新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響と警戒は続いていますが、国内の博物館は感染予防に関する最善の注意を払いながら、段階的に再開されはじめています。今回は、国立科学博物館の紹介とともに、感染予防のために、どのような取り組みがなされているのかを紹介します。

※本記事は2020年(令和2年)6月17日に訪問した際の状況を元に執筆しています。COVID-19についてはもちろん、博物館の開館状況・入場制限などについても常に最新の情報を確認の上、適切な予防手段を採った上で訪問いただくようお願いします。

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上野にある日本最古の博物館の1つ、通称「科博」

画像: 地球館3階

地球館3階

「国立科学博物館」は、自然史に関する科学や自然科学・科学技術史の調査研究・標本資料の保管と展示を目的とした博物館で「科博(かはく)」とも呼ばれています。1871年(明治4年)に当時の文部省に博物局が設置されたのが起源で、東京都台東区上野エリアに「教育博物館」という名称で本格開館したのは1877年(明治10年)と、140年以上続く日本最古の博物館の1つです。上野駅の西側に広がる、上野恩賜(おんし)公園の中に、国立西洋美術館と並んで上野本館があります。

施設は上野だけと思いがちですが、港区には附属自然教育園、茨城県のつくば市には筑波実験植物園があり、いずれも一般公開されています。博物館は展示する教育施設というだけではなく、資料・史料の分析・検討などをする研究機関という側面もあります。つくば研究施設内で研究し、最新の研究成果を展示にも反映しています。

重要文化財に指定されている「日本館」

画像: 日本館中央天井

日本館中央天井

上野本館は、「日本館」と「地球館」で構成されています。日本館は、1930年(昭和5年)に完成し翌年から利用されはじめました。90年も前の建物ですが、第二次世界大戦中の「東京大空襲(1944年/昭和19年〜1945年/昭和20年)」の爆風にも耐えるほどの、強固な造りだそうです。

日本館中央から天井を見上げると、ステンドグラスと丸いドームが目に入ります。このような建築様式(デザイン)を、ネオ・ルネサンス様式と呼ぶそうで、この建物自体も2008年(平成20年)に重要文化財に指定されています。

ところで、日本館はいたるところに大理石が使われています。大理石は石灰岩が変性することでできるのですが、石灰岩はサンゴや貝などの海中生物の死骸などが海底に蓄積することで形成されます。というわけで、大理石は海から来ていると思いつつ目をこらしていくと、階段の手すりなどにアンモナイトの化石が埋まっているのを見つけられるので、ぜひ探してみてください。

1999年に開館した「地球館」

画像: 地球館の貨物専用大型エレベーター

地球館の貨物専用大型エレベーター

一方、1999年(平成11年)に新たに開館したのが「地球館」です。この館には多数の大きな剥製のほか、初期の大型コンピューターなどをはじめとした科学技術史資料などが展示されています。あまり目立ちませんが、各階の入り口から入って左側には貨物専用の大型エレベーターが設置されています。これは展示替えなどの際に利用されるものですが、大きい展示物も扱っているからこそというのが、よくわかります。

ところで国立科学博物館では、「重要科学技術史資料」(愛称: 未来技術遺産)という、科学技術が発達する歴史の中で重要な意義をもつもの、生活などの在り方に顕著な影響を与えたものなどを、保護すべき文化財として認定しています。そういった調査研究ができるのも、長年の積み重ねによるものです。

「特別展」は休止中

画像: 休止中の操作型展示パネル

休止中の操作型展示パネル

2020年(令和2年)6月時点では、期間を区切って開催される「特別展」は休止されています。人が集中してしまうことを避けるための措置です。

体験型のものを中心として一部展示物、エリアも休止してはいるものの、約470万点もの収蔵品を展示しきれず定期的に展示替えをしているくらいですので、おもしろさは変わりません。また、マスクは必須、インターネットで事前予約する必要があり、体温37.5度以上・せき・くしゃみ・鼻水などの症状があればもちろん入館できません。時間帯ごとに数十名程度に限定されていて、入館時には手のアルコール消毒が求められ、入館後も常に一定の距離を保つようにアナウンスが定期的に流れます。人数を保つ必要から、当面は再入館禁止となっているので、その点は注意が必要です。

地球館裏のラムダロケット用ランチャー

適切な備えをした上で訪問しよう

帰りに深川エリアにある「東京都立現代美術館」にも寄ったのですが、こちらは事前予約こそ不要なものの、アルコール消毒や距離の確保は同じように求められました。博物館・美術館は非常に楽しいところだからこそ、楽しい思い出のまま残せるように適切な備えをした上で訪問しましょう。

基本情報
国立科学博物館

上野本館

  • 住所:東京都台東区上野公園7-20
  • 公式サイト:https://www.kahaku.go.jp
  • 開館時間: 9:00〜17:00
  • 目安見学時間:2.5〜3.5時間
  • 入場料・常設展示: 一般・大学生 630円 / 高校生以下 無料

附属自然教育園

筑波実験植物園

  • 住所:茨城県つくば市天久保4-1-1
  • 公式サイト:http://www.tbg.kahaku.go.jp
  • 開館時間:9:00〜16:30
  • 入場料: 一般・大学生 320円 / 高校生以下 無料

※開館時間などについては変更になる可能性があります。必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。

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