この連載、いつもは私イズミダが“兼業主夫“の目線から感じたことを中心に書いておりますが、今回は私の妻のことについて書こうと思っています。しかもどういう話かというと「私の妻がとてもすごい」という話をしようと思うんです。

寝坊夫と早起き妻

冒頭でいきなり告白しますが、実は私、大変恥ずかしながら、朝がとても苦手です。幼少期からずっとそうなのですが、朝起きれない、辛うじて起きれても、体が動かず布団から出られない、そしてそのまま気を失う(二度寝)、という非常によろしくない体質でして……。

もちろんこの体質、人生を生きていく上で非常にデメリットだらけで、今まで幾度となく古今東西ありとあらゆる解決法を試みてはきたのですが、残念ながら、今に至るまで確固たる効果が得られた方法はありませんでした。

年齢が上がるにつれて、昔よりは多少マシにはなってはきましたが、いまだにスッキリとした朝を迎えることは稀だったりします。

画像: 寝坊夫と早起き妻

そんなわけで現在娘の朝のお世話全般(朝ごはん〜着替え〜登園準備〜登園)を担当してはいるものの、大変申し訳ないことに、寝坊してしまう日もそれなりの頻度で発生しています。

そんなとき、私の妻はというと、私が起きるまで娘のお世話を代わりにやってくれているのです。何も言わずに。

みなさん想像してほしいのですが、家庭内でも仕事でも、自分の担当外のタスクを突然やらざるを得なくなったらどう思いますか?しかも相手の寝坊が原因で。普通に怒ると思いますし、なんなら小言の一言や二言くらい言うでしょう。

ところが彼女は、私の代わりに対応することにとくに不満もないし、なんなら“やって当然のこと“くらいに思っているらしいんですね。

元々私と違って彼女は朝が得意な体質だからというのもありはしますが、とはいえ、普通怒って当然のことを平然とこなしてくれていることに非常に感謝していますし、いち人間としても心の寛大さに尊敬の念を覚えます。

逆に彼女は夜がすこぶる苦手で、一度寝るとちょっとやそっとの刺激では起きないので、子どもの夜泣き対応などは、夜が得意な私がほとんどやっています。持ちつ持たれつってやつですね。

遊軍化のススメ

我が家の家事分担事情なんですが、平日は大体7:3くらいの割合で、私が多く担当しています。なので割合だけ見ると私のほうが多く寄与しているように見えるのですが、その実、妻が担当している3割というのが、非常に効果的に機能しておりまして。

先ほど書いたような私が苦手なことへの対応だったり、抜け落ちてしまっていることへの対処だったり、そういった「かゆいところに手を届かす」ような役割を担ってくれているんですね。

おかげで、割とポンコツ人間な私でも、なんとか仕事と家事育児を両立しながら生活できているのです。

さて私の妻のように、「主たる担当はないが、誰も手をつけない箇所や抜け落ちてしまっているところに手をつける役割」のことを「遊軍的な役回り」と呼んだりするようです。

ゆう‐ぐん〔イウ‐〕【遊軍】
1 戦列の外にあっていつでも出動できるように待機している軍隊。遊撃隊。
2 決まった任務につかず、必要に応じて活動できるよう待機している人。「遊軍記者」

チームにこの遊軍ポジションの人がいると、臨機応変に対応できるため、急な状況変化に強くなったり、ちょっとしたトラブルくらいで進行が止まってしまうことがなくなるため、チーム全体の推進力が向上したりします。

画像: 遊軍化のススメ

また、構成メンバー全員が遊軍ポジションというチームを作るのも、変化の大きいプロジェクトに取り組む際には有効です。実は冒頭で妻のことのみを書きましたが、我が家では私も同様の動きをしていて、お互いに「遊軍」的に支えあっていたりします。

たとえば、先ほど我が家の家事分担は7:3と書きましたが、実際のところ具体的な分担割振りが決まっているわけではありません。朝夕の娘のお世話については基本的に私が担当することになってはいますが、それ以外の家事については、とくに誰がやるかは決まっておらず、「気づいたほうがやる」という運用にしています。

なぜかというと、私も妻も一通りの家事育児を1人でこなせるので、この運用のほうがフレキシブルに動けるんですね。

たとえば「急に出張が入っちゃった!」というようなときに、もう片方がフォローに入ることがお互いに可能で、そういった一見あやふやな分担分けのほうが、逆に仕事やプライベートの予定を流動的に組みやすいんです。

よく「夫婦で家事タスクをすべて書き出して役割分担を決めたほうがいい」というようなネット記事を見かけることがあるのですが、過度に役割分担を決めてしまうと「これはあなたが担当なんだから、自分でなんとかしなさいよ」というように、悪い意味で職責意識が出てしまい、柔軟性の低いチームになってしまう懸念があるなと思い、我が家では意図的に避けるようにしています。

Twitter: @tokoroten tweet

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このツイートの「若い組織」にあるように、広い範囲を「自分の仕事である」とそれぞれが考えるようになるためには、「遊軍化」をするのもひとつの手だと思っています。

遊軍になるためのマインドセット

我が家の遊軍化はわりとうまくいっているなと感じているのですが、その背景には、たぶん家事育児に対する考え方や取り組み方が、以下のような形で夫婦間で共有されているからだと思っています。

広く浅く。完璧を目指さない

夫婦それぞれがすべての家事育児をこなせる体制をつくりながら、かつそれぞれ仕事をのっているという状況で、すべてを完璧にこなすことを目指すと疲弊してしまいます。

そのため我が家では安全や衛生に関わること以外は「完璧を目指さない」「すべてそれなりにできていればOK」という共通認識ができています。完璧に家事育児をこなすことより、日常がとりあえずまわることを優先する感じです。

また「それなり」レベルを簡単に実現するための仕組みを積極的に導入し、お互いの負担を下げるよう心がけています。(たとえば洗濯乾燥機を導入するなど)

タスクの公平さではなく、チャンスの公平さに目を向ける

夫婦間での不公平さを解消しようとするとき、先ほどネット記事を例に出したように「タスクが公平に分配されている」状態を目指してしまいがちです。これは先ほど述べたように、悪い意味で職責意識が働いてしまい、あまり望ましくないと考えています。

ではどんな形で不公平さを解消するかというと、「チャンス」が公平になることを目指します。

たとえば「会社帰りにデパートに買い物に行きたい」や「夜、知り合いと飲みに行きたい」など、お互いがそれぞれの希望をかなえられるチャンスのほうに目を向けて、その機会が公平に訪れるように考えます。

タイミングによっては、どちらかが多く家事育児を担当することになってしまう場合もありますが、それでも「次は自分が自由に時間を使えるぞ」と考えると、そこまで嫌な気持ちにはならないものです。

お互いの現状を把握しておく

遊軍のようにうまいこと相手のフォローに入るためには、相手の予定や家事の状況を日々把握しておくことがキモです。

予定などはGoogleカレンダーやTimeTreeなどのアプリで、お互いに共有しておくことが大事です。とくに我が家では、コロナ過以降、在宅や出社、出張など、夫婦ともども、さまざまな勤務形態が日々入り混じりながら仕事をする、かなり複雑な予定状況になってしまっているので、かなり細かいレベルまでブレイクダウンして共有し、お互いにいつどこでなにをしているのか把握できるよう努めています。

また、食材の買い出しなど必要なものをお互いに確認できるように、食材切れに気づいたら Google Home に「買い物メモ 牛乳!」と話しかけると、夫婦で使用しているチャットアプリにメモが飛ぶようにするなど、予定以外の情報も極力共有できるようにしています。

その他、以前の記事で書いた「雑談タイム」を導入して、もっと漠然として明文化しづらい内容(たとえば体調や悩みごとなど)も吸い上げることができるように工夫しています。

さて今回は、あえてお互いの職責を決めすぎずにお互いにフォローしあう関係にすることで、夫婦がフレキシブルなチームとして機能していく方法もあるよ、というお話でした。

コロナの影響で、働き方に急激な変化が訪れている昨今、家事育児の在り方にもよりいっそう柔軟性が求められているような気がしています。どんな荒波が来ても乗りこなす、そんな柔軟な家庭を目指したいですね。

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