前回の記事で翻訳機の精度を調査しました。その結果、翻訳機も「万能ではない」ということが判明。ではどうしたらよいのでしょうか。カリスマ英会話講師である塩原祥之先生に、翻訳機に頼らずに英会話を実践していくための秘訣についてに伝授してもらいましょう。
  • 日本人は間違えることが恥ずかしいことだと思っている。
  • 大きな声で、ゆっくり話すと、劇的に伝わるようになる。
  • もっと複数の文章を話したいときは「OREOの法則」。

これまでの【翻訳機で恥をかかないための英会話】はこちら

英語学習者が陥りがちな「地獄のループ」

画像: 英語学習者が陥りがちな「地獄のループ」

私は、2019年までの間に約80万人が受講する英語学習プログラムを開発しています。そんな経験の中でわかったことは、私たち日本人が上手に英語で会話ができない原因の多くがメンタルの問題であることです。別の表現で言い換えれば「間違えることは恥ずかしいことだ」という考え方に問題があります。

これは単語力や文法力といった英語力以前の問題です。「間違えて英語を使うと恥ずかしい」と考えてしまうと、自然に「小さな声で早口に話す」ようになってしまいます。

日本語でも、相手から小さな声で早口に話されると、何を言っているのか聞き取れないことが多いですが、英語も同じです。小さな声で早口に話すと、そもそも相手に自分の声が届きません。そうなると、相手の外国人は「Huh?」と聞き返すことになります。

この「Huh?」というのが、日本人には「は?」と高圧的に聞こえてしまい、さらに萎縮して声が小さくなる…このような負のループが繰り返されてしまうわけです。

海外旅行先での英語:よくある失敗エピソード

画像: 海外旅行先での英語:よくある失敗エピソード

たとえば海外旅行先で、こんな状況の失敗談がよくあるのではないでしょうか。

例1)海外のカフェでコーヒーを注文したいのに…...

緊張しながらも「Coffee, please.」と、なんとか店員にオーダー。しかし店員に「Huh?」としかめっ面で聞き返されました。これにビビってしまい、諦めて「オレンジジュース」を注文してしまう…...。

例2)アイスクリーム屋でバニラを注文したいのに…...

英会話業界では「海外のアイスクリーム屋で『バニラ』を頼めると一人前だ」と言われています。というのも、「バニラ味」のアイスクリームを注文しても、ほぼ「バナナ味」のアイスクリームが出てくるからです。店員さんに「バ」っと言った瞬間、店員さんはアイスをすくい取るスクープをバナナ味に突っ込んでいます。

英語でvanilla(バニラ)の「バ」は、上顎の歯で少し下唇を噛んで「va(ヴァ)」と発声し、「ニ」にアクセントを置いて発音します。しかしバニラの「バ」を日本語的な発音で「ba(バ)」と発音し、さらにこの「バ」にアクセントを置くと、相手には「banana(バナナ)」に聞こえてしまいます。その結果、バナナ味のアイスクリームを受け取ってしまうことになるのです。

海外旅行での英会話、上達しない最大の原因

「聞き返されるのがイヤ」「一発で英語が通じてほしい」そんな思いが、英会話の上達を妨げてしまっています。これらの気持ちの土台には、やはり「間違えることは恥ずかしいことだ」という考えがあります。とくに普段から英語を使う機会がない人たちは、余計にそう感じてしまうようです。つまり私たち日本人が英語を話せない理由は、「英語力」ではなくそもそもの「会話力」にあるのです。

では、どうすればいいのか──実はその解決策はとても簡単です。それは「大きな声で、ゆっくりと話す」ということ。非常にシンプルですが、英会話上達においてはこれがもっとも効果的です。なぜなら英語は、「大きな声で話さないと通じない言語」だからです。

日本人の英語は、声を大きくするだけで劇的に通じるようになる

画像: 日本人の英語は、声を大きくするだけで劇的に通じるようになる

もともと英語は、大きな声で話すように作られた言語です。ですから日本語のような声量で話していると、ネイティブ同士でも通じません。そのため英語を話す人たちは、共通して声が大きいという傾向にあります。逆に日本語は小さな声でも通じる言語なので、私たち日本人は、世界の人々と比べると声が小さい人が多いのです。

それにより英語を話すときも声が小さくなってしまい、結果として相手に声を届けることができず、「英語が通じない」ということが生じているのです。だからこそ、声を大きくするだけで驚くほど通じるようになります。

これが英語でコミュニケーションがとれるようになるための最大のコツです。ですから、英語が相手に通じなかった場合は、声の大きさを2 倍にして言い直せばいいのです。とてもシンプルですよね。

「間違うことは恥ではない」と知ること

そのために重要なのが「間違うことは恥ではない」と知ることです。私たちはこれまでの義務教育で「間違わない英語が正解だ」と学んできました。この呪縛からはなかなか逃れられません。一方で、多くの外国人は、言語に正解や不正解を求めていません。

たとえば先日、外国人から"Ican speak Japanese.(私は日本語が話せます)"と話しかけられました。「OK!じゃあ日本語で話そう!」ということで、彼と話をしてみたのですが、「コンニチハ〜」「ワサ〜ビ」「ゲイシャ〜」と、脈絡のない日本語の単語を連呼してくるだけでした。よくぞ、このレベルで「日本語話せる」と言えるなぁと(笑)。

しかし彼らは、言葉の正解や不正解にはこだわっていません。純粋に「日本語を話して、私たちを喜ばせようとしている」のです。

英語学習者なのだから、間違えて当たり前

画像: 英語学習者なのだから、間違えて当たり前

一方で、私たち日本人は、出会う外国人すべてが試験監督のように感じてしまう方が多いようです。「この英語で間違っていないか?」「ここでは過去分詞を使ったほうがいいのか?」など、自分が使おうとしている英語が相手に採点されるかのような気持ちで会話しているのです。

しかし声を大にして言いたいのは、「会話は試験ではない」ということです。そもそも外国語なのですから、間違えて当然です。これまでの義務教育の英語は、試験勉強だったので「正解すること」が重要でした。ですが、英会話は試験ではありません。コミュニケーションが取れて、相手が喜んでくれれば、それで問題はありません。

私たちは英語学習者なのですから、間違えて当たり前。間違うことは恥ではありませんし、海外では間違いを笑う人もいません。このことが分かると、英会話がラクになってくるはずです。

「英語らしい英語」が話せるようになるには、どうすればいい?

「とはいえ、やっぱり間違うのはイヤだ!」「英語らしい英語を自信もって話せるようになりたい!」、そう感じる人がいるかもしれません。ということで、ここで特別に「英語らしい英語が話せるようになる、とっておきのテクニック」を伝授します。

たとえば、

Where are you from?→I’m from Japan.

What color do you like?→I like blue.

上記の会話が成り立てば、論理的には「英語を話せている」と言えます。しかし、こんなレベルでは「英語を話せている」と思えないのが、私たち日本人です。1つの質問に対してたった1文で回答しただけでは、「私は英語を話せている」とは感じられないのです。

1つの質問に複数の文で回答できるようになってはじめて、「私は英語を話せている」と感じれるものです。そこで今回伝えたい考え方が、「OREOの法則(オレオの法則)」です。

自分の思いがより伝わる【OREOの法則】

画像: 自分の思いがより伝わる【OREOの法則】

「OREOの法則」とは以下のような流れ、つまり会話のフレームワークを意味しています。それぞれの頭文字をとって「OREOの法則」と言われています。

Opinion主張
Reazon理由
Example
Opinion主張

この「OREO」のフレームワークを使うことで、英語を複数文で返答しやすくなります。たとえば、”What color do you like?(好きな色は?)”と聞かれた場合。

I like blue. (青が好きです)

Because I like ocean. (なぜなら海が好きだからです)

I feel relaxed when I see blue ocean. (青い海を見ているとリラックスできます)

That's why I like blue. (だから、私は青が好きです)

このように複数文で返答できると「自分は英語を話せている」と思えるようになります。あとは自己紹介でよく聞かれる質問について、OREOの法則で作った回答文を、事前に用意して暗記しておけばOKです。事前に準備をしておくことで、スムーズに英語が口から出てきて、周りの人からは、あなたは英語がペラペラだと思われるでしょう。

英語が話せない人からすれば、たとえ10秒間だけでも英語を話している人を見れば、「すごい!英語ペラペラなんだね!」と思います。そしてあなたは、そのように周りから言われる度に、自分の英語に自信がつき、そして自発的に英語を話す機会が増え、さらに英語力がどんどん上達していくのです。

海外旅行先でも英語が使えるようになる方法

多くの日本人が英語を話せない最大の原因は、メンタルブロックの問題、つまり「間違えることは恥ずかしいことだ」という考え方にあります。これは、英語力以前の問題です。

しかしそうは言っても、「はい、間違えてもOKなんですね!」とすぐには気持ちを切り替え、自信をもって英語を話しはじめるのは容易ではありません。そこで、少しずつでも自分の英語に自信をもてるように、「OREOの法則」といったフレームワークを使う、ということが今日のポイントでした。

事前にある程度の英文を作成し言えるようにしておくことで、自信をもって英語が話せるようになっていきます。実際に英語を使って会話をする経験を積んでいけば、英語は上達していきます。実践の場で「通じる経験」をすればするほど、それが自信につながり、上達するスピードも早くなるはずです。

次回は、英語学習者からもっともよく聞く「単語を覚えられない!」という悩みの解決策について、お伝えしていきます。

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