前回は日本において子どもがスマホをもつことに、抵抗感がある保護者が圧倒的に多いとお伝えしました。ではさっそく、そのスマホ恐怖症を克服するための方法を説明したいところですが、その前に現代の私たちのライフスタイルについて考えなければなりません。

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女性の社会進出で大きく変わったライフスタイル

今時代は変化し、女性の社会進出が著しくなっています。以下の図でもわかるように、専業主婦から兼業主婦へとなっているのが近年の傾向と言えるでしょう。1990年までは専業主婦世帯が割合として多かったですが、2018年には共働き世帯数が過去最高の1129万世帯まで増えており、共働き世帯の割合が一番多くなっています。今や3人に2人の主婦が働いているのが現状なのです。

画像: 専業主婦世帯と共働き世帯 1980年~2018年 独立行政法人労働政策研究・研修機構「早わかり グラフでみる長期労働統計」より www.jil.go.jp

専業主婦世帯と共働き世帯 1980年~2018年

独立行政法人労働政策研究・研修機構「早わかり グラフでみる長期労働統計」より
www.jil.go.jp

厚生労働省は2019年4月12日、全国の保育所などの待機児童数の状況を発表しました。2018年10月1日時点の待機児童数は、前年同時期より8235人減の4万7198人。4年ぶりに減少した背景には、行政で小規模保育園を増やしたため、0歳児の待機児童がもっとも大きく減少したことがあります。このように、0歳から保育園に入園し母親が働く家庭は年々増えています。

そのようなライフスタイルにおいて保護者は、子どもとの時間の捻出が一番の悩みになっています。働いている家庭においては、朝起きてから保育園へ送るまでの時間と、夕方急いで帰宅してから寝かしつけまでの時間が、平日に子どもと接する時間です。数時間が一瞬のように感じ、またエネルギーをもっとも使うところなので、疲れ果てている人も多いでしょう。

実際3人の子どもを育てている私自身も、子どもたちが未就学児のときにはとても大変でした。日常生活において少ない時間の中から、保護者は情報を取捨選択します。その選択は、習い事から学習教材、学校選び、病院はどこへ通うかなど、多岐にわたります。質の高い情報が何かわからぬまま惑わされていることもあるかもしれません。

大人が子どもからスマホを遠ざける理由

教育において、来年度からはじまるプログラミング的思考が大切だって言われたけど?昔ながらの読み書きそろばんは?それから自己肯定感も育む必要もあるし、グローバル化を生き抜くためには英語力も!……といった具合に、子どもたちは昔と比べるとやらなくてはならないことが多いのではないでしょうか。

画像: 大人が子どもからスマホを遠ざける理由

学習指導要領の改訂などといった国の教育動向と、保護者の気持ち、そして教育産業が提供するものにズレが生じているように感じています。グローバル社会において、子どもだけでなく大人も本当に必要な情報を各家庭や個人で取捨選択していく時代が到来しています。

しかし、到来しているにもかかわらず、なぜ私たちお大人は子どもたちがスマホをもつことを遠ざけて、インターネットへの拒否反応が出てしまうのでしょうか?心痛ましい事件やスマホに関するネガティブなニュースを目の当たりにしているからでしょうか?

それは、大人がわからないものへの恐怖です。子どもの新しいものに対する順応の速さがあります。しかし、スマホの操作方法を簡単に理解してしまうのと、スマホの知識があることは別です。また、現実社会にはお金や年齢などで制限されるものが、インターネットでは適応されにくい性質があります。親が知らないことが増えていく可能性も出てきます。

今まで携帯電話やスマホを子どもに買い与えても、インターネットの知識や理解は親の役目だと認識している保護者は多くはありませんでした。言い換えれば、自転車が乗れるようになったからといって、交通ルールも知らずに自由行動を許すことをしないように、インターネットを何のガイドもなしに与えていいわけではありません。その長年の歪が世界中で表面化しているため、ますますスマホを子どもから遠ざけようとする保護者が増えています。

テクノロジー社会において、このままで本当によいのでしょうか。子どもが学ぶ前に、まずは大人から正しい知識を身につけ、賢い使い手となってほしいと願っています。次回は、具体的にスマホ恐怖症を克服する3つの方法についてお伝えしていきます。

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