STEMの授業で習ったことと身の回りの課題をつなぐには?【幼稚園生から6年生までがSTEMに夢中】

授業で習う内容と身の回りの課題をつなぐためには、どうすればいいでしょうか。今、正解が一つとは限らない問い、すなわち「オープンエンド型の課題」が注目されています。

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子どもたちのためにSTEMプログラムを創設

ミシェル・ヴェルホとグレイス・サンヴィクトルは、自分たちの学校「ハドソン・モンテッソーリ・スクール」で、子どもたちが科目の垣根を越えて身の回りの生活とつながりをもち、のびのびと活動に参加できることに重点をおいたSTEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics)プログラムを創設しました。

二人は一緒に学校のSTEMプログラムをゼロからつくりました。最初は少ししか用意していませんでしたが、子どもたちのニーズに応じていろいろ追加していきました。彼女たちが目指したのは、幼稚園生から6年生までのすべての学年に、「STEMラボ」のサービスを提供することです。とくに重視した点は、ハンズオン・ラボ(手を動かす実験)とテクノロジーを学校全体の科目に応用し、プロジェクト型の学習を推奨することでした。

コミュニティで発表することで自信をつける

学校では生徒たちに、課題やプロジェクトを校内あるいは校外でのコミュニティで発表することを推進しています。これは習ったことを理解したという自信をつけるためです。毎週月曜のアクティビティである「メイカー・マンデー」を通じて、学生たちは自信をもって仲間たちに経験したことをプレゼンします。「音楽をつくる」「ロボットをつくる」「テクノロジーを使って誰かを幸せにする装置をつくる」など、トピックは多岐にわたります。メイカー・マンデーで学生たちが作品をつくったりプレゼンを作成するために、STEMラボは常に開かれています。

littleBitsを使った実験

10年目を迎え、スクールディレクター兼創立者のグレイシー・ジョリーとジーナ・リーブスは、教室内にSTEMを統合し、学生たちに新しい学びの機会を提供しています。ミシェルとグレイスは学生たちに役に立ちそうなコンテンツを常に探求しています。そして約5年前に、STEMツールの実験のために校内にlittleBitsを導入しました。

littleBitsの研修に参加した後、二人とも夢中になり、その後何年もlittleBitsとの関わりを深めています。学生たちがlittleBitsを使いはじめると、まずはlittleBitsの磁気、回路、他の役割などがどのように組み合わさっているのかを実験し、科学的原理の視点から各モジュールを解説します。そしてそれを生徒がコンピューターのようにインプットし、解決できる課題をアウトプットできるように分析します。

オープンエンド型のデザイン課題を提供

ノートパソコン、iPad、Ozobot(プログラミング教育ロボット)、Makey-Makey(入力インターフェイス)、そしてもちろんlittleBitsを使うことができるSTEMラボは、学生たちにとっては宝庫のような存在です。もちろん、「コーディング倶楽部」「エンジニアリング倶楽部」「Girls Who Code」のような放課後活動においてもこれらのツールを使えます。

しかし学生たちにはまだ飽き足りません。一つのユニットでは、littleBits Droid Inventor Kit を使ってコンピューテーショナル思考(計算思考)を探求していました。ミシェルとグレイスは、学生たちがドロイドの動きを一つずつ落とし込んで、まるでコンピューターサイエンティストのように考えるように推奨しています。

「私たちは常に学生たちにオープンエンド型のデザイン課題(正解が一つとは限らない問い)を提供し、デザインコンセプトを探求するように奨励しています」と、ミシェルは述べています。「たとえば、リサイクル素材とテクノロジーを融合してチームで課題に取り組み発表する、というような課題です。このような課題だと、学生たちは左脳だけでなく右脳も使って取り組みます。そして学習に対するサポートにもなり、そして自信を感じることもできるでしょう」

ハドソン・モンテッソーリ・スクールでは、約100名の学生たちがラボを行き来しているため、スペースが非常に限られます。ミシェルとグレイスは常に整理整頓を心がける必要があります。ラボで使用したツールを教室内に運ぶ場合があり、littleBitsなどの持ち運び可能なテックツールはうまく適応しています。

「ここでのアイデアは、少しの基本的なツールや材料があれば、先生方はたくさんのレッスンできるということです」と、グレイスは述べています。「littleBitsはレッスンでいろいろな用途に使えます。いつも先生方には、Bitsの入れ物を用意したら後はうまくいきますよと助言しています」

ミシェルとグレイスは、コミュニティから常に必要とされ、メイカーのマインドセットとベストなヒントを次のように述べています。

「まずは問題を定義するプロセスと解決方法について順を追って説明します。littleBitsはソリューションを実現するための貴重なツール。プロセスを追うことで、学生たちは分析し改善できます」ーミシェル・ヴェルホ

「私たちの目標は、先生方に可能性を示すことであり、littleBitsはそのためのツールとして大変役立っています。指導が難しいときも、littleBits製品のシンプルなカラーコードや使い方は、先生と学生双方が素早く機能や仕組みを学ぶためのとてもいいツールです」ーグレイス・サンヴィクトル

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