毎年50回以上、プログラミングのワークショップを開いている筆者が、プログラミングワークショップのファシリテーターやメンターをする際に、気をつけるべきことについて考えてみたいと思います。

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教え手と子どもたちの関係性をつくろう

画像: 教え手と子どもたちの関係性をつくろう

来年度からはじまる小学校でのプログラミング教育に伴って、企業や教育機関が主催するものから、公民館や地域のイベントなどでもプログラミング体験などがよく行われています。筆者も年間に少なくとも50回は、子どもたちを対象としたプログラミングワークショップのファシリテーターを務めていますが、毎回いろいろな気付きがあります。

ワークショップではメインで進行する人のことを「ファシリテーター」、ファシリテーターをサポートする人のことを「メンター」と呼ぶことがあります。メンターは各グループに付き添いながら子どもたちのサポートをしていくため、子どもたちとの関係性を築けますが、ファシリテーターは全体の進行をしていくため、なかなか子どもたちとコミュニケーションを取る機会がありません。

そのため、まずは自分自身を知ってもらい、子どもたちにとってこの人はある程度信頼できる人なんだということを示してあげましょう。筆者の場合は、そのときどきによって内容は変えますが、パーソナルな話をよくします。ゲームの話や最近流行りのYouTuberなどをチェックしておくのもいいでしょう。

また、子どもたち同士の関係性をつくる意味では、アイスブレイクなども有効な手立てです。アイスブレイクについては、時間や対象によってさまざまな種類があるので、ぜひ検索して試してみてください。

学校とは違う場所だということを認識してもらう

子どもたちにとって、なにかを習う場での振る舞いのベースはほとんどが学校でつくられています。ですから発表するときは手を上げたり、なにかをするにも先生の許可をとるなど、子どもたちはしっかりと振る舞います。これは一見するといいように思いますが、私のワークショップではこのようなことはなくてよいと考えています。

子どもたちとスタッフは常に同等な立場でいられるように気をつけており、たとえば私のことは「先生」ではなく名前で読んでもらうようにしています。私は少し子どもたちよりプログラミングや他の知識があるだけで、ワークショップの主人公は子どもたち一人一人。自分が好きなことを好きなようにやってほしい。ですから時にはファシリテーターの言うことを無視して、自分がおもしろいと思ったことを追求してもかまわいません。それくらいのスタンスでいるといいでしょう。

※もちろん会場内に秩序は必要です。おもしろいからといって他の子の邪魔をしている子がいたらキチンと注意することも大切です。

とりあえずやってみることのススメ

画像: とりあえずやってみることのススメ

これはさきほどの項目と少し被ることでもありますが、子どもたちはファシリテーターの「やってみてください」という言葉を待ってしまう節があります。これも学校教育の弊害かもしれません。

たとえばScratchを使ったワークショップであれば、ブロックを組み合わせたらファシリテーターが言う前からクリックすべきですし、もはや言われていないことまで試してみるくらいのほうがいい。ワークショップを進行する過程で、何度も繰り返し「つくったらどんどん試してみよう」と声がけをするといいでしょう。

マウスは子どものもの

子ども向けプログラミングのワークショップでは、マウスを使う機会が多いと思います。Scratchを使ったワークショップではほとんどがマウス操作。だからこそ、マウスを子どもから奪ってはいけません。

たとえば質問をされたときに、メンターが子どもが使っていたマウスを使って、ササッとブロックを追加してあげることは簡単です。しかし、それではまったく意味がありません。その過程を子どもがやることに意味があるのです。なのでメンターは、じっと待って説明しましょう。あくまでもコントロール権は子どもにあるということを忘れてはいけません。

※子ども向けプログラミングワークショップのメンターを少なからず、経験したことがあるならわかると思いますが、じっと待つことは意外と難しい。ただ、そこをこらえることもメンターとしての力量ではないでしょうか。

余白をデザインする

画像: 余白をデザインする

ワークショップを計画していくなかで、どこまでみんなで一緒にやって、どこから子どもたち自身にやってもらうかを考えます。個人的には子どもたちが自由に取り組む時間が多ければ多いほどいいと考えていますが、まったくやったことのない子どもたち相手だとそれは難しい。

大切なことはワークショップが終わったとき、子どもたちのコンピューターの画面に、それぞれ違ったものが表現されていることです。ファシリテーターが前で示した内容とまったく同じものになってしまわないように、ワークショップ中に「余白」をデザインするといいでしょう。この余白は、まったくの白紙なのかそれとも下絵は描かれているのかは、ワークショップが目指すことによって変わってきます。

これらはあくまでも、私がワークショップのファシリテーターやメンターになったときに気をつけていることなので、これ以外にもいろいろなやり方があります。参考にしてください。

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