先日も、来年の出生率が大幅に減少するというニュースが流れてきました。子どもが減る中、大学など学校はどうなっていくのでしょうか? 長年現代国語で教鞭を執ってきた出口先生いわく、これからは「知識」よりも「論理力」が問われる時代になると言います。そしてそれは、大学生だけでなく、小学生にも影響が出てくるとのこと。それはなぜでしょうか。

偏差値や合格実績が何の意味もない時代に

画像: 偏差値や合格実績が何の意味もない時代に

本格的に子どもが減る時代がやってきました。これからゼロ歳人口まで確実に減っていくのです。

現段階でも、私立大学の40数パーセントが定員割れをしています。今後本格的に子どもが減ります。その結果、数年後にはほとんどの大学が定員割れを起こしてしまうことになります。もちろん、東大や京大などは定員割れをしませんが、こちらはこちらで、国際競争に巻き込まれていきます。優秀な子どもたちは東大、京大よりも海外の大学に行くケースがどんどん増えていくでしょう。

実は、現在でも推薦入試やAO入試の名の下に、学力試験を課さずに入学させているケースが、国立でも私立でも半数近くに上っています。ほとんどの大学が定員割れを起こすのですから、大学と受験生の立場が逆転するわけです。

選抜試験というのは、大学の定員に対して、受験生が圧倒的に多いので、大学側が合格者を選ぶ制度です。ところが、これからは受験生のほうが圧倒的に少なくなるのですから、どの大学も選抜する余裕などありません、逆に、いかに早く受験生を囲い込むかに懸命となるのです。

今のお子さんが大学を受験するころには、東大をはじめとする一部の大学を除いて、ほとんどの大学が学力試験を課さずに入学させることになります。小論文、面接、高校の内申書などで総合判断するわけです。

つまり、多くの塾が売り物にしている偏差値や合格実績など、何の意味もなくなってしまうのです。

入り口を広く、出口を狭く

画像: 入り口を広く、出口を狭く

これからの大学は「入り口を広く、出口を狭く」。つまり、学力を達成すれば、誰でも入学できるけど、その代わり卒業のハードルを上げるということです。アメリカ型の大学の姿に近づいていくことになるのですが、これは学生が減ったからできることなのです。これまでは、学生のほうが多かったから、ところてん式に卒業させないと、新しい学生を入れられなかったわけです。

そうなってくると、どこそこの大学に入りましたということは意味がなくなります。誰でも入れるのですから。

卒業を厳しくするという方針は、大学の利益とも一致します。定員割れするので、4年間学費を払ってもらうよりも、8年間学費を払ってくれるほうがありがたいからです。大学に入っても4年で卒業できなくなる人が増えるでしょう。これからはどこの大学を卒業できたかどうかがポイントになってきます。

ところが、これも大きな問題があります。

大学を卒業するためには、高校までの学習とは違って、論文を読んで論文を書かなければなりません。ところが大学の先生は論文の読み方、書き方を教えられません。高校でもそれを習うことはありません。大学を卒業するためには、子どものときから論理力を身につけて、論文を読んだり書いたりする能力を獲得する必要があるのです。

知識偏重から「思考力」「判断力」「表現力」を問う問題へ

画像: 知識偏重から「思考力」「判断力」「表現力」を問う問題へ

センター試験に代わって、新テスト(全国学力共通試験)は、今までの知識偏重の問題から、知識を活用する技量、つまり、「思考力」「判断力」「表現力」を問う問題へと変わります。それは長く選抜試験制度を続けていた、明治以来の教育を根本から変えるものです。

ひと言で言えば、「詰め込み教育」から「自分の頭で考えて課題を解決する教育」への方向転換です。

最高学府である大学の入試の在り方が変わることで、ドミノ倒しのように、高校、中学、小学校の教育も変わらざるを得ません。なので、大学の入試制度の改革は、あなたのお子さんの教育とも深く関わっているのです。

もちろん、選抜試験を前提としていた塾や予備校は経営が厳しくなっていくことでしょう。推薦入試が中心となったり、大学が独自の選抜方式に切り替えることにより、模擬試験や偏差値も近いうちに意味のないものになるに違いありません。だからこそ、いち早く旧態依然の教育観から頭を切り替える必要があるのです。先生や両親、先輩たちと同じように価値観でいる限り、新しい時代にどんどん取り残されていくことになります。

まずは幼少期から詰め込み式ではなく、自分の頭で考え、自分で解決する能力を身につけることです。そのためには国語と算数の言語を身につけ、論理的に物事を考え、論理的に話し、書く技術を習得することが大切です。頭の中の情報を論理的に整理し、絶えず明晰な状態を保ちましょう。

言葉は一日でも早く、より多くのものを習得すべき

これからの時代は多くの知識を記憶していなくても、検索すればすむようになりました。ただし言葉だけは別で、早く語彙力を習得し、論理を獲得することによって、子どもたちは思考力や読解力を身につけ、表現力も同時に習得していきます。言葉だけは一日でも早く、より多くのものを習得すべきなのです。

最後に、告知を一つ。今後YouTubeチャンネル「出口汪の学びチャンネル」で、国語、現代文の講義を無料で提供しています。ぜひご登録を。

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