ジェンダーについて、お子さんと話し合ったことはありますか?自分自身も知らない面があり、なんとなく話題として避けている、表面的な話しかしたことがない、そんなご家庭が多いかもしれません。そこで、SDGsの目標のひとつ「#5ジェンダー平等を実現しよう」をベースに、ジェンダーのあり方を考えていきます。今回は、「ジェンダーとはなにか」。そもそもジェンダーとは?というところから、子どもをとりまくジェンダーについて、Webライターをしながら小学生と幼稚園児の息子2人を育てている、私の体験を踏まえて紹介します。

【ジェンダーとは】最近耳にする機会が増えたワード。子どもに聞かれたらどう答える?

画像: 【ジェンダーとは】最近耳にする機会が増えたワード。子どもに聞かれたらどう答える?

オリンピックの開催を目前に、日本のオリンピック組織委員会の会長が再選出されたことは記憶に新しいでしょう。会長選出にあたり重要とされた項目内に、ジェンダー平等という言葉があがり、我が家では6才になる長男から「ジェンダーってなに?」と尋ねられ、母親として「どう答えよう?」と悩んでしまいました。

UN Women日本事務所のホームページによると、“ジェンダーとは、男性・女性であることに基づき定められた社会的属性や機会、女性と男性、女児と男児の間における関係性、さらに女性間、男性間における相互関係”(※1)と書かれています。筆者は、この文を自分なりに理解し、6才の長男に理解できるように「男ならこう、女ならこう、と社会や文化によって作られたイメージ」と伝えました。

ジェンダーという言葉は、SDGsの中にも登場し、私たち一人一人に関わる言葉だと著者は考えます。それは、ジェンダーによる不平等が存在するからです。

※1 UN Women日本事務所 “ジェンダーとは?” UN Women日本事務所ホームページ 2018.(参照2021-02-26)

【SDGs#5ジェンダー平等を実現しよう】について考えよう

世界の持続可能な開発のための目標SDGsには、「ジェンダー平等を実現しよう」という項目があります。世界に目を向けると、教育や社会進出の機会の差、児童婚や貧困など、ジェンダー格差が根強く残っている地域があるのが現状です。

日本も例外ではありません。社会での活躍、こと政治面においては、女性の政治家はまだまだ割合として低いのが特徴的です。男女平等の度合いを示す指標として、政治・経済・教育・健康の分野をスコア化し、総合スコアをもとに男女の違いを比べた「ジェンダーギャップ指数」(※2)というものがあります。日本は政治・経済の分野でのスコアが低く、2020年の国別ランキングでは149か国中121位。G7の中で最下位という結果です。

この結果からも、先進国ながら、ジェンダーの不平等により女性の社会での活躍が阻まれている可能性があることがわかります。一方、教育や健康の分野についてはジェンダーの差は大きくないと言えます。(※3)。

内閣府の男女共同参画白書平成令和2年版(※4)によると、令和元年の女性の就業率は70.9%で、ここ20年間の就業率の上昇幅は10%以上。女性は家で子育てをすべきだ、男性は家事より外に出て仕事をすべきだ、といった考え方が時代とともに変化してきていることがわかります。しかし、女性だから活躍の場が制限される、男性だから家庭を理由に休暇をとりづらい(※5)、といった不都合は日本ではいまだに残っているのです。

※2  男女共同参画局 “「共同参画」2020年3・4月号” 内閣府 2020.(参照2021-02-26)
※3 世界経済フォーラム “ Global Gender Gap Report 2020” 世界経済フォーラムホームページ 2019.(参照2021-02-26)
※4 男女共同参画局 “I-2-1図 就業者数及び就業率の推移” 内閣府(参照2021-02-26)
※5 内閣府 “第2回会議資料 令和2年 会議結果- 経済財政諮問会議:資料8女性活躍の加速に向け(橋本臨時議員提出資料)” 内閣府 2020-03.(参照2021-02-26)

ジェンダーで子どもの選択を曲げていいの?心の声を無視しないで

画像: ジェンダーで子どもの選択を曲げていいの?心の声を無視しないで

ここで一度、子どもとの関わり方に目を向けてみましょう。私は、子どもが物事を選択する際に、性別に合わせて無意識に答えを誘導してしまうケースがあるのではないかと感じました。「あなたは男の子だからピンクではなく青いTシャツのほうがいいんじゃない?」「女の子だから花柄にしたら?」など、無意識の声かけがこれにあたると考えます。

私は息子に、洋服の色を選ぶ際に「男の子だからカッコイイ色にしたら?」と諭し、後日、別の場面で息子が黄色を選んだ友達に同じことを伝えていて、ハッとした経験があります。息子に「男の子だからこの色」と性別で服の色を判断させてしまったことで、息子にもその考え方が自然と身につき、性別を理由に友達の意見を曲げようしていたのです。

男の子だから、女の子だから、という物言いで選択を促すと、「男の子だからこれを選ぶべきだ」「女の子だからこう行動すべきだ」といった固定観念を植え付けるきっかけとなってしまったかもしれません。

まさにジェンダー概念を植え付けそうになってしまった、この一連の出来事を期に、子どもの「本当はこうしたい」という声に耳を傾けることが大切なのでは、と考えるようになりました。

ジェンダーについて子どもと話し合うなら【私の身近な体験談から】

画像: ジェンダーについて子どもと話し合うなら【私の身近な体験談から】

世の中にジェンダー問題があることを、子どもと話し合う機会を作ってみてはいかがでしょうか。男女の性別学的な差異をもとにジェンダーという考え方が存在する、ジェンダーを理由に本人の意思とは異なる決断をさせる、差別がある、社会の場で活躍が制限されるケースがある、それらをまず知ることが、SDGsの項目にもあるジェンダー平等に向けて、身近からできる第一歩と筆者は考えます。

もしも「ジェンダーってなに?」と子どもから聞かれたら、意見を膨らませてディスカッションをするチャンスです。我が家では、シンプルに「男らしさ」「女らしさ」について考えや意見を交換することから始めました。

「女性だから会社で来客時にお茶係をしていたことがある」「男性だからという理由で育児休暇を申請しにくかった」など、性別を理由に役割を与えられ不都合を感じた経験がある方は、そういったエピソードをまじえて考えを深めていくのもよいかもしれません。

お子さんとジェンダーについて意見交換をするゴールとしては、「男だから」「女だから」と物事を性別の型にはめるのではなく、個人としての意思を尊重することが大切であることを伝えられるとよいのではないでしょうか。

東京都男女平等参画審議会委員を務め、ジェンダーに詳しいジャーナリストの治部れんげさんも、家庭ではお子さんに「男の子だから」「女の子だから」といわず、個として認め、型にはめないことを大事(※6)にしているそうです。

世界や社会は少しずつジェンダー平等に向け前進中です。日本でも、内閣府が男女共同参画社会の実現に向け、さまざまな制度を整えています。たとえば、産前産後休暇や育児休暇、生理休暇は男女が平等に社会で活躍できるよう配慮されているからこそ存在する制度といえるでしょう。

また、ジェンダー平等に向け、考え方や物も進化しています。生理など女性の健康課題をテクノロジーでサポートするフェムテックの発展もそのひとつです。子どもとの話し合いをきっかけに、私自身ジェンダーについての理解を深めることができたと実感しています。

※6 朝日新聞 “「女の子だから」と言わない子育て 男女平等は家庭内から 治部れんげさん 女の子の翼を折らない教育を” 朝日新聞EduA 2020-03.(参照2021-02-26)

ジェンダーへの理解を深めることがジェンダー平等への第一歩

画像: ジェンダーへの理解を深めることがジェンダー平等への第一歩

我が家では前項の洋服の色選びの件の後、息子と男らしい色より自分らしい色を選ぶことの大切さを話し合いました。「今後どんな色を選んでもいい」と伝えたときに、息子の目が輝いて見えたような気がします。子どもの選択や行動を、ジェンダーを理由に制限してしまうことのないよう、日々の暮らしから意識していきたいと感じました。

ジェンダーとは、社会的に形成された性別という意味で使われます。ジェンダーによる不平等が存在する中、「自分はこうしたい」という思いを自由に叶えられる社会の実現に向けて、我が家ではより子どもとジェンダーについて話し合いの場をもつことにしました。皆さんの家庭でも子どもと話し合いの場をもつことから始めてみてはいかがでしょうか。

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