新型コロナウイルスの影響で、学校が休校になり、子どもの在宅が余儀なくされている昨今ですが、そうなると子どもがスマホやゲーム機などのデジタル機器に触れる時間は自然と増えていきます。それはよいことでしょうか?それとも悪いことでしょうか?

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世界と大きく違う「子どものデジタル機器の使い方」

画像: 世界と大きく違う「子どものデジタル機器の使い方」

皆さんは「子どもが使うデジタル機器」と聞いて、なにを思い浮かべますか。パソコン、スマホ、タブレット、ゲーム機あたりでしょうか。

では、その「デジタル機器」を子どもがどうやって使っているか、その使い方を少し考えてみましょう。もちろん人によってさまざまでしょうが、とくに小さいお子さんをお持ちの保護者の皆さんは「動画閲覧」や「ゲーム」、お子さんが中高生になると、それらに加えて「チャット」や「SNS」などが思い当たるでしょうか。少しまとめると、「暇な時間をつぶすため」「趣味を楽しむため」「コミュニケーションをとるため」といった使い方が多いと思います。

一方で、子どもが普段の学習においてデジタル機器を活用しているご家庭はどれほどいるでしょうか。「勉強」「学習」と聞くと、いまだに紙の教科書に参考書、ドリルなどを思い浮かべる人が多いでしょう。実は日本では、デジタル機器を遊ぶための道具として捉え、勉強道具として活用していないという調査結果が出ているのです。

15歳のデジタル機器の使い方が日本と他国で大きな差

OECD(「経済協力開発機構」という国際機関)が2019年に発表した、世界各国の15歳のデジタル機器の使い方をアンケートした調査結果で、日本と他の国とで大きな差があることがわかっています。

画像: 学習用として使っているかどうかのアンケート 「OECD 生徒の学習到達度調査(PISA)Programme for International Student Assessment 2018 年調査補足資料 ~生徒の学校・学校外における ICT 利用~ 令和元(2019)年 12 月 文部科学省 国立教育政策研究所 」p.18 図37 www.nier.go.jp

学習用として使っているかどうかのアンケート

「OECD 生徒の学習到達度調査(PISA)Programme for International Student Assessment 2018 年調査補足資料 ~生徒の学校・学校外における ICT 利用~ 令和元(2019)年 12 月 文部科学省 国立教育政策研究所 」p.18 図37
www.nier.go.jp

「学校以外の場所で、学校の勉強のためにデジタル機器を使用しているか」という質問で、各国平均は、50%以上の学生が「週に1~2回」以上使用していると回答しています。一方で日本の学生は約40%が「まったくかほとんどない」と回答し、「毎日」「ほぼ毎日」使用しているのは約6%と、その割合は最下位です。

ゲームに費やす時間は日本がダントツ

画像: 余暇を楽しむものとして使っているかどうかのアンケート 「OECD 生徒の学習到達度調査(PISA)Programme for International Student Assessment 2018 年調査補足資料 ~生徒の学校・学校外 における ICT 利用~ 令和元(2019)年 12 月 文部科学省 国立教育政策研究所 」p.30図49 www.nier.go.jp

余暇を楽しむものとして使っているかどうかのアンケート

「OECD 生徒の学習到達度調査(PISA)Programme for International Student Assessment 2018 年調査補足資料 ~生徒の学校・学校外 における ICT 利用~ 令和元(2019)年 12 月 文部科学省 国立教育政策研究所 」p.30図49
www.nier.go.jp

「学校以外の場所で、1人用ゲームをどれほど遊んでいるか」という質問で、「毎日」「ほぼ毎日」と回答している割合は、日本は50%弱とダントツです。これらの結果でわかる通り、日本ではデジタル機器は学習用ではなく、余暇を楽しむものというイメージが定着しており、実際そのような使い方が主流となっています。 

ただ、これは私の主観ですが、保護者の皆さんはそれをよしと考えていない傾向が強いように感じています。現在は、新型コロナウィルスの影響で休校、休園が続いており、子どもが外出できず長時間家にいることで、娯楽目的のデジタル機器の使用が多くなっているようです。

「自分は仕事があるので子どもの相手をできず、長時間動画を見させてしまっている」「子どもがゲームばかりやっていて困っている」など、仕方なくデジタル機器を使わせていることに苛立ちや罪悪感をもっている人が非常に多いのです。

日本でオンライン授業を実現するには

画像: 日本でオンライン授業を実現するには

私自身も小学生の子ども2人と未就学児の子ども1人を育てている現役の母でありますが、3月から休校、休園が続いており、1日も離れずに子どもたちと一緒に過ごしています。3人の子どもたちにどうやって学ぶ機会を提供するか、試行錯誤を繰り返していますが、仕事をしながら子どもたちの学習をフォローすることは並大抵のことではありません。

仕事が立てこめば、「子どもが動画を見る時間をきちんと管理しましょう」とか、「子どもと一緒に学習計画をたて、進捗をフォローしましょう」という「正論」が通用しない場合もあります。異学年差であれば学習の質も量もそれぞれ違うので、3人の学習計画を立てたり、それぞれと向き合う時間を作ることは非常に手間のかかることです。

家庭だけの教育には限界がある。しかし新型コロナウイルスの影響で学校や塾に行けない(行かせたくない)。そういったジレンマに苦しむご家庭が増えている今、デジタル機器をもっと上手に活用したオンライン授業、オンライン学習を望む声が高まるのを受けて、Facebook上で「日本のオンライン授業の実現」というグループを立ち上げました。

2月末に立ち上げてから2か月足らずで、国内外に住む日本人保護者や教育者の約1000人が参加しています。皆さんのニーズを感じています。

そこでは、お子様にどのようなデジタル機器を与えているのか、どのようなオンライン学習のサービスを活用しているのか、海外のオンライン学習事情はどうなっているのか、など皆さんがそれぞれの情報を持ち寄っています。またグループ内では、匿名でのお悩み相談も受け付けており、悩みを打ち明ける場所、またそれに声をかけたり励まし合える場所になれたら嬉しいと思っています。

「デジタル機器に詳しくない」「どうやって学習に活用したらいいのかわからない」「子どものデジタル機器の使い方で悩んでいる」という方は、参考になる情報があると思うので、ご興味があればご覧になってください。

どんなものも、使い方次第で悪用も有効活用もできます。日本のオンライン学習はまだまだこれから発展していく段階です。子どもたちにとって、また保護者や大人にとって、現実的かつ有用な活用方法を皆さんと一緒に探っていきたいと考えています。その報告も、今後の記事でお伝えしていけたらと思います。

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