子育ても終盤のママライターが、ドライな視点で育児のモヤモヤをぶった切るこの企画。今回は自分の怒りをコントールする「アンガーマネジメント」を紹介します。

オススメの手帳は『アンガーマネジメント手帳』

ひゃぁー、年末ですよ年末! 書店や文具店には多様なサイズやフォーマットのスケジュール帳がこれでもかと並んでいます。スマホでなんでも管理できる時代に紙の手帳⁉︎ などと笑う人もいますけどね、私なんか業者さんからもらうカレンダーに予定メモって壁にぶら下げていますからね。テキトーな字で「半ドン」とか書き込んでいるの(これまた死語)。はーアナログ最高。

ちなみに日本で初めて時間目盛り入り手帳を生んだ日本能率協会さんによると、手帳選びのポイントは記入量と持ち歩く頻度だそう。日記や業務日誌、打合せの記録に使うのか、携帯性を重視するのか。使うシーンによって選ぶとよいとか。かわいくデコれるマスキングテープやシールも多いから、お子さんと選びにいっても楽しいかも。

シールを選ぶのがめんどくせぇ! と最近イライラ気味のあなたには、心理系の棚におもしろい手帳を見つけましたよ。その名も『アンガーマネジメント手帳』(日本アンガーマネジメント協会 監修/ミネルヴァ書房)。

アンガーマネジメントとは怒りの感情と上手につきあうための心理トレーニングのこと。この手帳は日記感覚でイラッとしたことを記録でき、自分の怒りをコントロールするテクニックやワンポイントアドバイスも紹介されていて、日ごろのイライラを見える化&管理できるすぐれもの。

子どもを必要以上にガミガミ叱ってしまう自分に嫌気がさしていたら手にとってみて。八つ当たりしてくるママ友にプレゼントしたら……また怒られるかな。はははっ。

画像: オススメの手帳は『アンガーマネジメント手帳』

アンガーマネジメントは、パワハラ予防に企業研修などにも取り入れられていて、新聞や雑誌でもよく目にするようになりました。バレッドプレスでも「イライラしない子育て」シリーズは注目度の高い記事だったりします。みんな怒りの感情に手を焼いているのだなぁ。

価値観の違いが怒りを生む

怒りはどうして生まれるのでしょうか。日本アンガーマネジメント協会理事・戸田久美さんの著書『アンガーマネジメント』(日経文庫)によると、「こうするべきだ」「こうあるべきだ」といった、自分にとって譲れない価値観、信条、信じているもの(コアビリーフ)が破られたときに怒りが生まれるといいます。

  1. なんらかの出来事を体験する
  2. その出来事にコアビリーフで意味づけをする
  3. 怒りを感じる

という流れです。たとえば、

  1. Aちゃんに挨拶したら返事がなかった
  2. 「挨拶されたら返すべきだ」と考える
  3. 返事をしないAちゃんに怒りの感情をもつ

といった具合。コアビリーフは人それぞれだから、同じ出来事を体験しても怒る人怒らない人が当然出てくるわけです。

そして怒りというのは第二次感情であり、その裏側には落胆、不安、困惑、さびしい、悲しい、といった第一次感情がひそんでいます。Aちゃんの例でいうと、返事がないことに対して落胆や困惑があり、それが怒りという態度で表に出てしまうのだとか。わかるわぁ。

私も娘の弁当に「えぇー、これやだぁ」とか難癖つけられるとキレちゃうもん。「こっちは忙しい中メシつくったんだ、ありがたく食いやがれ!」って。いや、実際はそんなお下品な言い方はしませんのよ、おほほほ。ただ夫いわく「目がコワイ」だって。

画像: 価値観の違いが怒りを生む

相手の一次感情に寄り添う

でもねでもね、自覚がある人はまだいいと思うの。「いけない、私変わらなきゃ」って、けなげじゃありませんか。

大変なのは自覚なくキレる人の怒りに巻き込まれたとき。グループLINEでも「えっ、そこ、そんなに怒るとこ?」みたいなポイントでキレちゃうママ友急増中だそうですよ。コロナ禍で出かけにくいわ、夫は家にいるわ、子どもはうるさいわでイライラがたまっているのかもしれませんが、さて、どうする?

前述した書籍『アンガーマネジメント』には巻き込まれたときの対処法も載っていました。要約すると、第一に、こちらも感情的になって言い返さないこと。こじれるだけだからね。相手の「べき」(価値観=コアビリーフ)を否定しない。できれば相手の一次感情を考えてみましょう。「この人は本当は困っているんだ」「どうしたらいいのか不安に思っているんだ」とわかれば共感もしやすく、話を聞く姿勢をとりやすくなります。そうすると相手も「気持ちをわかってくれた」と態度を柔らかくしてくれることが多いのだそう。

そういえば昔、取材の電話をかけたら「気軽に電話するな、こっちはそれどころじゃない」と怒られたことがありました。アレルギー対応食の先駆けみたいなお店だったから、さぞや言い尽くせぬ苦労話があるんだろうなと30分ばかりクレームというか愚痴に耳を傾けていたら、言いたいことを言ってスッキリしたのか「いろいろ言っちゃってごめんね」と取材OKをもらえたんです。これ、今みたいにメールだけのやりとりだったらアウトだったろうな……。

冷静に具体的にリクエストを伝える

では相手の「べき」をむりやり押しつけられたときは? 対処法のひとつは「異文化の人が言うこと」と思ってさらりと受け流すこと。

画像: 冷静に具体的にリクエストを伝える

もうひとつは事実といっしょにこちらの想いや要望を冷静に伝えること。著者の戸田さん自身も「女性は子どもがいたら出張なんかすべきじゃない」「子どもが小さいうちから働いていたら子どもがグレるよ」などと言われたそうです。こういうときに「はあ? それ男性にも言います? 言わないですよね?」とか「ププ。3歳児神話かよ」などと、ケンカ腰になったり冷笑したりしてはいけません。

戸田さんは関わりの薄い人から言われたときは「そう考える人もいますよね」と軽やかにスルー。ある程度関係性の深い人の場合は「家族の同意のもとで判断していることなので、これ以上言わないでほしい」とはっきり(かつ冷静に)伝えたそう。

相手の怒りをコントロールしようと思わず、ネガティブな感情は相手のものだと割り切って引っ張られない。こちらが困っていることへの対処を冷静に具体的にリクエストする。こういった姿勢が大切なんですね。前回前々回でも紹介したように、心理的な距離をとって、主語を相手に置き換えて考えてみるのもよさそうです。

怒りは必要な感情なれど

もちろん、怒りがすべて悪いわけではなく、自分たちの権利や心身の安全・安心を守るために必要な感情ではあるんですよ。「地域の医療を守れ!」とか「わいせつ教師に教員免許を再交付するな!」とか訴えることはとても大切。問題なのは、周囲をふりまわし人間関係に悪影響を及ぼすような怒りの表現についてなので、そこんとこお間違えなく。理不尽なことには怒ってもいいんですよ。ただし建設的な行動につなげましょうねってことなんです。

画像: 怒りは必要な感情なれど

『アンガーマネジメント』は文庫で読みやすく、お値段的にも手にとりやすいのだけど、もうちょっと軽いのがいいなあと思う人には『怒っている人図鑑』(安藤俊介 著/飛鳥新社)もオススメ。コロナ時代の怒っている人を徹底分析して、巻き込まれない、巻き込まないためのテクニックを伝授しています。

イラストも大きくて見やすいし、1見開きに1事例ずつ対処法をシミュレーションしていてわかりやすいですよ。「既読スルーに怒る人」「マウンティングしてきて怒る人」とか、「ああ、あるある!」と共感しながら読めるはず。自分や周囲の怒りと上手につきあって、LOVE&PEACEな子育てを楽しみたいものですね。

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