「プログラマーはやめとけ」は本当か。未経験からの転職は無理?

「プログラマーはやめとけ」という言葉を見聞きしたことがある人は、少なくないでしょう。プログラマーを目指そうと思っている人は「やめとけ」と言われる理由が気になるのではないでしょうか。

そこで今回は、プログラマーという職業の問題や魅力、目指す方法などを解説します。

目次

プログラマーという職業が抱える問題

プログラマーはやめとけと言われる理由には、プログラマーの抱える問題が大きく関係しています。ここからは、プログラマーの大変さやつらさをご紹介します。不安になるかもしれませんが、対策するために現実を知っておくことも大切です。

就職してからもスキルアップしなければならない

プログラミングの技術はどんどん進化しています。新しい言語が登場する、それまで使っていた言語の一部が変化するといった現象は決してめずらしいことではありません。一度身につけた知識のままでずっと仕事ができるわけではなく学び続ける必要があります。

研修制度が不十分な企業で働くプログラマーはプライベートな時間を割いて新しい技術を学習しなければなりません。退勤後や休日の自由時間が勉強の時間になると十分に休めなくて心身ともに疲れが溜まるでしょう。

数日単位で納期に追われ続ける

プログラマーは常に納期を意識する職業です。週単位・数日単位で納期に追われており「必ず納期を守らなければならない」というプレッシャーがかかります。特に、品質よりも納期を重視する企業もあり、完璧に仕上げるよりも「とにかく終わらせる」といったスキルが求められるでしょう。

ひとつの案件を無事に終わらせても安心できません。すぐに次の案件の納期が待ち構えているため、気持ちを切り替えて業務を行う必要があります。そのため、納期を大きなストレスだと感じるプログラマーは少なくありません。

残業が多い

納期が重視されるということは、納期を守るための残業や休日出勤につながる可能性もあります。納期前にエラーなどの問題が発生してしまうと、対応するために残業しなければなりません。その結果、疲労が解消できず体調を崩す人もいます。

もちろん、会社や働き方によって量は異なりますが、何らかの残業を経験する人がほとんどでしょう。ときには、深夜や朝方まで働いてそのまま会社に泊まるといったケースもあります。

残業しても給料が増えない

残業が多くても給料が増えるなら頑張りたいと思っている人もいるでしょう。しかし、多くの企業はみなし残業制を採用しており、残業してもみなし残業時間内であれば給料が増えません。

また、年俸制を採用することで残業代の支払いから逃れる悪質な企業も存在します。ただし、本来は残業代が支払われるべきであるため、年俸制の企業に就職する場合は契約内容をよく確認しなければなりません。

エラーや仕様変更による緊急対応がある

プログラマーの仕事は順調に進んでいても突発的な問題が頻繁に発生します。例えば、無事に完了したと思ったら「エラーが発見される」「クライアントから急に仕様変更の指示が入る」といったアクシデントは珍しくありません。

最初からやり直すことになっても納期を変更できなければ徹夜や休日出勤で埋め合わせが必要です。緊急対応が求められプライベートの予定がキャンセルになってしまうこともあります。

顧客先での常駐環境によるストレス

雇用元の企業ではなく顧客のオフィスで業務にあたることを客先常駐といいます。客先常駐に大きなストレスを感じているプログラマーは数多くいます。

ストレスの原因は対人関係や開発環境です。顧客のオフィスで仕事をするということは、すなわち常にお客様に囲まれているという環境を意味します。そのため、失礼のないように振る舞わなければなりません。

また、普段使っているパソコンやソフトが利用できなくて、思うように作業を進められないケースもあります。

業界全体が人手不足のため業務量に余裕が無い 

日本のIT業界において人材の需要と供給のバランスが大きく崩れる問題があります。なぜなら、IT業界の急な成長速度に人材の教育が追いついていないためです。少子高齢化問題も解決しないため、今後も人材不足の状況が続くでしょう。

結果的に、現在働いているプログラマーの1人当たりの業務量が非常に多くなり、残業や休日出勤が増えるという悪循環に陥っています。

早く仕事を終わらせると仕事が増える

自分のスキルを高めて業務効率を上げれば、仕事は早く終わります。残業時間を減らして、プライベートの時間を満喫しやすくなる考え方が一般的です。

しかし、プログラマーの場合このような考え方は通用しません。人材不足の状況が続いているため仕事は余るほどあります。自分が担当する案件を早く終わらせると別の業務が待っており、逆に仕事が増えます。先が見えず、集中力やモチベーションを保てなくなることにもなりかねません。

仕事がコードを書くだけにとどまらない

プログラマーの主な仕事はプログラミンング言語を駆使してコードを書くことです。他の社員とコミュニケーションをとることが少なく、黙々と働けるというイメージを持っている人もいるでしょう。

しかし、実際の仕事内容はコードを書くだけにとどまりません。システムエンジニアの業務を担当することやメンバーのマネジメントを任されることもあります。システムエンジニアが作成した仕様書について顧客と話し合うことも多く、コミュニケーション能力も求められます。

加齢とともに体力がもたなくなる

若くて体力があるうちは深夜や朝方まで続く残業に耐えることができるかもしれません。しかし、加齢とともに体力が低下することで徹夜作業に集中できなくなります。残業によって溜まった疲れを残したまま働くことで仕事の質にも影響が出るでしょう。

また、体力だけでなく学習能力の低下も大きな問題です。新しい言語を習得しづらくなれば、第一線での活躍が厳しくなる可能性もあります。プログラマーの定年は35歳だと言う人までいます。

リリースしてからも時間が取られる

やっとの思いで納期までにリリースできたとしても油断は禁物です。テストを重ねた場合でも、リリース後に何らかのエラーや障害が発生する可能性があります。障害が起きれば、もちろん迅速に対応しなければなりません。

メンテナンスやアップデートが必要なときにも仕事で呼び出されます。プログラマーにとってリリースはゴールではなくひとつの通過点です。新しい案件への着手とリリース済みのシステムに関する対応が重なれば、業務量は一気に増えるでしょう。

やめとけといわれても目指す人の多いプログラマーの魅力

プログラマーの苦労を知ると、多くの人がネガティブなイメージを持つでしょう。しかし、プログラマーという職業にはもちろん魅力もあります。

大変な面だけでなく、やりがいにも目を向けることが大切です。

就職先に困らない

IT業界では人材の供給よりも需要が上回っており、この状況は今後も続くと予想されています。また、業界全体の成長も期待できます。日常生活や学校現場、オフィスなどにおいてITは欠かせない存在となっており、将来的にも伸びる可能性が高い業界でしょう。

プログラマーとして活躍できるスキルを獲得すれば就職先には困りません。就職先の企業が合わなくても転職しやすい業種です。

 スキルアップすることで高収入が得られる 

プログラマーは高度なプログラミングスキルを身につければ収入アップを目指せる職業です。例えば、多くの言語を扱うことができればその分活躍の幅が広がります。読みやすいコードを書く人は多くの企業から求められるでしょう。

高収入を得るためにプロジェクトマネージャーやディレクターといった職種にステップアップする方法もあります。さまざまな選択肢から進む道を選べることはとても大きな魅力です。

フリーランスとして悠々自適に働くこともできる

フリーランスとして働くことを目指すプログラマーもいます。就職して高いスキルと人脈を培えば、会社に属することなく自分のペースで働くことができます。

納期を守ることは前提ですが、勤務時間や休日は自由に選択可能です。能力や案件の内容によっては従業員の時よりも大幅に収入が上がるでしょう。

独立するためには豊富な経験や営業力なども求められますが、自由な働き方にあこがれる人にとってプログラマーは適した職業です。

社会を変えるシステムをつくる達成感

自分が携わったアプリやサービスが使われている様子を見ると、大きなやりがいを感じることができるでしょう。プログラミングの技術はあらゆる分野で活用されており、社会を便利にしています。医療や介護現場における健康サポートやアプリで人を楽しませることもできる素晴らしい技術です。

例えば、身近な人が実際に使っていたりニュースで取り上げられると、モチベーションアップにつながります。

プログラマーに求められる素質

プログラマーは自分に向いている職業か知りたい方へプログラマーに必要な素質を5つ解説します。

当てはまる項目が多いほど、仕事を長く続けやすいかもしれません。

長時間作業を続ける集中力

プログラマーにとってメインの業務となるコーディングには高い集中力が必要です。パソコンに向かって黙々と作業を続けることが苦痛にならない人は効率よくコーディングを進めることができます。勉強やゲームなど何かひとつの物事に熱中できるなら素質があるでしょう。

しかし、長時間同じ体勢で作業を続けることは決して簡単ではありません。思わぬエラーや周囲の雑音、他の考え事などに気を取られない、精神力の強さが求められます。

筋道立てて考えられる論理的思考

論理的思考もプログラマーにとって重要な資質のひとつです。論理的思考とは効率的に成果が出る最善策を考えることができる能力です。効率のいいスケジュールを組むことが得意な人には論理的思考力が備わっているといえます。

文部科学省も論理的思考力の育成を目的としてプログラミング教育の導入を決めました。プログラミングにおいてはなるべくエラーを起こさずに入力を完了させる方法や、エラーの解消方法をすぐに見つける力が求められます。

学習意欲と好奇心

プログラマーが抱える問題のひとつとしてずっと学習しつづけなければならないことが挙げられます。新しい言語や知識を定着させることは大変な作業です。

しかし、もともと学習意欲や好奇心が強ければ、新しい知識を学ぶことがそれほど苦になりません。むしろ「今以上の技術を身につけたい」「進化する技術を理解したい」といった気持ちが生まれて、学習を楽しむことができます。好奇心がスキルアップ、ひいては成長につながります。

柔軟な対応力

クライアントから突然の仕様が変更を求められることに、毎度動揺していては心身ともに疲れてしまいます。焦ってしまうとミスが増えてエラーの原因になり、さらに進捗が遅れることも想定できます。そのため、プログラマーには柔軟な対応力が必要です。

変更点を効率的に修正するにはどうすればいいか、何を優先すべきかを考える、臨機応変な行動が大切です。何があってもパニックにならないような、柔軟な心を持ちましょう。

困った時はすぐ質問できるコミュニケーション力

優れた論理的思考力や柔軟な対応力を持った人でも、すべてのトラブルに一人で対応できるわけではありません。エラーの原因を特定できない場面や、作業量が多く一人では終わらないという場面もあります。

このようなときは、すぐにチームメンバーに質問することが大切です。困ったときに素直に頼ることができれば、結果的に仕事を早く進めることができます。プログラマーは人間関係を良好にするコミュニケーション力が欠かせません。

プログラマーはやめといた方がいい人は?

なりたいという気持ちが強くても、プログラマーに向いていない人はいます。ここからは、プログラマーをあまり目指さない方がいい人の特徴を3つ解説します。

当てはまる特徴がある場合は改善するための努力を行いましょう。

プログラマーになる決意が弱い人

過酷さを表現するために、プログラマーは「IT土方」「デジタル土方」と呼ばれることがあります。地道な作業を行わなければならない上に労働環境が悪い企業は少なくありません。

そのため「室内での仕事は楽そうだから」「なんとなくIT系の職業に就きたいから」といった弱い決意で続けることは困難でしょう。プログラマーになって成し遂げたい明確な目標などを持っていなければ、途中で諦めることになります。

中学生レベルの数学が苦手な人

プログラマーは論理的思考力だけでなく数学的思考力も求められます。少なくとも、中学生レベルの数学を理解していなければ苦労するでしょう。数学が苦手で拒絶意識を持っている場合、初期段階の学習で挫折するかもしれません。

微分や積分までは使いませんが、関数や平均値といった分野をあまり覚えていない場合は、あらかじめ復習することをおすすめします。数学が苦手でも拒絶しすぎないことがポイントです。

情報を鵜呑みにする人

何らかの問題が発生したとき、プログラマーは原因を探って解決しようとします。そのためには、多角的な視点から分析する力が必要です。ひとつの視点から見た情報だけを信じると、誤った解決方法を採用する恐れがあります。

情報を鵜呑みにする人はプログラマーに向いていません。情報にまどわされやすい場合、インターネットや人から聞いた情報は本当に正確か、どのような裏付けがあるか確認する癖をつけましょう。

未経験からプログラマーになるには

プログラマーとして活躍するにはさまざまな素質が必要です。しかし、未経験でも努力すればプログラマーになることができます。ここからは、未経験からプログラマーになるための3つの方法を解説します。

独学でプログラミング技術を習得する

独学でもプログラミングに関する知識や技術を習得できます。自宅で好きな時間に勉強できるため、忙しい人には独学が適しています。自分にとって分かりやすい教材を探して、コツコツと学習を進めましょう。

ただし、独学の場合は分からないことがあっても自力で解決しなければなりません。最初のうちは、どうやって調べるべきか分からず解決までに時間がかかる可能性もあります。相談する人がいなくて挫折しやすいため、強い意志を持つことや学習習慣を整えることが求められます。

プログラミングスクールに通って技術を習得する

プログラミングスクールに通う選択肢もあります。スクールに通えば専門家から直接教えてもらえるため、知識が定着しやすいでしょう。正確な情報を得て、基礎的な能力を身につけることができます。

また、挫折しそうになったときは講師やスクールの仲間に相談できます。アドバイスをもらったり愚痴をこぼしたりすることで、気持ちを切り替えられてモチベーションを維持しやすい環境を作ることができます。

ただし、費用や通う時間がかかることは理解しておきましょう。

プログラマーに有利な資格を取る

スキルの証明になる資格を取得すれば、就職や転職で有利に働きます。ただし、分野によって適した資格は異なるため、しっかりと調べてから受験してください。

ここからは、おすすめの資格をいくつかご紹介します。

基本情報技術者試験 

IT全般において一定の知識や技術があることを証明する国家資格です。昭和44年に発足し、経済産業省によって認定されています。

この資格をとることで、指導を受けながらシステムやソフトウェアの設計、開発が可能なことを証明できます。

試験は午前と午後に分かれており、いずれも150分間です。午前は四肢択一の問題が80問、午後は多肢選択式の問題が11問出題されます。

試験の内容はソフトウェアやハードウェア、情報セキュリティなど多岐にわたります。

Webプログラマーを目指すなら

Webプログラマーを目指す人にはプログラミング言語に関する資格の取得がおすすめです。例えば、PHP技術者認定試験やJavaプログラミング能力認定試験、Ruby技術者認定試験やPython3 エンジニア認定試験などがあります。

仕事で使う言語や得意な言語から、取得したい資格を選択しましょう。

ゲーム系プログラマーを目指すなら

ゲーム系プログラマーになりたいと思っている人はゲーム開発で使用する言語の資格を取得しましょう。

例えば、ゲームに関する専門家によって設計されたUnity認定試験があります。ゲーム開発に従事するなら、Unityの知識は必須です。初心者も経験者も自分の能力を試すためにチャレンジしてみるといいでしょう。

他には、C言語プログラミング能力検定試験やJavaプログラミング能力検定試験などが挙げられます。

やめとけといわれる原因となったブラック企業の特徴

「プログラマーはやめとけ」と言われる要因の多くは仕事内容ではなくブラック企業の労働環境です。長時間労働や残業代未払いといった要素がプログラマー自体への悪評につながっています。

就職する際は、以下の点について気をつけましょう。

みなし残業代制(固定残業代)

みなし残業代制を採用している企業が、すべてブラック企業だというわけではありません。しかし、みなし残業代以上の残業を強いられることが可能性としてあります。

面接時には残業制度の内容をよく確認してください。

人事評価基準が相対評価

人事評価基準が相対評価である企業も高確率でブラック企業でしょう。できれば、面接時に人事評価の具体的な基準や数値などを質問しましょう。

はっきりとした基準がない企業には注意が必要です。

スキルアップのための研修制度がない

優良な企業は社員がスキルアップするための出費を惜しみません。資格試験の受験料補助や社内研修制度といった、さまざまなサポート体制が用意されています。

研修制度などがなければ実費でスキルアップを目指すことになります。

平均勤続年数が3年以内、または書いていない

ホワイト企業は社員の退職が少なく、自然と平均勤続年数が長くなります。一方で、ブラック企業の場合は退職が多く、平均勤続年数が短い特徴があります。

年齢を重ねても仕事を続けることができるかどうか判断できる要素のため、必ずチェックしましょう。

やめたくならないプログラマーになろう

プログラマーは決して楽な仕事ではないため、それなりの覚悟を持って努力することが大切です。しかし、悪評を聞くからといって諦める必要はありません。

ブラック企業を避けることで、さまざまなやりがいを感じながら働くことができます。プログラマーの魅力にも目を向けて、知識や技術を身につけましょう。