バンコクは、ロックダウンから半月経過しました。もう「非日常が通常」という言葉がしっくりくるような状態となっています。デマ情報が飛び交って何を信じたらいいの?という極限の状態はとうに過ぎ去り、適度な緊張感の中、日々の生活と先の楽しみを話しながら、今置かれている現状を静かに受け止め生活しています。

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タイ・バンコク 現在の新型コロナウイルス対策と学校生活

バンコクは、ロックダウンから半月経過しました。もう「非日常が通常」という言葉がしっくりくるような状態となっています。デマ情報が飛び交って何を信じたらいいの?という極限の状態はとうに過ぎ去り、適度な緊張感の中、日々の生活と先の楽しみを話しながら、今置かれている現状を静かに受け止め生活しています。

先月21日に出された非常事態警告、26日からの宣言の発表後、バンコク市内のインターナショナルスクール(以下インター校)と日本人学校でも対策が取られました。春休みの前倒し、そして新学期の開始延長、オンライン授業の開講です。

基本的に、在住の日本人が通っている学校では、日本大使館からの情報をキャッチアップして学校側の意思決定がなされているようでした。決められたことはすべてオンライン上で最新情報を確認できます。筆者が子どものころ通っていた日本の公立小学校なら、各家庭に連絡網が回ってくるような細かい内容もすべて即時的に見れて、その都度、家族で相談しあえるのですから、デジタル社会に有難さはひとしおです。

緊急事態宣言に対して非常に慣れた対応

画像: 緊急事態宣言に対して非常に慣れた対応

3月下旬当初は、いつなにがどうなるか、まったくわからないので、先の見通しが立てられず、不安でいっぱいだったのですが、在住歴1年の筆者のネガティブな気持ちに相反して、バンコクの学校側の対応は非常に素早く、終始ポジティブで落ち着いていました。

皆さんご存じの通り、タイは「王国」であり、政府の権限も日本より強く、過去に何度か緊急事態宣言や外出禁止令が出されています。現在は治安維持のために、夜間の外出とアルコール類の販売が禁止、飲食店も店内での喫食は禁止でテイクアウト販売のみ、という厳しい制限下で生活していますが、その禁止令の類も、在住歴の長い日本人にとっては慣れたことのようで、

またか。明日から10日間お酒が買えない~。政府が言っているより長期間かも?(会社員・男性、タイ在住5年)

という声も上がるレベル。日常茶飯事のことのようです。

調べてみると、タクシン首相政権下の時代に軍のクーデターがたびたび起き、その度に緊急事態宣言が出され、市民生活に行動制限がかけられてきています。

思い返してみれば、2019年春、入学式での校長からのスピーチで、緊急事態宣言下での学校生活について説明もありました。「外国の学校ということで治安も心配されていると思います。過去タイが有事の際対応していることは学校側でナレッジをしっかり蓄積しています。安心してお子さんを学校に通わせてください」とはっきりとしたお話があった記憶がよみがえります。

まさか校長が言っていた「有事」が在校中に起こりえることだったとは…。筆者はまったく予想していませんでした。

オンラインでの退学届提出や学校見学会を実施

画像: オンラインでの退学届提出や学校見学会を実施

在タイ日本人の中にはご自身のビジネスや子どもとの生活全般について不安を感じ、早々に一時帰国を決めた人も少なくありません。現在タイは「海外からの渡航禁止」なので、仕事の拠点を日本に移素という決断とセットで、タイの学校を退学・休学する手続きをとらなくてはなりません。「退学書類」は3月下旬の段階でオンライン上で手続きできるように整えられ、学校のホームページで公開。驚きのスピード感でした。おそらく、多くの保護者から問い合わせも反映しているのでしょう。

また、バンコク市内にあるインター校では、恒常的に行っている学校見学会をオンラインでやる動きも見られました。筆者が以前取材で訪れたことのあるShrewsbury International Schoolをはじめ、多くの学校で実施されています。

世界的に閉塞感漂う昨今ですが、渡航費を使わなくて世界中の学校見学会にオンラインで参加できるのはすばらしいことですね。この機会に、憧れの学校にぜひ見学会を申し込んでみましょう。

タイでのオンライン授業の実施状況

画像: タイでのオンライン授業の実施状況

インター校では、ロックダウン前からオンライン授業の実施予定とスケジュールが組まれ、すぐ自宅学習の体制がとられました。体育の授業も画面に向かって体を動かしたり、座学で教師から授業を受けたり、オンラインをフル活用して勉強している様子がみられます。

インター校の場合、親御さんの都合で在校する学校に一時的に通えないことも少なからずあり、それに向けた整備もされていたのでしょう。導入速度は驚くほど速いものでした。

日本人学校はというと、4月第1週ごろ新学年の教科書配布の日時が発表され、オンライン授業についても鋭意整備中というお知らせが公開されました。新学期開始のスケジュールは発表になっていませんが、きちんと対応してくれているのだなという安心感は、強固なものがあります。

自宅学習の状況、あるいはバッドティーチャー事始め

画像: 自宅学習の状況、あるいはバッドティーチャー事始め

学校からのお知らせや日本大使館からの情報を日々キャッチアップしつつ、自宅での学習も日々取り組まなくてはなりません。筆者は幸い、ロックダウン前に学校に出向く機会があり、新学年の学習と課題について担任と話合いをもつ機会があったために「家で何をやったらいいのか」ということは比較的明確に言語化できていました。

しかし、そんなにスパッときれいごとでは済まされないのが自宅学習です。勉強の課題感はわかっていても、教える側が教授方法を体現したことなどないのですから。進みの悪い教科については、筆者自身が完全に「バッドティーチャー」と化し、意味不明なことにキレる日もあったことを、ここに告白したいと思います。

ロックダウンが行われた直後、筆者の教え子はお昼ご飯を食べながら「この世の中はおしまいだね」と、物憂げな表情で話しました。不安やストレスは子どものほうが感じる力が強いです。それを解消しないことには勉強どころではありません。冒頭「非日常が通常」モードに入ったと書きました。「子どもの勉強にトコトン付き合うという非日常」に慣れるまではけっこうしんどく、大人の生活をも脅かす「ストレス因」ともなってしまいました。

兼業ティーチャーのストレス解消方法

画像: 兼業ティーチャーのストレス解消方法

このストレスを解消するためのとっておきの冴えたやり方をご紹介しましょう。超簡単、道具もお金もいらないです。自分が「バッドティーチャー」なことを自覚するのです。たったそれだけ。

「意識低い」上等!ゲスで他の教師にも完全に遠巻きで煙たがられるぐらいの猛毒不良教師をイメージしてください。「なんであの人、先生なんてやってんのかしら?」って人。そのセルフイメージをもつと、尊大な気持ちで自宅学習と向き合えます。肩の力を抜いて、最初は時間を区切って手早く切り上げて。とにかくあまりムリをしないで取り組むことをオススメします。

お陰様で、筆者の教え子は得意教科の進捗がすこぶるいいので、それがやる気にもつながり、他の教科の勉強に集中できる時間も増えてきている様子。バッドティーチャーもすっかり刃が折られ、丸腰で柔らか。麗らかな美声で教えている始末です。でもここまで明るく教えられるようになるまでには、紆余曲折がありました。

海外移住したからこそ得れた、家庭学習のTips

画像: 海外移住したからこそ得れた、家庭学習のTips

タイ在住者の外国人家庭(日本人含む)では、いわゆる「お手伝いさん」を雇用することがしばしばみられます。筆者も非常事態宣言直前まで、日常会話レベルの英語を話せる女性に来てもらっていました。外出が自粛ムードの折、1週間ほどお休みをとってもらっていましたが、彼女の好意もあって再び来てもらうことにしました。特別家庭教師という目的で雇用していた方ではありませんが、上述の通り自宅学習に苦戦していたので、学習の見守りを積極的にお願いすることにしたのです。好きな教科1教科に絞って彼女にみてもらい、すごく助かりました。

筆者の「教え子」にとって、お手伝いさんは大切な遊び相手であり、簡単な日常英語で話せるバディでもあります。私の教え子は、英会話よりまず先にデジタルネイティブのために、動画を見てさまざまなことを自分から率先して吸収できます。

…そういえば聞こえはいいのですが、要するにYouTubeをだら見する機会がどんどん増える現状にイライラしはじめた筆者は、なんとかその日常を食い止めたいと思っていました。

どんなにデジタル社会が進んでもアウトプットのモチベーションになるのは、やはり直接人と人との関係性です。掲題の「Tips」があるとすれば、可能な限り家族以外の人との密なコミュニケーションの機会を日常的にもつことだと思います。

家庭学習と家庭仕事(テレワーク)の両立

画像: 家庭学習と家庭仕事(テレワーク)の両立

学校に子ども行かなくなると、どうしても家族が相互監視的になってしまいます。家庭学習と家庭仕事(テレワーク)の両立は、得てしてダブルスタンダードです。「別に何をしていてもいいんだけど、こっちがしていることも邪魔しないでほしい」と全員が思いながら24時間ずっといるわけです。さて、どうなるでしょうか。

だんだんと「あなたは家で、別に何をしていてもいいわけじゃないんだよ!!!」という無言の圧力が全員の胸の内に装備され、時に一触即発状態。

仕事中の大人にうっかり空気を読まずにじゃれついて、うるさいからと追い払われれば、ホスピタリティは著しく低下します。追っ払ったほうも気分のいいものではありません。一度なんとなくギスギスしてしまうと、関係修復にも時間がかかります。

この時限爆弾が発火しないためのクッションが、お手伝いさんの存在でした。私の「教え子」は、彼女のお休み中ちょっとばかりセンチメンタルでもありました。勉強が手につかず、窓辺にちょこんと座って教わった英語歌をうたい、携帯電話のおもちゃでせっせとスラング風ジョークを話すという一人遊びに興じる…。

その姿を目にしたとき、さすがに息をのみました。ああ、お手伝いさんの存在って勉強の見張り役だけじゃなくて、すでにこの子の生きるモチベーションの一部なんだなあと。

子どもには「顕在化している困りごとの解決」より「潜在的な戸惑いをくみ取って接してくれる」存在が大切

お手伝いさんが再来して気づいたことがありました。家庭学習生活では「顕在化している困りごとの解決」より、「潜在的な戸惑いをくみ取って接してくれる」存在がいてくれたほうが何かとはかどるのです。

外出ができず、やむ負えなくおうちでティーチャー業を兼務することになった方へ。途方に暮れ、疲れていませんか?誰も「潜在的な戸惑いをくみ取って子どもと接した」ことなんて評価してくれないから、しんどいですよね。ある程度見通しが立てば、日々あなたの「教え子」との関係はよくなっていきますよ。

そして、だんだん非常事態の先生業も悪くないな…って思うときが、いずれやってきます。先にロックダウン&都市封鎖を経験した筆者から熱烈エールを送ります。おうちで奮闘するすべての「バッドティーチャー」さん!一匹狼、孤軍奮闘かもしれませんが、その思いを発信し、見守りあい、支えあっていきましょう。

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