活字離れが叫ばれている昨今、たまには誰かのぬくもりを感じる「本」を探しにおでかけしてみませんか? 今回オススメする古本屋さんは東京・池之端にある「古書ほうろう」。店主がオススメする一冊も紹介します。

古本屋さんでなにするの?

6歳の女の子と話をしていたある日のこと。「古本屋さん巡り」が好きだと伝えると「古本屋さんでなにするの?」と尋ねてきました。まさかの質問に不意打ちをくらいながら「本を見たり、買ったりする」と答えました。

背表紙をぼうっと眺めていると、ついつい欲しい本や、気になった本というのが浮かび上がってくるの。そんな気持ちわかるかな、と。すると女の子は「へえ、魔法みたい」と素敵な言葉が返ってきました。古本の放つ魔法に魅せられて私は今日も出かけます。

まちの古本屋さんが新たな街へ

画像: まちの古本屋さんが新たな街へ

「古書ほうろう」は「不忍ブックストリートの一箱古本市」の拠点のひとつ。千駄木で1998年から営業を続けていた、まちの古本屋さんです。

そんな千駄木・道灌山下のお店をたたんで、2019年春、不忍池のほとりに引っ越しをしました。最寄りの湯島駅、根津駅から徒歩 6〜7分ほど。新たにオープンした店の正面には、東京大学の池之端門があり、どことなくインテリジェンスな雰囲気も漂っています。

子どもが自分で選べる高さに

画像: 店外、店内にも絵本・児童書コーナーが充実

店外、店内にも絵本・児童書コーナーが充実

どこから探していいかわからない、そんな心配はいりません。店先の均一棚は、絵本、ハンドメイド、美術書、時代小説、雑誌などジャンルごとに仕分けてあります。まずは均一棚で欲しい本を手にしてから、店内をじっくり散策するのがオススメの探索方法。

小さいイスに座りながらお子さんが本を選ぶことも

お子さんが自分でも本が選べるよう、低い目線の位置にも本が置かれていました。絵本コーナーの場所もすぐにわかります。名作絵本、仕掛け絵本、海外の絵本、児童書も。どの年代のお子さんでも、新しい発見に遭遇できそうです。

レコードにCD、ピアノ、音楽とともに

古本以外にもレコードやCDの販売だけでなく、YMOやジョンレノンのポスターも。さらに、ジャズやテクノ、ロック音楽にまつわる古本も並んでいて、店主の音楽好きが垣間見えます。店の奥には千駄木時代にもあった、ピアノもそのままありました。由来を店主の奥様に聞くと、じつは『おおきなかぶ』などの翻訳家・内田莉莎子さんが弾かれていたものだそう。ご子息で、翻訳家・ミュージシャンの吉上恭太さんから譲り受けたものだと教えてくれました。

今後は店内のLIVEイベントでも活躍もするとのこと。ぜひチェックして歴史あるピアノからどんな音色が響くのか、想像を膨らませてみてください。

画像: レコードに掘り出し物が見つかるかも

レコードに掘り出し物が見つかるかも

「いちど読んでみたかった」本

そして、なんといっても品ぞろえ。古本も、文芸やエッセイなど読みやすい柔らかめの本から、しっかり読みごたえのある固めの本まで「いちど読んでみたかった」と、そんな痒いところに手が届く本ばかりです。

空間に限りがあるため並びもシンプルですが、おもしろそうなオーラを放っている本がとにかく見つけやすい。ある意味で「お財布と相談して見なかったこと」にはできない、危険エリアに早変わりするでしょう(笑)。

画像: 『あこがれ荘』ウジェーヌ・ダビ著、鈴木力衛訳

『あこがれ荘』ウジェーヌ・ダビ著、鈴木力衛訳

画像: 本をモチーフにしたモビール

本をモチーフにしたモビール

「自分」を取り戻す小部屋

そして、このお店の見どころは「二部屋ある」こと!メイン空間とは別の小部屋にはカフェ席が用意されていて、コーヒーやソーダを飲むことができます。この小部屋の魅力といったら……、まるで大人の秘密基地のようです。

画像: バックナンバーがあるZINEも多数

バックナンバーがあるZINEも多数

古書に囲まれた空間で、外の景色を眺めていると穏やかな気持ちに浸れます。ただ背表紙を眺め、読んだことのない本を想像していられる、何事にも代えがたい瞬間。スマホを触ることなく、時間に追われることなく。もしかすると「古本」がある空間で、忘れていた「自分」を取り戻せる、そんな効能があるのかもしれません。

画像: カフェ席では販売の古本も読める

カフェ席では販売の古本も読める

時代を超えて読み継がれる名作

最後に、店主の宮地さんに子どもたちにオススメの1冊を選んでもらいました。

画像1: 時代を超えて読み継がれる名作

子どもたちにオススメの1冊は、コロボックル物語シリーズの第一作『だれも知らない小さな国』。物語は、小学生の「ぼく」が「小さな人」たちと交流をしていく、言わずと知れた傑作ファンタジーです。

やはり、宮地さんご自身も読み返すたびに「泣いてしまう」そう。出版されてから60年余り、まさしく親子三世代で読み継がれている本なので、子どもから大人まで楽しめるおもしろさはお墨付きですね。

作者の佐藤さとるさんと言えば、村上勉さんのイラストが有名ですが、なんと今回紹介してくださったのは、まだ「佐藤暁」名義のころの貴重なバージョン!お客さんらとの間でも、はじめて見る装丁だからと、思いがけないコミュニケーションにもつながるといいます。好きなお話だからこそ、新しい一面を知って、ますます好きになる。まさしく古本の魅力を象徴したような本。

小さいときにこの物語にすでに触れた方も、いま一度、お子さんと一緒にコロボックルたちと出会うドキドキワクワクを手に取ってみてはいかがでしょうか。

画像2: 時代を超えて読み継がれる名作

基本情報

  • Twitter:https://twitter.com/legrandsnes
  • 住所:〒110-0008 東京都台東区池之端2-1-45-104 東京大学池之端門前
  • ウェブサイト:https://horo.bz/
  • 営業時間:水〜日 12:00〜21:00
  • 定休日:月火定休(祝日の場合は営業)

店長オススメの一冊
『だれも知らない小さな国』

  • 著者  佐藤暁(佐藤さとる)
  • 絵   若菜珪
  • 出版社 講談社
  • 刊行年 昭和43年51刷(昭和34年初版)

「不忍ブックストリートの一箱古本市」についてはこちら

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