プログラマーの学歴は不要?学歴なしでプログラマーになるためのコツは?

世界中でデジタル化が進むにつれて、プログラマーのニーズは日々高まっています。慢性的なプログラマー不足に悩む企業は頻繁に求人広告を出していますが、実際のところ人材確保にはかなり苦戦しています。最近では「学歴不問・未経験歓迎」のプログラマーを募集する求人が目立つようになりました。今回は、プログラマーと学歴の関係性を解説し、学歴不問でプログラマーになるコツも説明します。

プログラマーには学歴が不要といわれる理由

国内企業の多くが慢性的なプログラマー不足で悩んでいるためです。実際、就職・転職媒体に掲載される求人広告では好条件の募集を頻繁に見るようになりました。そして、売り手優位の就職市場では人材確保のために「学歴不問・未経験歓迎」をアピールする求人が増えています。また、求人を見る限り、プログラマーには学歴を求めない企業も多いことが分かります。

プログラマーの求人に【学歴不問・未経験歓迎】が多い理由

人材不足を背景として学歴にかかわらず採用する方向に企業が舵を切り、育成の仕組みを整えていることが理由です。

冒頭でも述べた通り、日々拡大するIT産業では働き手の中心となるエンジニアが慢性的に不足しています。さらに、ほとんどのIT産業企業がIT部署を設ける傾向にあり、プログラマーのニーズは急上昇しています。

  • コンピュータシステムをベースとした製造用ソフトウェアや通信端末用アプリケーションの開発。
  • 人工知能・ロボットに作業をさせるプログラムの作成。
  • システムが設計した通りに動作するテストやバグの修正

上記のように、IT系プログラマーが活躍できる職場はたくさんあります。

その半面、プログラマーの絶対数は少ないままです。IT系プログラマーは比較的に若い世代に人気のある職種ですが、少子高齢化が顕著な日本社会では人材確保がままなりません。中高年の方もプログラマーを目指していますが、慢性的な人材不足を埋めるには程遠い状況です。

これはIPA(独立行政法人情報処理推進機構)のデータからも明確です。IPAが公表している『IT人材白書2020』によると、IT業界や企業内のIT部署では全体の3割前後で人材不足になっています。「やや不足している」と回答した企業を含めれば、ほぼすべての企業が人材不足に瀕していることになります。2030年には79万人の不足が出ると予測され、今後もプログラマー不足は深刻な問題です。

そこで企業では、学歴を問わずに実力のある人材を雇う手段へ切り替えました。大手企業には学歴にこだわるところもありますが、実力次第で採用する企業が増えていることは確かです。また、将来の戦力確保として、未経験者の採用にも積極的です。プログラマー志願者を確保して、じっくり社内で育成する努力もなされています。

出典:IPA『IT人材白書2020』  

そもそもプログラマーとは

プログラマーは他職種と比べて魅力と将来性がある職業で、最近はプログラマーを希望する人が増えています。ただし、プログラマーについてよく知らずに採用試験を受けようとしてはいけません。あらかじめプログラマーの仕事内容や収入、役立つ資格・試験について確認しておきましょう。

プログラマーの仕事内容や種類

プログラマーの仕事内容はシステムやアプリケーションの開発です。IT革命までは、金融の取引プログラム・ATMのベンダープログラム・物流の仕分け作業プログラムなど大掛かりなシステム開発で活躍しました。そして、すべての業界でIT化が進むと、あらゆる商品・サービスにコンピュータプログラムが活用され始めます。よって、コンピュータプログラムを扱う企業ではプログラマーが必要とされるでしょう。

プログラマーの職場はさまざまにありますが、主に次の6つに分類されます。

  1. Webプログラマー:Web上のユーザー向けやサーバー向けのプログラムを担当
  2. アプリケーションプログラマー:PC・スマートフォン・タブレット向けのアプリ開発
  3. ゲームプログラマー:デジタルゲーム開発
  4. 組み込みシステムのプログラマー:電子機器や家電、機械のプログラムを作成
  5. 通信系プログラマー:ネットワーク系のプログラム開発・管理
  6. 汎用系プログラマー:金融・物流・行政など大掛かりなシステム開発・管理

分野や担当する作業内容により、習得すべきプログラム言語が異なることを注意しましょう。また、プログラミングの面白さややりがいも変わります。自分がどのようなプログラマーになりたいか決めてから応募することをおすすめします。

プログラマーの年収や給与

専門的な職業なので年収が高めだと思われがちですが、実情は少し違います。厚労省の令和元年・賃金構造基本統計調査によると、全職種の平均年収が487.3万円。プログラマーの平均年収は442.4[1] 万円と平均より40万円も低い金額です。ちなみにSE(システムエンジニア)は584.2万円と、かなり差があることを知っておきましょう。

プログラマーに必要な試験・資格

プログラマーは資格がなくても就職できます。フリーランスで依頼を受けることも無資格でも問題ありません。ただし、雇用側や依頼主にとって、実力の目安となる資格取得や試験合格はアピールポイントです。

スキル証明のアイテムとして、次の資格を取得しておくとよいでしょう。

  • 情報処理技術者試験:経産省が認定する情報処理系で唯一の国家資格試験
  • オラクルマスター:データベース管理者・アプリケーション開発者など民間系資格
  • J検:文科省公認の検定試験、情報システム・情報活用・情報デザインの3種類

そのほかにも、C言語プログラミング能力認定試験やJava【TM】プログラミング能力認定試験もあります。資格取得や試験合格は名刺代わりとして効果を発揮しますし、学習意欲の維持に貢献します。

学歴ではプログラミング技術を測ることができない

本格的にプログラミング技術を教えている教育機関が極めて少ないため、学歴でプログラミング技術を測ることができません。整った教育カリキュラムを組むには膨大な準備が必要であり、歴史の浅いプログラム技術を学科として設置するには時間がかかります。

最近になって、専門スクールやオンラインレッスンも普及し始めました。しかしそれでも、学校法人でプログラマーを育成できる教育機関はまだまだ多くありません。

そのため、コンピュータ系の学科がある学校を卒業したからといって、実践に足るプログラミング知識や技術を習得しているかは判断できません。

また、多くのプログラマーが独学でプログラミング技術を習得してきた歴史があります。日々進歩するIT技術を使いこなすには、やはり地道な学習・実践の積み重ねが欠かせません。真の実力を測るには、実際にプログラムの完成度を確認するしかありません。

プログラマーの世界は学歴よりも実務能力優先

実際に、プログラミングの職場では実務能力を優先した採用が行なわれています。これまで述べた通り、学歴で能力を測ることができない職業のため、採用テストや面接では実力を確認する内容に終始しています。

また、就職後の待遇もほぼ学歴に左右されません。求人の募集要項には学歴による給料差を設けているケースはほとんどありません。昇給に関しても実績主義の職場がほとんどで、学歴が昇給に影響する心配もないでしょう。

プログラマーは学歴不要でも素養や能力は必要

プログラミングを実践するためには、物事を論理的思考(ロジカルシンキング)で捉えることが重要です。つまり、アイデアをコンピュータのシステム上で形にするために、完成図を体系的に整え、論理的矛盾や混乱のない理論で具現化する能力が求められます。

また、コンピュータシステムについての理解・プログラム作成に関係する情報収集と内容把握・オリジナルのアルゴリズム作成においては、読解力や想像力も必要です。

これらの素養は決して理系に限られた能力ではありません。短編小説を書く際にも同じ素養が求められます。

加えて、コミュニケーション力も身に付けておくべきでしょう。プログラミングは単独作業ではなく、チームによる取り組みが多い職業です。その上、クライアントと頻繁にやり取りする必要もあるため、コミュニケーション力は欠かせない素養です。

プログラマーとしての素養は学校生活で鍛えることができる

論理的思考や読解力、コミュニケーション能力については、あくまでも一般教養レベルで求められるため、学校教育で身に付けることができます。

また、幅広い知識と教養を身に付けることで、新しいプログラムを生み出すことが可能です。基礎学力が整っている人は学校生活で培ったあらゆる学業・経験を応用して、質の高いプログラミングを実践することができるでしょう。

とくに、大学の研究は専門性の高いテーマが多く、より深い理解を追求します。研究テーマを深く掘り下げて学習する過程で、プログラマーの素質磨きも期待できます。

大手の会社には学歴を重視する傾向がある

深刻な人材不足で悩む企業においては、学歴を問わずに即戦力となる人材を積極的に採用しています。スタートアップ企業やベンチャー企業では未経験者でも率先して雇用しています。

ただし、大手企業は優秀な人材を測る尺度として学歴を重視する傾向があるでしょう。激しい受験戦争を勝ち抜いてきた勤勉さや努力を評価し、大学や専門学校で育んだ教養や人格が社員登用の価値があると判断します。

また、大手企業には大勢の求職者が集まるため、採用基準に学歴を挙げて人材を選ぶ必要があります。

学歴なしでプログラマーになるコツとは

学歴はなくてもプログラミングの世界で活躍することは可能ですが、就職・転職においては学歴があると有利です。そこで、学歴のない人がプログラマーになるために役立つ方法を紹介します。

オンラインコミュニティーを活用する

独学でプログラミングを勉強している人の多くが、ネットのプログラミングコミュニティに参加しています。プログラミングコミュニティはプログラミング学習を目的とした仲間が集まるオンラインサロンで、さまざまなテーマでコミュニティが開かれています。

プログラミング言語に特化したコミュニティ・職種別のコミュニテイ・フリーランスのグループ・パブリックなサービスにかかわるグループなど多種多様です。自分の好みで自由参加できるため、ぜひ試しに見学してはいかがでしょうか。

同じ目的を持った者同士のため、学習のノウハウや情報交換ができます。気の合う仲間と親しくなって、人脈や求人情報を共有し合えばプログラマーデビューの道が開けるでしょう。

自作でスマートフォンアプリやWebサービスを制作する

学んだことは即実行。これこそが技術習得の近道です。はじめてプログラミングを学ぶ人でも、学んだことをベースにして、ごく簡単なプログラムを作成することは可能です。最近ではプログラム用のフリーツールやソフトがたくさん提供されています。それらを利用しながら、スマートフォンのアプリを作ることもできるでしょう。

また、自作のプログラムは実績として評価されます。就職や仕事依頼でサンプル提供できるメリットがあります。

プログラマーのスキルアピールのために資格を取る

プログラマーの職場は学歴、資格や試験を必須としていません。しかし、自分の実力がアピールできる手段を用意しておくと成功の近道になるでしょう。

おすすめの資格・試験は、唯一の国家資格である情報処理技術者試験です。合格率は20~30%と難関ですが、他のプログラマーと差別化できます。

また、資格取得の学習が知識やスキルアップに貢献するため、余力のある人はチャレンジしましょう。

プログラミングスクールに通う

独学でプログラミング技術を習得してプログラマーになるには、一般的に10,000時間はかかるとされています。時間が割けない場合は、評判の高いプログラミングスクールに通うとよいでしょう。優秀なスクールでは、確実で効率よく学習できるカリキュラムを組んでいます。

実践を積んだプログラマーの指導も受けることができるため、具体的なノウハウを習得するには最適な学習方法でしょう。就職支援制度を設けたスクールに通えば、プログラマーとして就職するまでサポートを受けることができます。

学歴がなくても努力次第でプログラマーデビューできる!

プログラマーは学歴に左右されず実力のある人が活躍できる職業です。つまり、誰でもチャレンジでき、いつでもプログラミング学習を始めることができます。コツコツとスキルと実績を積んで、プログラマーデビューを目指しましょう。

なお、プログラミングスキルの習得だけではなく、習得後の採用面接やフリーランスの依頼交渉に関するノウハウも並行して身に付けることが学歴なしでプログラマーになるコツです。