日本全国で、緊急事態宣言が出されました。それにより、飲食店の売り上げは大幅に減少。廃業を余儀なくされる飲食店まで現れています。ではこのピンチをどのように乗り越えていけばいいのでしょうか。同じく飲食店のオーナーをしている方から、このコロナ禍を乗り切り方法を聞いてみました。

これまでの【週末パン屋のはじめかた】はこちら

飲食業のオーナーは今何を考えているのか

前回まで、プチ起業でパン屋さんやカフェをやる上でのいろいろなことについてお話ししてきました。

そんな原稿を書いているときには想像もしなかったのですが、新型コロナウイルスの感染が日本全国に広まってしまいました。

そして、ついに政府の緊急事態宣言を受けて、ここ大阪でも、さまざまな商業活動に自粛要請がでました。私たちの週末カフェ「天使の時間」が利用しているレンタルカフェスペース「ケイジェイワークス・コラボカフェ」も4月末まで休業です。ここでご紹介したシェアキッチン「Second M」も同じく休業。当然ながらその施設を利用しているコラボカフェ・コラボ食堂のオーナーさんは、営業できなくなっています。

私たちのようなプチ起業オーナーはまだリスクが低いのですが、自分の店を構えている飲食業の方々は、廃業の危機にある方も少なくありません。こんな状況なので、プチ起業オーナーの仲間やコラボカフェ・コラボ食堂を卒業して、自分の店を構えている飲食店オーナーの方々にインタビューして、この現状に対して、今どのように対応しているのか、そしてこれから先どうしていこうと考えているのかをうかがってきました。もちろんテレワークで。今回は、そのレポートをお届けします。

YouTubeで自分たちの「志」を発信

画像: 天使の時間はYouTuberはじめます

天使の時間はYouTuberはじめます

まずは、自分自身のこと、週末ヴィーガンカフェ天使の時間の現状です。ヴィーガンカフェ天使の時間は、ケイジェイワークス・コラボカフェで月2日間出店していましたが、4月から出店箇所をさらに2カ所増やそうと準備中でした。

しかし、3月ごろから新型コロナウイルス蔓延の懸念が高まってきて、新規出店を予定していた2カ所がいずれも当面の営業を自粛することになってしまいまいた。そして、本拠地であるケイジェイワークス・コラボカフェも休業となり、新たなスタートを切る予定だった4月は、まったくの白紙となってしまいました。新型コロナウイルスの状況によっては、5月以降も営業できないかもしれません。

外向けの営業が何もできない今、自分たちに何ができるのだろう。いろいろと考えたのですが、こんなときこそ、自分の「志」を明確化して、それを発信していこう!そう考えました。発信する方法としては、いまさらではあるのですが、YouTubeで動画をつくっていくことにしました。

今やスマホで簡単に動画を撮影して、すぐに投稿できる時代ではありますが、キチンとした動画作品をつくるのには、それなりの手間と技術が必要です。家にこもり、時間がある今だからこそ、手間をかけられるし、技術を身につけられるのではないか、と思いました。

私たちの食べ物に対する思いを、映像に載せて伝えていくこと。それをやり続けて、新型コロナ禍が去ったあと、無事に営業が再開できたとき、来店するお客さんに、私たちの思いを伝える一つの素材として見てもらえればうれしいです。そして動画をつくることは、自分たちの「志」を再確認することにもなります。

画像: 緊急事態宣言で週末プチ起業は大ピンチ!? こんなときだからこそオーナーがすべきこととは

いまさらYouTuber?

はい、いまさらです。でもたとえいまらでも、動画をつくって発信すれば、私たちの料理やスイーツを必要としてくれる誰かに届くはず。それがたった一人であっても、その人が喜んでくれるのであれば、発信する意味はある。そう思って、いまさらYouTuberをはじめようと思います。

コラボオーナー仲間にインタビュー

さて、ケイジェイワークスのコラボオーナー仲間の人にも、オンラインでインタビューしてみました。現役コラボオーナーのみなさんは、食堂やカフェが本業ではない方が多いので、「新型コロナ禍が治まって、コラボ食堂・カフェの営業再開を待つしかない」という方が多いようです。

らぐー食堂・ラグーカフェ

画像: らぐーカフェは新型コロナ後の飲食業のあり方を模索中

らぐーカフェは新型コロナ後の飲食業のあり方を模索中

そんな中、本業の一つとしてコラボ食堂・カフェを利用しているのがらぐー食堂・ラグーカフェの松井まるがさん。松井さんは、2月初旬のニュースでの外国の状況から「これは大変なことになる」と考えて、2月下旬にはコラボ食堂・カフェでいち早く新型コロナウイルス対策に乗り出しました。

テイクアウト用のお弁当をメニューに追加したり、除菌スプレーを持参してテーブルの除菌を心がけたり、自身の手洗い回数を増やして営業時間終了時には手荒れがするほど手洗いを実践。さらには客席数を減らしてお客さん同士の距離を取るなど、やれることはすべてやってきました。

そして、緊急事態宣言のあとのコラボ食堂・カフェの休業。松井さんはコラボ食堂・カフェ以前にはご自身のお店を経営されていた飲食業の大ベテラン。そんな松井さんが、今回の新型コロナウイルス禍で感じられているのは、飲食業のスタイルがこれからまったく違った形になっていくのではないか、ということだそうです。

それがどんなものなのかはまだ具体的にはなっていないそうですが、この自粛期間を使って、誰もが安心してくつろげて、体にいい食事を提供できる飲食業のスタイルを模索していきたいとのこと。私たちは今、大きな転換期に立ち会っていることは間違いなさそうです。

muffin sisters

画像: マフィンシスターズは移動販売を休業し、新製品を開発中

マフィンシスターズは移動販売を休業し、新製品を開発中

さらにこの機会に、コラボ食堂・カフェを卒業してご自身のお店で活動をされているOBのみなさんにも話をうかがいました。コラボ食堂出身で、現在は移動販売車で手作りマフィンを販売されているmuffin sistersの糸瀬美佳さんは、ショッピングモールなど移動販売車出店先での販売を自粛しています。また出店を予定していたマルシェなどのイベントも、すべて開催がキャンセルになってしまいました。

以前からサブ的に開設していた通販サイトがあったので、お得意様からは通販サイトや電話・メールで注文をもらっているとのこと。平時と比べて製造数・販売数ともに大きく減少していますが、その分時間に余裕ができたので、新製品の開発に注力しているそうです。

また、糸瀬さんはエアロビクスのインストラクターもしているのですが、この状況では当然ながら教室はすべて閉鎖状態。そこで、オンラインでの教室開催を研究中だそうです。

手包み餃子と中華キッチン ひげ

画像: 中華キッチンひげはテイクアウトを中心に営業を継続中

中華キッチンひげはテイクアウトを中心に営業を継続中

同じくコラボ食堂出身で、今は自身の店をオープンした「中華キッチンひげ」の清水一弘さんは、お店が郊外店舗ということもあり、現在も営業時間を短縮しながらお店を開けています。

清水さんの店はイートインのほか、テイクアウトメニューも豊富にあります。住宅街が近いという場所柄もあり、餃子や中華惣菜を買って帰る人は以前から多かったそうですが、緊急事態宣言がでてからは、さらにテイクアウトが増えているそうです。

「中華キッチンひげ」の名物料理は餃子なのですが、細長い形状と独自の風味があって、オリジナリティあふれるもの。好きになったらまた食べたくなるという、いわゆる癖になる味。こういう強みがあることが、飲食店には最大の武器ですね。

珈琲工房ニシオカ

画像: 珈琲工房ニシオカはコーヒー豆の販売で営業中

珈琲工房ニシオカはコーヒー豆の販売で営業中

コラボカフェ出身で、「珈琲工房ニシオカ」を夫婦で経営している西岡恵三子さんからは、次のような報告をもらいました。

『「珈琲工房ニシオカ」は、喫茶コーナーは自粛し、珈琲豆販売(小売り・卸共に)は時間短縮で週5日の営業をしています。ただ、状況をみて変更するかもしれません。』

西岡さんのところは自家焙煎コーヒーと手作りケーキが自慢のお店なのですが、コーヒー豆の販売を主力としているので、喫茶コーナー自粛による売り上げ減はありますが、なんとか営業を続けているそうです。在宅勤務や外出自粛などで、家で過ごす時間が増えていることもあり、コーヒー豆の販売は思ったよりも多いそうです。

巡りごはんいろは

画像: 巡りごはんいろはは、母の日ギフト用の商品も開発して通販をスタート

巡りごはんいろはは、母の日ギフト用の商品も開発して通販をスタート

コラボ食堂OBの鍋谷充子さんは、薬膳カフェ「巡りごはんいろは」で体によいおかゆを中心としたメニューを提供しています。緊急事態宣言が発令された現在はイートインを自粛しつつ、テイクアウトメニューを開発して営業を継続しています。さらに、ずっとペンディングにしていた通販用のレトルトおかゆの製品化にも着手。また、母の日用のギフト商品を開発するなど、サービスの多様化に努めています。

飲食の最前線で頑張っているコラボOBから、貴重な話をたくさん聞けて本当にありがたいです。

オリジナリティと創意工夫が重要

こうやってうかがってみると、飲食業を繁盛させるには、まずオリジナリティが重要だなと思いました。マフィンシスターズの手作りマフィン、中華キッチンひげのやみつきになる餃子、珈琲工房ニシオカのこだわりの豆を使った自家焙煎コーヒー、巡りごはんいろはさんの薬膳がゆ。どれも、そこでしかいただけない、というものばかり。

そして、それらの商品をなんとかして届けたい、という思いからあふれ出してきた創意と工夫。糸瀬さんのマフィンを食べながら西岡さんのコーヒーとともに、午後のひとときを過ごしたい。清水さんの餃子を食べながら、おいしいお酒もいただきたい。そして翌朝は、鍋谷さんの薬膳がゆでふんわりとおなかをいたわりたい。

コラボの先輩方の話をうかがっていたら、そんなやさしい世界を思い浮かべました。私たちもそんなふうにお客さんに思っていただけるようになりたい、とあらためて思いました。

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