活字離れが叫ばれている昨今、たまには誰かのぬくもりを感じる「本」を探しにおでかけしてみませんか?今回オススメする古本屋さんは東京・小伝馬町にある「ほんやのほ」です。店主がオススメする一冊「あーとぶっく」も紹介。

これまでの【子どものための古書探し】はこちら

画像: 「ほんやのほ」はビル2階にある

「ほんやのほ」はビル2階にある

本棚は世界への「窓」

読み終えた本を本棚にしまうと、一冊一冊の並んだ光景が大きな面となり、眼前に広がっていきます。まるで「世界に開かれた窓」のよう。あなたの部屋の本棚も、物語へ通じる「窓」にも見えてきませんか。本にはまだ私が知らない力があるはず。

今回紹介するのは、ことばを大切にする「ほんやのほ」。都内でもまだ珍しい会員制の本屋。新刊と古本、そしてライブラリーも兼ねている、実験場のような空間です。

画像: 扉のむこうが本屋。店主の伊川さんが案内してくれる

扉のむこうが本屋。店主の伊川さんが案内してくれる

受付から店内まで、全体スペースは3坪

小伝馬町駅から3分「本」の看板を目印にビル2階へあがると、受付コーナーが登場。入店に必要な「会員手続き」は無料。オリジナルの会員証をつくったら、アクリル戸の向こうへ進みます。

画像: ​​「ほんやのほ」手引書。入会費は無料。会員資格は「なんだか本が気になること」

​​「ほんやのほ」手引書。入会費は無料。会員資格は「なんだか本が気になること」

受付から、小上がりになっている約3畳がメインスペース。しかし、小さいながらも窮屈さはなく、むしろ広々とした空間を感じます。本の並べ方にも古道具が使われ、工夫が凝らされていました。

画像: ​​貸出スリッパで小上がりへ。床にはカーペット。ゆっくり本を選べる

​​貸出スリッパで小上がりへ。床にはカーペット。ゆっくり本を選べる

店主の本棚を覗き見ている感覚

書籍は1000冊のうち開店当初は古本が9割。オープンから半年をすぎ、やや新刊本の割合も増えているそう。ただ新刊と古本の並び方に、明確な境目はなく、どれも「本」として扱われている様子。まるで店主の本棚を見せてもらっている錯覚に陥ります。

よく見ると、それぞれ「うそ、ほんと」「ゆめをみる」「よる」「まぼろし」など独自のジャンル分けされていました。選書も、陳列もオリジナリティが見え隠れします。美大出身という店主さんだからこそ表現できる、本屋そのものがアートというくくりになるのでしょうか。

画像: ​​下段は「本のタイトルで5・7・5」を詠んでいる

​​下段は「本のタイトルで5・7・5」を詠んでいる

回文や「ことば」をテーマにした活動も実施されています。「声に出して詠みたい本棚」は、本の題名で、自由に俳句をつくれるコーナー。

ということで、私もさっそく「5・7・5をつくるぞ」と選ぼうとすると……インスピレーションが下りてくるまで、5文字がタイトルの本も意外と多いぞ、このタイトルはゴロがいい、とこれまで考えたことのない視点で発見の連続でした。

さらに、売り物の本を「自由に移動していい」とのこと、その自由度にも驚きます。「本を読まなくても、本を楽しんでほしい」と店主の伊川さん。また「変化をもたらしてくれるから」という言葉には、懐の深さを感じました。訪れるお客さんには中学生や、高校生など読書に背伸びをしはじめたティーンもいるとか。

他にも「文芸レシート」や「ざせつ読書会」「てのひら古道具市」など、普通の本屋さんではない、一風変わったイベントが開催されています。お客さんとお店と、店主と本と、それぞれがお互い影響を受け合う場にもなっているんですね。

はじめないとわからない。やめる選択肢はない

店主の伊川さん曰く、「ほっとする」「ぼーっとする」「ぽっとする」──本にはそんな効能があると言います。これは少し変わった店名の由来のひとつ。

画像: ​​図録、絵本はなぜか「手術室」看板の前に

​​図録、絵本はなぜか「手術室」看板の前に

他にも「いろはのい」「きほんのき」と続いての「ほんやのほ」、また「ほ」が好きなので、とさまざまな意味が込められているそう。なんだかお店以上に、店主の落ち着く人柄に、不思議と惹かれてしまいます。

最初は店に人が来ることさえも想像がつかなかったと言います。「まだまだ(本屋は)お金にはならないけれど、やめるという選択肢はない」と明るい口調で教えてくれました。考えていることと、表現していることを、「ことば」にしていく振り子のような繰り返す姿がお店にはありました。

レジ横には閲覧のみの本棚。岡崎京子や萩尾望都のコミックもある

オススメの一冊、絵画を探求する「あーとぶっく」

最後に、店主の伊川さんからオススメの1冊を選んでいただきました。小学館の『あーとぶっく ルソーの絵本 夢の宝探し』です。

店主の伊川さん

ピカソ、ゴッホ、ゴーギャンなど有名な絵画に隠された謎を解く、読者参加型の絵本シリーズ。「名画は、遊んでくれる」キャッチコピーもついて、読み終わるころには絵が好きになっている一冊。

画像: オススメの一冊、絵画を探求する「あーとぶっく」

両親から贈られ、小さいころから何度も読み返したそう。伊川さんがアートに興味をもつきっかけになったと言います。

「ほんやのほ」は、人と本、それぞれの変化を楽しめる本屋さんです。「はじめないとわからない」との言葉のとおり、変化と気づきが日々、アップデートされているに違いありません。どんなことを考えているのか、これから紡がれていく「ことば」が楽しみでなりません。

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基本情報

「ことばと藝術と本屋ほんやのほ」
住所:〒103-0011 東京都中央区日本橋大伝馬町13-1CreativeHub131-2階
ウェブサイト:https://books-ho.tokyo/
Twitter:https://twitter.com/ho_bo_po
営業時間:平日15時-20時土日13時-18時
定休日:月曜、木曜、第2・4日曜
※伸びたり縮んだり、なくなったり増えたりする可能性が多々あります。Twitterで最新情報をご確認いただくか、予約・問い合わせフォームよりご連絡のうえ、お越しください。

店長オススメの一冊

『小学館あーとぶっく5ルソーの絵本夢の国さがし』
構成・文/結城昌子
出版社:小学館
刊行年:1994年
シリーズ紹介ページ:http://www.shogakukan.co.jp/books/series/_id_B10008

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