2020年からはじまる小学校でのプログラミング教育に伴い、巷ではたくさんのプログラミングスクールが開講されています。今回は、その中でも全国的に広がりを見せている CoderDojo(コーダー道場)について紹介します。

私自身、CoderDojo柏を2013年5月より千葉県柏市ではじめ、現在までに130回以上開催しており、2017年11月からは一般社団法人CoderDojo Japanの理事を務めています。

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CoderDojoってなに?

画像: 筆者(左)とラズベリーパイ財団CEOのフィリップ・コリガンさん(中央)、CoderDojo創設者のジェームズ・ウェルトンさん(右)

筆者(左)とラズベリーパイ財団CEOのフィリップ・コリガンさん(中央)、CoderDojo創設者のジェームズ・ウェルトンさん(右)

CoderDojo とは、2011年にアイルランドからはじまった、オープンソースのボランティア有志によるプログラミング道場です。2019年6月現在、110の国と地域に2000以上の CoderDojo があり、日本国内では190カ所以上の CoderDojo が活動しています。対象は小学生-中学生ですが、なかには高校生が参加しているDojoもあります。

CoderDojo は営利企業が運営している教室ではありません。オープンソースな活動なので、共通の理念に共感する人たちによって自発的に運営されています。子どもたちの参加は完全に無料で、ボランティアベースで運営されています。また決まったカリキュラムなどは存在せず、それぞれのDojoが自由に好きなことをやっています。これが、CoderDojo が教室ではなく「道場」と呼ばれるゆえんでもあります。

CoderDojo はグローバルムーブメントなので、国外の人たちとも情報交換することがあります。たとえば、2019年10月25日にはラズベリーパイ財団(Raspberry Pi Foundation)CEO であるフィリップ・コリガン(Philip Colligan)さんや CoderDojoの創設者であるジェームズ・ウェルトン(James Whelton)さんが来日し、国内の関係者たちとのミートアップイベントが開催されました。

CoderDojo 憲章

CoderDojo コミュニティの一員になるためには、「CoderDojo 憲章」という世界共通のルールに賛同する必要があります。日本語訳された憲章はここから見れます。いくつか抜粋してみましょう。

  • 道場に参加する子どもたちやその保護者から料金を徴収しません
  • もっている知識を自由かつオープンに共有します
  • 自分たちの道場内だけでなく、他の道場とも知識を共有します
  • 性別、人種、性的指向、信念、宗教、能力に関係なく、ボランティアや子どもたちを歓迎します

日本に住んでいると意識しづらいことではありますが、CoderDojo はグローバルムーブメントなので、人種や宗教などについても差別なくすべての人を受け入れています。また、年齢にも多様性があり、コンピューターやプログラミングが好きという共通の趣味をもった異年齢の集まるコミュニティとなっています。

画像: CoderDojo 憲章

やりたいことをやろう

CoderDojo は教室ではありませんので、学校や塾のような一斉授業の形でプログラミングを教えることはあまりありません。重視していることは、子どもたちの自主性です。自分自身の「作りたい」「やってみたい」という思いを実現するために、メンターは一緒に考え問題を解決する手助けをしています。(もちろん、はじめてプログラミングを学ぶ子たちにはワークショップ形式で教えることはありますので安心してください。)

また、全国の CoderDojo コミュニティを裏から支える CoderDojo Japan では、さまざまな企業とコラボレーションしており、子どもたちの学びをサポートしています。たとえば、プログラミング学習サービスとして有名なProgateは、CoderDojo コミュニティにむけて法人プランを無償提供していたり、mBot などのプログラミング教育用ロボットメーカーであるMakeBlock社は、自社開発しているセンサーボードである HaloCode をいくつかの CoderDojo に無償で提供しています。

自分がやりたいことを見つけることは難しいように思うかもしれません。たしかに、1人で考えているだけではそうかもしれません。しかしCoderDojoのような場に来ると、同じような年齢の子がやっていることを見ることもできるし、大人たちからアドバイスをもらうこともできるかもしれません。

現代の寺子屋

画像: 現代の寺子屋

江戸時代に生まれた寺子屋は、町人が自分たちの子弟の教育のために作った学びの場です。内容は町人として必要なスキル(読み・書き・そろばん)が中心となっていました。子どもたちの学び方は自学自習が基本で、わからないことは先生に聞きながら自分のペースで学習していたと言われています。

CoderDojo を「現代の寺子屋」と言うことがありますが、学び方は完全に当時と同じようなスタイルですし、時代の変化に伴ってそろばんの代わりにプログラミングをやることは自然な流れなのかもしれません。学校とは違った学びの場として、誰でも来れる CoderDojo が果たしている役割は大きいでしょう。

プログラミング教育というと、学校での活動ばかりが注目されがちですが、このような民間の動きもしっかりと確認しておきたいところです。以前の記事にも書いていますが、やはり学校と民間では目的も内容も異なります。お互いに協力しあって、子どもたちにとってよりよいプログラミング学習の環境を整えていきたいものです。

今回は CoderDojo の特徴について見てきました。ぜひお近くの CoderDojo に足をはこんでみてはいかがでしょうか。

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