スマートフォン(スマホ)が生活の中に入り込んできて数年が経ちました。今では生活だけでなく、育児や教育の中にもスマホは溶け込んでいます。しかし一方で、親御さんの多くは「子どもにスマホを持たせたくない」と思っているようで……。

育児には欠かせないスマホ

画像: 育児には欠かせないスマホ

先日、電車内でこのような光景を目にしました。

診察券を片手にスマホをいじっているお母さんのそばに、鬼の形相をしたおばさまがやってきて、「スマホばっかり見て、あなたが見るのは子どもよ!」と捨て台詞を残して駅を降りていかれたのでした。お母さんが涙目になっているのを見て、大丈夫でしたか?と声を掛けたところ「病院で子どもがグズらないように、待ち時間を確認していただけなのに…」とおっしゃっていました。

もしかすると育児中の保護者は、一度は経験したことがあるかもしれません。スマホを見ているだけで、見知らぬ方からご注意を受けたことはありませんか?または、なんとなく公共施設でスマホを使うことを心苦しく感じたり、とまどったり。

スマホは今や、乳幼児期の保護者にとっても、なくてはならない家電のひとつ。妊活時期から妊娠についての情報収集、産院選びやお産のお役立ちブログ、ベビー用品の口コミ、名づけや字画……などいろいろ調べるでしょう。出産してからは、産後ケア、健診の予約、保活について、保育園や幼稚園の回覧板や連絡アプリ、カレンダー機能、献立チェック、お祝い行事の予約、かわいい我が子の成長アルバム……予防接種や病気になると病院の予約を取るのもスマホひとつで完結します。

まだ子どもが小さい時期は、わざわざパソコンの電源を入れてゆっくり操作する時間さえないので、片手で使えてすべて完結するスマホなしには、生活は成り立たないと言っていいほどです。

子どもにとってもスマホは身近な存在

画像: 子どもにとってもスマホは身近な存在

では、子どもはどうでしょうか。子どもは生まれたその日から、親がスマホを使っている姿をずっと見続けています。とても便利で楽しそうなスマホについて、興味を抱かない子どもはいないでしょう。

誰も教えていないのに、すでに我が子はスマホをスワイプできるようになっていて、驚いたお母さんやお父さんもたくさんいると思います。日々、ちょっとした隙間時間にスマホを子どもに手渡して、動画やアプリを使ってグズらないように時間を過ごすことはきっとありますよね。夏休みや年末年始など故郷に帰省する際に、飛行機や新幹線など子どもが静かに過ごせるようにと、スマホやダブレットにお世話になっている家族をよく見かけます。

2019年3月に内閣府が公表した「低年齢層の子どものインターネット利用環境実態調査」(※1)によると、スマホなどのIT機器(※2)を利用する子どもは4歳児で56.4%とすでに半数を超えており、9歳児では77.3%に上がります。インターネット利用率も4歳児で39.7%、7・8歳児でほぼ半数となり、9歳児で65.8%となっています。スマホなどのインターネット機器は、小学生になる前からすでに身近な存在であることがわかります。

(※1)平成30年11月8日(木)~12月9日(日)、0歳~満9歳の子どもの保護者を対象に実施し、回答者は3,445人。
(※2)スマートフォン(格安スマートフォン、子ども向けスマートフォン、携帯電話の契約が切れたスマートフォンを含む)や携帯電話(子ども向け携帯電話を含む)、PC(ノート、デスクトップ)、タブレット端末(学習用タブレット、子ども向け娯楽用タブレットを含む)、携帯音楽プレーヤー、ゲーム機(携帯、据置型)、インターネット接続テレビのいずれかの機器

小学生の保護者の6割が「スマホ教育恐怖症」?

しかし一方で、スマホはとても便利なものだと知っているにもかかわらず、教育に活用しようとする意識がないのはなぜでしょうか。今の日本は、まるで「スマホ恐怖症」のように、子どもの学習にスマホを活用することをよしとしない風潮があり、日々スマホに頼ってしまう自分を責める保護者が多いように思います。

最近のニュースとして2018年6月に大阪府北部で震度6弱を観測した地震などを踏まえ、災害時の安否確認や緊急時の連絡手段を確保する必要があると判断した大阪府教育庁は4月からスマホの持ち込みを可能とし、運用をはじめています。それを踏まえ、実際に私が接点のある保護者を対象にしたアンケート(※3)では、「小学校にスマホを持って行かせることに賛成」と回答したのは、全体のたった2割程度でした。中学生に持たせることに賛成する人も約35%にとどまっています。

画像1: 小学生の保護者の6割が「スマホ教育恐怖症」?
画像2: 小学生の保護者の6割が「スマホ教育恐怖症」?

小学生に持たせる懸念点としては、「授業中に遊んでしまう(全体の78%)」「ネット依存が進む(同72%)」と答えており、「精神的に不安定になる」とすら答えた人も44%もいました。

ちなみにこのアンケートに答えてもらった方々は、決してスマホに疎い方たちではなく、逆にとても高いアンテナをもち、新しい情報を取り入れる意欲にあふれた意識の高い人ばかりです。そんな意識の高い方々でさえ、多くの人が学校教育にスマホを活用することを恐れているのです。

(※3)平成31年6月6日(木)、子どもをもつ保護者を対象に実施した「学校へのスマホの持ち込みについて」アンケート。回答者は257人。

従来とは一線を画す、スマホ教育の新たな可能性

画像: 従来とは一線を画す、スマホ教育の新たな可能性

ただ、スマホが学習にまったく活用できない、悪影響ばかりと考えているかと言えば、そういうわけでもないようです。同アンケートでは、小学校教育にスマホを活用すれば、「スマホの取り扱いがうまくなる(同61%)」「学習に活用できるようになる(全体の47%)」「授業が面白くなる(同33%)」と、一定の期待もしています。

つまりアンケート全体から見える保護者の意見は、「スマホは正しい使い方をすれば学校教育に有効活用できそうな気がしているが、悪影響が心配なので現時点では賛成できない」ということかなと思います。

実際、心配になるのはよくわかります。SNS上のいじめ、個人情報の漏洩、保護者に無断での課金、ゲーム障害(※4)など、スマホに関するネガティブなニュースを毎日のように耳にすれば、心配して当然です。しかし皆さんもう薄々お気づきの通り、スマホをはじめとするIT機器やインターネット環境を上手に活用すれば、今まで実現できなかった教育、従来では手の行き届かなかった教育を実現できる可能性を十分に秘めています。

年功序列、終身雇用のシステムが崩壊したこれからの日本社会において、教育面においても従来の方法から変化が必要とされているのは明らかです。均一な優秀人材を育成する教育ではなく、偏差値のみならずクリエイティビティや自発性も同様に尊重する教育が求められており、そのためにはIT機器を活用したパーソナライズされた教育方法が有効です。

それでは、そんな誰しも陥ってしまう「スマホ教育恐怖症」を克服し、IT機器を我が子の教育に上手に活用するための3つの方法を、次回のコラムでお伝えします。

(※4)世界保健機構(WHO)が2019年5月25日、年次総会にて「国際疾病分類(ICD)」を改訂し、ゲームによる依存を国際疾病として認定した。同分類は、2022年1月から施工される。

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