先日、某テレビ番組に出ていた女性が亡くなったニュースが駆け巡りました。SNSでの誹謗中傷が原因ではないかと言われています。これはもちろん他人事ではありません。緊急事態宣言が解除された後、学校や会社でコロナ感染者が出たらどうしますか? 今回はヘイトスピーチについて一緒に学んでいきましょう。

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ヘイトスピーチ、許さない

画像: ヘイトスピーチ、許さない

「Stop!Hate Speech. ヘイトスピーチ、許さない。」このフレーズを、街中やインターネットなどで見たことはありますか? これは法務省が行っている「ヘイトスピーチに焦点を当てた啓発活動」で使用されている言葉です。

では、ヘイトスピーチとはどういったことなのでしょうか? 知っている方もいると思いますが、初めて聞いたという方もいるかもしれないので、ヘイトスピーチについて一緒に学んでいきましょう。

2019年からの連載では、インターネット上での発言(発信)に気をつけることについてつづっていきました。いつも自分の周りにいる人(お友達・家族)など、身近な存在の人や社内や近所に住んでいる人だけでなく、会ったこともない人をインターネット上で誹謗中傷してはいけないことについては、一緒に学べたのではないでしょうか。

しかし、新型コロナウイルスによって、さらに広い社会への発言や発信することへの配慮が求められています。世界中で中国人やアジア系の人々を標的にしたヘイトクライムが起きているのです。

文化や民族、人種、宗教、性別、容姿、健康など自分自身では、どうしても変えられないことについて、個人や団体に対して攻撃や侮辱、脅迫をする言動や発言についてを、ヘイトスピーチといいます。そしてヘイトクライムとは、嫌がらせ、脅迫、暴行などの犯罪行為を指します。少し難しい表現ですが、世界中で人種差別などの人権問題となっています。海外に住んでいる日本人への嫌がらせも増えており、アジア人への差別は広がっているのです。

ヘイトスピーチ解消法

画像: ヘイトスピーチ解消法

日本では今から4年前、平成28年5月に「ヘイトスピーチ解消法」が成立し,同年6月3日に施行されました。日本におけるヘイトスピーチ問題への理解は進んできてはいるものの、いまだ国民全体に理解が広まったとは言えません。インターネットの普及などにより、私たちもつい軽い気持ちで、SNS などを通してヘイトスピーチを行ってしまう危険性が常にあります。しかしながらヘイトスピーチをすると刑罰に問われ、相手を傷つけるだけでなく、自分が刑罰に問われて苦しみ、周りの人にも迷惑をかけることになります。 

実際、2019年の1月に当時15歳の中学生の男子に対して、66歳の男性がご自身が運営する匿名のブログに少年の実名を晒してヘイトを書き込んで侮辱し、刑事告発され処罰された事件が起こりました。少年は、もともと人種差別に反対する考えを発表し、実名で取材に応じていましたが、それを悪用されたのです。

かなり誹謗中傷が激しい内容で、「ブログに書かれた酷いヘイトスピーチを見たときの、恐怖やショックを忘れることはできません」「自分はどう思われていまうのだろうと。これは一生、消えないんじゃないかという。そういう苦痛を味わっています」と、少年の代理人である弁護士の方がコメントしていました。少年は、泣き寝入りをするわけにいかないと決めて、ブログの運営会社に書き込みをした人物を明らかにするよう仮処分を申し立て、犯人を特定し、刑事告発に踏み切りました。書き込んだのは、少年とはまったく面識がない大人の男性だったのです。

 

デジタルネイティブの世代は危険とも隣り合わせ

画像: デジタルネイティブの世代は危険とも隣り合わせ

子どもたちはインターネットにアクセスできるようになったら、わたしたち大人や保護者の想像を遥かに超えて世界中の人々とつながることができます。それは可能性に満ちてもいますが、危険とも隣り合わせです。

だからこそ、日ごろからデジタル機器端末を活用し、使いながら倫理感や、やっていいこと・悪いことを学んでほしいと願っています。スマホやデジタル機器端末を触らせないからといって、解決できる問題ではありません。国際社会を生きていくであろう子どもたちと、ぜひこういった話題を家庭でも話し合ってくださいね。

また、学校や会社がはじまると、身近の人がコロナウイルスに感染することもあるかもしれません。私も含め、すべての人に感染する可能性があります。コロナウイルスに感染すると、【公開処刑】というような最悪の状況になり、インターネット上で個人情報が特定されているような写真や情報が出回るかもしれません。

あらためてメディアリテラシーが問われていると考えます。まだ子どもの感染者は少なく、学校単位でのクラスターは出ていませんが、学校が再開した時に学校内やクラスメイトが感染した場合、各家庭でその方針を考えておくタイミングであり、いい機会だと思います。今後、ヘイトスピーチやヘイトクライムの重さを理解し、日本国籍以外の人々や、さまざまな立場の人の気持ちを理解するように努めて、言動に気をつける必要があります。

広い視野をもって考え学び続ける姿勢が大切

今回は、少し難しい内容だったかと思いますが、ヘイトスピーチとヘイトクライムは、日本国憲法の表現の自由にも関係してくる言葉です。また、国際的にみると多様性(ダイバーシティー)とも深くつながっています。1つの物事や事実は、経済、社会、文化、政治など生きていく上で必要な教養や、学びがたくさん含まれています。机の上の学び以外にも本を読んだり歴史をひもといたり、広い視野をもって考え、学び続ける姿勢を大切にしていきたいですね。

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