新型コロナの影響でリモートワークの機会が増え、家族との過ごし方や働き方にも大きな変化の中にあります。本連載では筆者が20年近くスウェーデンと交流する中で感じた家族や仕事、自分との向き合い「ラーゴム(ちょうどいい)」生活を送るためのアイデアについて、毎回テーマをピックアップして紹介します。初回はイントロダクションを兼ねて、スウェーデンの代表的なリフレッシュ時間の使い方について紹介します。

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自分にとってちょうどいいバランスを再確認する機会

スウェーデンには「ラーゴム(lagom)」という単語があります。ちょうどよく、多すぎず少なすぎないといった意味をもち、スウェーデンのライフスタイルを象徴する言葉でもあります。家族、仕事、友人、地域社会、そして自分。日常生活の中で、これらをどうバランスしているのでしょうか。

現在、新型コロナウイルスの影響で自宅で過ごす時間が増えています。学校の休校や在宅勤務などで家族や同僚とのコミュニケーションや時間の使い方などが変化し、働き方や自身の価値観についてあたらめて考える機会となっています。

本連載では、スウェーデンを中心とした北欧のライフスタイルからキーワードを選びながら、自分にとってラーゴムなバランスを見つけるためのヒントを、現地で活躍する方のインタビューや実体験も交えながら紹介します。主に働き方、子育て、教育、医療・福祉、地域コミュニティなどを取り上げます。

初回はスウェーデンで日常生活のリズムを作る上で、典型的かつ代表的な習慣についてご紹介します。

気の合う仲間と甘いものを囲んでコーヒータイム

スウェーデンの生活習慣の代表格ともいえるのが「フィーカ(Fika)」です。仕事の合間や学校帰り、食後などにコーヒーを飲みながら、ざっくばらんにおしゃべりを楽しむ時間のことです。仕事の打ち合わせでは真剣なビジネストークをしていても、終了後に「じゃあ、フィーカしようか」となれば、誰もがリラックスモードになります。

フィーカのお供はブッレ(甘いパン)です。シナモンやカルダモンがたっぷり入ったブッレが定番。親しい相手のオフィスや自宅を訪れるときは、手土産としてブッレをもっていきます。

定番以外にも、クリスマスシーズンにはサフランたっぷりのルッセカットという菓子パン、冬からイースターを迎える時期にはアーモンドペーストを使ったセムラなど、季節ごとのブッレも外せません。カフェやベーカリーで買うだけでなく、自宅で菓子パンを焼くことも。

画像: クリスマスシーズンの定番、ルッセカット。ホストファミリーと焼いたもの

クリスマスシーズンの定番、ルッセカット。ホストファミリーと焼いたもの

朝と夕方は水辺を散歩しながらおしゃべり

ストックホルムは水の都といわれるように、街全体が運河に囲まれています。10を越える島のそれぞれには、周囲を散策するための遊歩道が整備されており、朝夕には犬の散歩をしたり、連れ立って歩く人の姿をたくさん見かけます。

体を動かすのが好きなスウェーデン人にとって、散歩は日常生活における大切なルーティンのひとつ。友人や家族を誘って散歩を楽しみます。所要時間は人それぞれですが、私が誘われたケースでは、いずれも1時間から1時間半くらいは歩きます。あまり大人数では散歩しないので、ちょっとした相談ごとがある場合にも散歩タイムを使ったりします。

他にも、ストックホルム市内の運河沿いにはあちこちにサウナ小屋があります。サウナで温まったら、そのまま川に入るというスタイルです。隣国フィンランドのサウナは有名ですが、スウェーデンも同様に人気があります。健康のためだけでなく、交流の場になっています。

画像: 運河にある桟橋の先にはサウナ小屋が立つ

運河にある桟橋の先にはサウナ小屋が立つ

週末は居場所を変えてリフレッシュ

スウェーデンではコロニーガーデン(貸し農園)やセカンドハウスを所有し、週末に家族や友人とのんびり過ごす人が多いです。

ストックホルム市内では住宅地からちょっと離れた場所に、カラフルな作業小屋が並び区画整理されたコロニーガーデンをよく見かけます。スウェーデンの地質は固い岩盤でできており、高低差もあります。そのため都心部の住宅は密集しており、その多くはマンションです。そのため住民はコロニーガーデンを借りて、週末になると家族や気の合う仲間と朝から農作業で汗を流し、管理方法について話し合い、日が傾くまでフィーカを楽しむなどして過ごします。

また、セカンドハウスは自宅から車で数時間ほど離れた郊外にあります。週末や長期休暇には家族で滞在し、畑で野菜を育てたり、近くの山にキノコやベリーを採りに出かけます。自然の中でできることを家族みんなで楽しむためのリフレッシュスペースとなっています。

生活リズムを考える上で、気軽さも大事

今回ご紹介した3つの習慣は、いずれも誰かとリラックスできる時間を作ることです。子育てや仕事に集中していると、日々のタスクに目線がいきがちです。しかし気心の知れた友人や家族とおしゃべりすることで緊張がほどけて、再び自分と向き合えます。

ポイントとなるのは、その時間をいかに気軽に作れるかということです。スウェーデンの事例では、「お茶しよう」「散歩しよう」「コロニーガーデンに行こう」という言葉の先に、楽しくポジティブな時間が想像できます。

実際、スウェーデンの友人たちと過ごしていると、おしゃべりを通じて「それいいね」「あなただからできる」と元気付けられ、モチベーションが上がっていました。そう考えると、まずは自分自身が誰かと過ごすとき、その時間をポジティブなものにできるかどうかが大事かもしれませんね。

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