ワクチン接種が段階的に始まって、日常が戻るきざしが見えてきました。“ホンモノ”を見聞きする体験はオンラインコンテンツだけでは代替できないものですので、博物館好きにとっては気兼ねなく見学しに行けるようになるのが楽しみでなりません。
そこで今回は、年間数十館の博物館・資料館・史跡などを巡っている他、文化庁メディア芸術祭では出展者になった経験から、博物館めぐりをより楽しんでいただく方法をご紹介します。

どうやって探すか

画像: 第12回 仙台市天文台

第12回 仙台市天文台

日本では博物館法という法律で博物館が定義されていますが、この法律に基づく登録をしている施設(登録博物館)の他、博物館相当施設、博物館類似施設に分類されるものがあります。2018年度(平成30年度)の政府統計によると、国内にはこれら合わせて1,286館ありますが、分類にかかわらず、名称に必ずしも「博物館」と入っているわけではありません。

第12回で紹介した「仙台市天文台」のような展示の有無がわかりにくい名称・愛称を用いているところもあります。そこで、インターネット検索で探す場合には地名と「博物館」「資料館」「科学館」といったキーワードを組み合わせるのがオススメです。

画像: 第18回 箱根ジオミュージアム

第18回 箱根ジオミュージアム

第18回でご紹介した「箱根ジオミュージアム」のようにジオパークといった周辺の環境とも関連している場合には、周辺にも関連する博物館や資料館があることが多いのもヒントになります。

筆者のサイトでは訪問した博物館を地域別に検索できますので、そちらもご利用ください。

いつ行くか

画像: 第3回 『工事中!』〜立入禁止!?重機の現場〜

第3回 『工事中!』〜立入禁止!?重機の現場〜

この連載では、いつ行っても見れる「常設展」を中心にご紹介しました。常設展とは言っても、第15回「国立科学博物館」のように収蔵品から展示の入れ替えをすることもありますので、少し間を空けて訪問すれば何度も楽しむことができます。

また、第3回でご紹介した「『工事中!』〜立入禁止!?重機の現場〜」のように数週間や数ヶ月の期間限定で開催される「企画展」もあります。企画展は会期が終わりに近づくに連れて混み合いますので、なるべく早い時期に行ってゆったり見るのがおすすめです。大規模な企画展では同じ展示内容で全国の博物館をまわる「巡回展」として開催される場合があります。近くではやっていない場合でも、巡回展が開催されないかも確認してみてください。

画像: 第19回 JAXA(2014年の筑波宇宙センター特別公開時に撮影)

第19回 JAXA(2014年の筑波宇宙センター特別公開時に撮影)

これ以外にも、毎年4月の科学技術週間のほか、夏や秋などに公営の研究所の特別公開が実施されます。こちらは「特別公開」と「研究所」というキーワードでインターネット検索してみてください。

いずれの場合も、しばらくは入館予約が必要になる可能性がありますので、あらかじめ各館のホームページなどを確認の上、ご訪問ください。

チケット

画像: 第15回 国立科学博物館

第15回 国立科学博物館

館によっては友の会に入ると1年間入場し放題になる優待制度があります。2回分と同じ料金になっていることが多いので、近くに館や気に入った館であれば入会するのがおすすめです。友の会へ入会すると博物館運営をサポートすることにもなります。

東京近郊にお住まいであれば、複数館の入場券・割引券が1冊にまとまった「東京・ミュージアム ぐるっとパス」が大変お得です。お住まいの地域にもあるかもしれませんので、ご確認ください。

画像: 第5回カリフォルニア科学アカデミー

第5回カリフォルニア科学アカデミー

また、学生の方が海外に行かれる際には国際学生証を取得すると、学生割引・無料入場がスムーズに受けられます。社会人学生も利用できるので、海外出張の空き時間にめぐるのに利用しました。

楽しく見学するには

画像: 第11回 シンガポールの博物館

第11回 シンガポールの博物館

見学をする際は他の人や展示品に手荷物をぶつけないように、ロッカーに預けることが推奨されます。国内の館のロッカーは預ける時に100円玉を入れて、取り出す際に戻ってくる実質無料のものがほとんどですので積極的に利用しましょう。混雑していて利用できない際は、リュックサックであれば前にかかえてください。筆者は容易に前に持てるスリングバッグを使っています。

最近では、美術館でも写真撮影できることが増えて来ました。とはいえ、大きなカメラは前述のように展示品にぶつけて傷めるおそれなどあるので、スマートフォンを活用しましょう。とはいえ、撮影ばかりしているとホンモノの印象を焼き付けることができないので、どうしてもという何枚かだけにして図録にまかせるのがおすすめです。また、SNSなどに写真を投稿する際は他の見学者の顔が入らないように注意しましょう。

画像: 第17回 がすてなーに(ガスの科学館)

第17回 がすてなーに(ガスの科学館)

科学館では、サイエンスコミュニケーターと呼ばれる科学専門の学芸員の方がいらっしゃる場合があります。展示に関する疑問や、体験型展示で使い方がわからないなど、ささいなことでも遠慮なく質問してみましょう。企画展では作品を制作された方が待機している場合もありますので、そういった場合もぜひ積極的に質問してみてください。

文化庁メディア芸術祭や、その巡回展では展示側として控えていましたが、関心を持ってもらえることがうれしいだけでなく、新しい視点をもらうことで、次のアイデアにつながる刺激の場でもありました。そういったことからも、展示に関わっている方への質問はとても喜ばれます。

今回で最終回

画像: 第9回 コンピュータ歴史博物館

第9回 コンピュータ歴史博物館

2018年12月から始まったこの連載も、20回目となった今回で最終回となりました。科学館や科学について興味をもってもらい、さらに行ってみたい、科学について調べてみたいと思っていただけたらうれしいです。博物館を紹介する活動は継続していきますので、またどこかでお会いしましょう。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.