「ラーゴム(ちょうどいい)」な生活を送るための北欧のライフスタイルをご紹介する本連載。今回はスウェーデンの代表的なイベントを紹介しながら、家族や友人と過ごす時間におけるホスピタリティに着目します。

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家族や友人と過ごす中でのホスピタリティ

画像: ストックホルム市内。11月初旬にはすでにクリスマスシーズンに向けたイルミネーションの準備がはじまる

ストックホルム市内。11月初旬にはすでにクリスマスシーズンに向けたイルミネーションの準備がはじまる

今回ピックアップするのは、誰かと関わり合う時間の中で大切にしたいホスピタリティについてです。

スウェーデンには、個人主義や自立心が強いというイメージがありますが、仕事の仲間はもちろん、家族や友人と休日やイベントを過ごすとなると一致団結。お互いのホスピタリティを発揮して、最高の体験をつくり上げることに注力します。

ここでいうホスピタリティとは、全員が当事者となってみんなが関わり合うことで、物事をよりよい方向に導いていこうとすること。年中行事でも個人的な小さなイベントであっても、それに関わる人は何かしら役割をもち、主体性をもって参加していると感じました。

そんなスウェーデンでの徹底したホスピタリティ発揮が感じられる、代表的なイベントを3つ紹介します。

夏至をお祝いするミッドサマー

6月中旬から下旬は、夏至をお祝いするミッドサマーの季節です。スウェーデンでは毎年、6月19日から25日までの間、金曜日にあたる日に前夜祭が盛大に行われます。

画像1: Midsummer in Sweden www.youtube.com

Midsummer in Sweden

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南北に国土が長いスウェーデン。およそ中央に位置する首都ストックホルムでも緯度は59.3度と高く、夏至のころの日没は22時過ぎ。前夜祭では花冠(はなかんむり)をつくり、メイポール(白樺の柱)を立て、それを囲んで踊るなどしてお祝いします。

2020年の今年は、新型コロナウイルス感染症の影響で、オンラインイベントが開催されており、日本からもリアルタイムでその様子を視聴できました。

アウトドアが気持ちいいこの季節を楽しむのに欠かせないのが、前回紹介したセカンドハウス(サマーハウス)です。スウェーデン人の約2割が所有し、約半数が自分または友人のサマーハウスを訪れると言われています。

日常から切り離され、自然に囲まれながら家族や友人との時間を過ごすための、いわば第二のリビングルームとなっています。私のホストファミリーも、親戚一同でサマーハウスに集まり、ミッドサマーを祝います。

この期間は夏休みでもあるため、メッセンジャーなどの連絡は途絶えがち。家族で過ごす時間を楽しむために、完全オフに切り替えるということも、ホスピタリティを発揮するために重要な要素のひとつです。

イベントラッシュのクリスマスシーズン

一年でもっともイベントが多いのが、11月末からクリスマスまでの期間です。アドベント期間に入ると、各家庭では4本の長いろうそくを用意し、一週間に一本ずつ灯してカウントダウン。教会やイベントホールではコンサートが開かれ、地下鉄の駅やショッピングモールには聖歌隊がやってきて、クリスマスソングを歌います。

その中でも、毎年12月13日に行われる聖ルシア祭は、スウェーデンでもっとも大切な年中行事と言われています。光の象徴でもあるルシア役の女の子が白衣に身を包み、ろうそくを灯した冠を身につけて歌います。イタリア・ナポリ民謡の「サンタルチア」を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

このように、アドベント期間はイベント続きとなり大忙し。子どもが聖歌隊に入っている場合はなおさらです。コンサートチケットを確保したり(とても人気で、すぐ売り切れます)、コンサート中に小さな子どもを預かるなど、親同士や家族間でのチームプレーが随所で見られました。

また、クリスマスプレゼントは各々ウィッシュリストを書いて、その中から選択して準備するのが定番です。「これがほしい」という、もらう側の希望を叶えているとも言えます。

誕生日の朝は、家族みんなでお祝い

スウェーデンでは誕生日の朝、家族みんなでバースデーソングを歌いながら、主役の部屋まで朝食を届けます。ベッド用の小さいテーブルにケーキの形をしたマッカ(サンドウィッチ)を乗せ、プレゼントと一緒にもっていくのが基本です。

画像: IKEA公式サイト より。誕生祝いにはIKEAで販売されているベッドトレイなどが使われる

IKEA公式サイトより。誕生祝いにはIKEAで販売されているベッドトレイなどが使われる

いつもの起床時間より30分以上早起きして準備しなければならないため、通学や通勤の前に行うのはかなり大変。これこそ、家族全員の協力がないと実現しませんね。

余談ですが、朝食を届けるときに歌われるスウェーデンの定番バースデーソングは「100歳まで長生きしよう」というアグレッシブな歌詞となっています。

ホスピタリティから生まれるポジティブな連鎖

ここでひとつ、私の体験を共有します。2年前のストックホルム滞在中、ホストファミリーを招いたホームパーティを主催したことがありました。ゲストは子どもから大人まで総勢14名。買い出しや調理、テーブルセッティングから食後のフィーカまでをプランします。

最初はそれだけの大人数を一人でどうもてなすか、プレッシャーで頭がいっぱいでした。しかし友人たちは、私がやりたいことの実現に向けて、全力でサポートしてくれました。それは、事前準備の手伝いだけでなく、当日ゲストとしてめいっぱい楽しむことも含まれます。そして、ホームパーティが終了したときには、みんなで成功を祝いました。

まさにイベントに参加する全員が当事者です。大切な家族や友人と過ごす時間を、最高の体験にすること。とても当たり前ですが、身近なだけに甘えてしまい、どこか妥協したり受け身になることもあります。しかし、ホスピタリティをもってみんなでゴールを目指すことで、ギブ&ゲイン(与える者は与えられる)のポジティブな連鎖が生まれ、さらによい体験へとつながっていきます。

ライフスタイルの変化を感じる今だからこそ、あらためて自分が大切にしたいホスピタリティについて考えてみるのもよいかもしれません。

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