを対象とした本もたくさん並べられていて、内容はScratchやVisucuit、micro:bit など多岐にわたります。

たとえば水泳を習おうと思ったときにはプールが必要ですが、25メートルのプールを完備している家はそうありません。しかし、プログラミングはコンピューターさえあれば簡単にはじめることができるのです。そういった意味では、わざわざプログラミングスクールなどに通わずとも、家庭でできることはたくさんありそうです。

また、プロのプログラマーの多くは、誰かに習わず自分でプログラミングを学習した人が多いのも確か。技術は日々進歩しており、プログラマーは常に学び続け最新の情報を身に付けておくことが求められることが多く、独学力がある人ほど成長します。そのため、はじめから自分で学習する人が多いようです。

子どもの話に戻りましょう。私は2013年から現在に至るまで子どもたちと一緒にプログラミングを学んだり教えたりしていますが、多くの子どもは一度おもしろいと感じると自らどんどん進んでいきます。家庭でも続きをやってくることが多く、毎回そのスピード感と熱意に驚かされます。その子にとってプログラミングが熱中するに値するものであれば、自ら貪欲に学んでいくので、特に親や先生がどうこういうことはないのではないでしょうか。

子どもたちは「学んでいる」意識はほとんどないかもしれません。私自身、新しいプログラミング言語を習得したり、新しいものを作ろうと思って勉強しているときには、大変さよりワクワクのほうが強く感じています。

むしろ、子どもが嫌々プログラミングを学んでいることのほうが問題です。学ぼうと思ったときに自由にどこでも学べる。これがプログラミングのいいところです。

一方スクールでは、カリキュラムによってはさまざまな内容を教えてもらえるので、効率よくプログラミングを学べたり、自分の力だけではたどり着けないことや気づかなかったことを教えてもらえる、いい環境と言えるでしょう。

また、前回ご紹介した Scratch の開発者であるM.レズニック教授が提唱している、創造的な学習者になるための「4つのP」のうちの1つ、Peers(仲間)を得やすいこともスクールの特徴でしょう。特に子どもにとっては、オフラインで会える同じ興味や関心をもった仲間の存在は重要です。CoderDojoのように、子どもから大人までコンピューターという共通の趣味を追求するような場も、全国に増えています。こういった場をうまくつかうのも、いいかもしれません。

画像: リアルな場でわかちあう仲間の存在は大切

リアルな場でわかちあう仲間の存在は大切

大切なのは、楽しむこと

社会的なムーブメントの広がりによって、プログラミングを学ばせないと我が子が不利になるのではと思われるかもしれませんが、現時点ではそのようなことはあまりないと言えるでしょう。もちろん、プログラミングを知っていたほうが楽になることや便利な場面はたくさんあります。前回紹介したとおり、これからの時代は「創造社会」に突入するので、自分でなにかものをつくれるスキルはとても大切です。

しかし、一つだけ欠けてはいけない大切な基準があります。それは、子どもたちにとってプログラミングが「楽しいかどうか」です。これはプログラミングに限らず、すべての習い事に共通して言えることですが、子どもが嫌と言っていることを無理にさせるべきではありません。子どもには自分がなにをするかを選択する権利があります。家でやるにせよ、数回は体験してみて自分の子どもに合っているかを判断すべきかと思います。

私は保護者から「プログラミングを子どもに学ばせるべきかどうか」を聞かれたときには、必ず「子どもにとってそれが楽しいと思うのであればやるべきだが、そうでなければ無理にする必要はない。ただし、すべての子どもたちに一度は体験してほしいと思っている」と答えています。

曖昧な回答で無責任かと思われるかもしれませんが、これ以上は答えがないように感じています。特に小学生のうちから受験や就職活動のことを心配してプログラミングを無理に学ばせることはまったく意味がありません。子どもたちにとって幸せなプログラミングとの出会いかたを実現したい。そういった想いから私はいろいろな活動をしています。

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