令和7年度より大学共通テストに「情報」が入ります。また2020年4月から、女子大学初の工学部が誕生します。それは何を意味するのでしょうか。日本メディアリテラシー協会理事長の寺島絵里花氏がひもときます。

令和7年度から大学共通テストに「情報」が登場

今年の春に独立行政法人大学共通テストセンターより、平成30年告示高等学校学習指導要領に対応した令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目について、情報科のサンプル問題が発表されました。

国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語の6教科に、新たに教科「情報」が追加され、現行の6教科30科目が7教科21科目に再編されます。以前から検討されていたCBT方式(コンピューターなどで実施する試験)は見送ることとありました。国公立以外の私立大学は、英語などの資格試験が規定の基準を満たしていると英語試験が免除される仕組みも取り入れられています。

さて、私たち大人が、誰も経験したことがない必修授業に加えて、受験したことがない新しい学問を子どもたちは経験することになります。今回発表されたサンプル問題は前提としてまだ教科書がないので、教科書との適合性がないことや、試験時間を設定されていない点、過去の大学共通テストのような点検がないため、これからより詳細が決まっていく初期段階ではありますが、子をもつ母としても、また次世代教育に携わるすべての人にとっても、知っておくといいと思いました。

「情報」と「情報I」

画像: 「情報」と「情報I」

「情報」が始まる受験時期は4年後からなので、2021年4月現在中学2年生以下で日本の大学入試を考えているのであれば、しっかりと事前に知っておくといいかもしれません。教職員の方々でも、まだ知らない方も多いので、ぜひサンプル問題などを見てもらえたらと思います。

サンプル問題の内容としては、読解と中心とした情報科以外の要素も必要で、比例代表選挙の議席配分方法をプログラミングで検討したり、サッカーのワールドカップ(W杯)に関するデータを分析したりする内容が盛り込まれています。画像処理からプログラミング、そして情報モラルまで幅広く出題されていました。

そもそも、日本では「情報」は2003年から高校で必修となりました。そのため、40代以降の保護者や教職員の皆様は、情報の授業を受けたことがありません。2013年からは現行の指導要領でしたが、プログラミングを含む科目を履修しているのは2割にとどまっていました。

しかし、2020年からは「情報I」が必修となり、すべての高校生がプログラミングやデータ活用を学ぶことになりますが、専任の教員が少なすぎるのが、とくに地方などで問題となっています。全国の公立小学校や中学校も一人一台タブレット学習が始まり、すでに自治体では活用している学校も増えてきていますが、成長していく段階で子どもたちはどのようなことを学んでいくのでしょうか。

高校の「情報I」では主に4つの柱があります。

  1. 情報社会の問題解決
  2. コミュニケーションと問題解決
  3. コンピューターとプログラミング
  4. 情報通信ネットワークとデータの活用

になります。

プログラミングができていればいいわけではありません。昨今、経済格差は教育格差とも言われていますが、情報をどう取捨選択していくのか今一度考える必要がありますね。また2020年から、情報のテスト対策として各予備校も、専門的に講習など一気に新設されそうですね。

性別によるバイアスをはずそう

画像: 性別によるバイアスをはずそう

2020年の大きな教育ニュースとして4月には、国立奈良女子大学が国内の女子大学では史上初の工学部設置となりました。理系に進む女性は諸外国と比べ、圧倒的に遅れており、日本では全体の1割程度です。それゆえ、女性のIT人材育成が難しく、人材不足が増加しています。

当然、社会に出た後のキャリアパスに不安があれば、そういった工学部に進む女性の学生も増えてはいきません。また親として、私たちがぼんやりと、無意識に性別によって選択する科目を分けてしまっていることもあるかもしれません。ゲーム機やコンピューターは男の子がほしいといえば、買って与えることはあっても女の子が同じことを言うと、そんなことよりも手伝いしてほしいなど言われたことがある方もいるかもしれません。

さらに身近な例だと、女の子なら、ぬいぐるみ。男の子なら電車をプレゼントするような感覚です。産まれる前から、性別がわかると、男の子だと水色。女の子だとピンク色の肌着を無意識に手に取っていませんか。プレセントを選ぶときもどうでしょうか。

親自身のバイアスがかかった見方があると、子どもが産まれる前からすでにジェンダーに関する固定概念をもっていて、無意識に女性のためのもの/男性のためのものといった考えがあるのかもしれません。実は、こういった男女平等もメディアリテラシー教育としてとても大切な議題でもあるのです。

【参考文献:平成 30 年告示高等学校学習指導要領に対応した令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目

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